韓国ドラマ「オクニョ」最終回考:気になる結末とオクニョとテウォンのロマンス、ドラマのその後は?
イ・ビョンフン監督×チン・セヨン×コ・スで全51話で放送された「オクニョ 運命の女(ひと)」(原題:獄中花)は、勧善懲悪、大団円で幕を閉じた!最終回をふり返ってメインキャストたちの最後とドラマのその後をご紹介!番組公式サイトで関連動画が公開されている。
「オクニョ 運命の女(ひと)」は、監獄で生まれた一人の少女が出生の秘密を明らかにしていく中で、多くの素晴らしい人々と出会い、弁護士として成長していくまでをハラハラドキドキのサスペンスと、ロマンス、アクションたっぷりに描いた作品。韓国時代劇で初の弁護士制度を扱ったとして注目を集めた。
■「イ・ビョンフン監督のチャレンジ!
イ・ビョンフン監督お得意の実在の人物を新解釈で描いた他の時代劇と違って、「オクニョ」は架空の女性を主人公にしている。もっとも、文定大妃やチョン・ナンジョンら実在の人物のエピソードは事実に沿わせて描きながらも、オクニョという架空の王女をヒロインに、これまでのイ監督のどの作品より自由にのびのびと描かれた作品だった。
ちなみに、オクニョの父である第11代王・中宗は二人の王后と9人の後宮から9男11女をもうけているが、オクニョは歴史に残らなかった王女の1人と考えるといいだろう。
最終回は、イ・ビョンフン監督の作品らしく、登場人物たちのその後をコミカルかつ、丁寧に描いている。では、最終回で描かれた登場人物たちの一年後をおさらいしよう。
■夫婦愛で描いた悪女の最期?※最終回ネタバレ
朝鮮王朝三代悪女の1人とされているチョン・ナンジョンは、オクニョの幻に怯え精神が壊れてしまい、自ら毒を飲み吐血して死んだ。最後の言葉は夫ユン・ウォニョンを探す言葉だった。
一方、正気をなくした妻に辟易して外に出ていたウォニョンは、帰ってきて冷たくなった妻を発見。妻の亡骸に縋りついて慟哭し、残った毒を飲んで後追い自殺。悪事を重ねた二人だったが、夫婦愛だけは真実だったようだ。
結局、明宗は二人に恩情を込めた賜薬(毒殺刑)を下したが、間に合わなかった。(なぜ毒殺刑が温情なのかは「イニョプの道」第16話あらすじの「■豆知識」で詳しく解説。)
■1年後の人びと※最終回ネタバレ
念願のユン・ウォニョンの子を産んだジョングムは、赤ん坊を背負って物乞い生活。最後にオクニョの側についたトンチャンは約束通り助命、赦免された。
マンスは、大妃付きながらこれまでオクニョを助けて来たヨンジと結婚してまもなく子供が生まれる。兄貴分で行首のチョンドンも大好きなマノクと夫婦になれたものの悪い癖が出て賭博通い…恐妻マノクにお灸をすえられる日々。
明宗は河城君(後の宣祖)に民のための英明な国王になれるように帝王学の教育を始めていた。明宗が教材にした『貞観政要』(チョガンチョンヨ)とは、唐の太宗の政治に関する言行を記録した書で、古来から政治の規範書とされている全10巻40篇からなる書。高麗時代を舞台にした「麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~」第18話「■豆知識」で詳しく解説している。「光宗大王」54話でも帝王学の教科書として登場する。
コン・ジェミョンやチョン・ウチたちは各商団の人びとは儲けた利益を民のために役立て、企業人に。ソン・ジホンは栄転して刑曹で裁判長を務める。
そして…
オクニョとユン・テウォンは最強の外知部(弁護士)として冤罪に苦しむ民のために裁きの場で活躍していた。
©MBC■オクニョとテウォンの恋の結末は?※最終回ネタバレ
「時が流れて」としながら、最終回のエンディングはわずか1年後が描かれている。わずか1年ではもろもろの事後処理で、オクニョとテウォンの恋の決着も付けようがなく、ロマンスについては二人の仲睦まじい姿を見て、視聴者が想像するしかない。ドラマファンとしては二人が夫婦として幸せに暮らしている姿も観たいものだが、明宗のことを考えれば、1年後を描くしかないはず。
というのは、母文定大妃に苦しめられた明宗は、母亡きあと、わずか2年後に死去しているのだ。これについては第13代王・明宗…史実は母の死を願った涙の王?で詳しく解説。
■ドラマのその後は?
明宗に嫡子がいなかったために、明宗亡き後は劇中描かれたように、中宗の庶孫・河城君が王位を継承し第14代王・宣祖となる。(参:【朝鮮王朝系図】)
ごく平和裏に王位継承となったが、朝鮮はここでいわゆる直系でない“傍系承統時代”を開くことになった。これにより、これまでの外戚(妻の親族)中心の“戚臣政治”が終わり、士林勢力が重用され、2大党派による“朋党政治時代”に突入し、王朝に新たな戦いの火種がくすぶり始める。(参:【朝鮮時代の党派の歴史】)
※宣祖については後日【「オクニョ」を2倍楽しむ】で詳しく紹介する。
宣祖が登場するドラマに「華政(ファジョン)」や「王の顔」などがある。「ホ・ジュン-宮廷医官への道」もこの時代で、ホ・ジュンを主人公にした「魔女宝鑑~ホジュン、若き日の恋~」は、傍系ゆえに臣下たちから軽んじられたと悩み苦しむ悪霊に取りつかれた宣祖と、ホ・ジュンとの戦いも描かれる。
その他のドラマは【ドラマの年表:朝鮮王朝時代】で確認できる。
◇作品公式サイト
【作品詳細】【「オクニョ」を2倍楽しむ】