「ヘチ 王座への道」クォン・ユル演じた朴文秀(パク・ムンス)は、本当に正義感あふれる熱血漢だった?

2019年11月16日13時30分ドラマ
©SBS

NHKBSプレミアム(日曜よる9時~)で好評放送中の韓国ドラマ「ヘチ 王座への道」の中に登場する人物と史書などに伝わる実像とを比べて見た!今回はクォン・ユル扮するパク・ムンスのモデルである朴文秀を紹介、予告動画は番組公式サイトで公開している。

「ヘチ 王座への道」は、民のための政治を行い名君として伝わる朝鮮王朝第21代王・英祖(ヨンジョ)の不遇の王子時代に、仲間に支えられて王になり司憲府(検察組織)を改革して世の中を立て直していくまでを描く。題名の「ヘチ」は、善悪を見極める力を持つ伝説の動物のこと。
【「ヘチ」を2倍楽しむ】では、「エピソード0」としてドラマの始まる前と派閥(党派)や、韓国での評判、その他の実在人物などまとめて紹介している。



■「ヘチ」で描かれる朴文秀/パク・ムンス(クォン・ユル)は?
貧しい名家の息子。正義感あふれる熱血漢で、ユーモアたっぷりで明るく根性がある。司憲府(サホンブ)の監察を志し、役人登用試験の科挙を受けて何度も不合格になっているが、あきらめずに挑戦を続けている。司憲府のハン・ジョンソクを尊敬し慕っている。
ヘチパク・ムンス(クォン・ユル扮)★クォン・ユル(1982年6月29日生、179cm)
ドラマデビューは2007年イ・ミンホ主演の「走れサバ!」。当時はクォン・セインという本名で活動。翌年には時代劇「大王世宗」、その後「私に嘘をついてみて」に出演。芸名をクォン・ユルに改名して出演した「ブレイン」でブレイク。2012年には「モンスター~その愛と復讐~」で主演、「ゴハン行こうよ2」にも出演。2017年のドラマ「耳打ち ~愛の言葉~」では悪役に挑戦し、コリアドラマアワード最優秀賞、SBS演技大賞優秀演技賞を受賞。「もう一度ハッピーエンディング」「ボイス2」や、映画でも『嘆きのピエタ』『ファイティン!』に出演している。「ヘチ」ではコミカル演技をたっぷり披露している。
「大王世宗」で共演したベテラン美人女優のチェ・ミョンギルは叔母。「龍の涙」「明成皇后」でKBS演技大賞最優秀賞、「パンチ~余命6ヶ月の奇跡」でSBS演技大賞最優秀賞などしている演技派女優である。叔母の姿を見て俳優を目指したが、「演技で認められたい」と考える彼は、デビューから8年間チェ・ミョンギルが叔母とは明かさなかったそうだ。


■朴文秀(パク・ムンス)(1691年生~1756年没)
【韓ドラコラム】朴文秀は正義の暗行御史でデキる政治家!より
代々続く少論派の名門の家の出身。幼少期から優秀で、33歳で科挙に合格し文官に。朝鮮王朝第21代王・英祖が即位し老論派が政権を取ると失職するが、英祖の蕩平政治により復職。1727年、王命を受けて地方官の不正摘発と民心調査の目的で隠密に地方に派遣される官吏「暗行御史(アメンオサ)」として密使嶺南(慶尚南北道)に派遣される。清廉潔白な人物で私利私欲のない彼の行動は民からの信頼を得た。その後も多くの功をたて、1728年の「李麟佐の乱」では討伐軍の従事官として功を立て、1741年には御営大将として咸鏡道で飢民の救済をした英雄として記念碑も建てられた。だが、両班の弊害を論じるなどして煙たがられた彼は弾劾や左遷、流刑と赦免を繰り返すが、ついには現在の副首相に相当する右参賛にまで昇進した。政治家としても党派を超えた実用的な政策を行おうとした。1756年、享年66歳で死亡。
▼家族▼
実子はいない。伯父・朴泰漢の孫の1人を養子として迎えている。
▼実像とドラマの違い▼
「ヘチ」では不平等な世の中を嘆き、王子であるヨニン君イ・グム(延礽君、後の英祖)のやった替え玉受験さえも、相応の罰を課すべきと付きまとうが、延礽君が替え玉受験をしたのはまったくのフィクション。だが、正義感あふれる熱血漢というのは事実。実在の朴文秀も地方官の悪政を暴いたために、浮き沈みの激しい人生を送った。「ヘチ」では何度も科挙に落第しているが、そうした記録は見当たらない。人柄についてもクォン・ユルが演じたムンスのようにユーモア溢れる人物かどうかは定かではないが、他のドラマで朴文秀がどう描かれているかは【韓ドラコラム】朴文秀は正義の暗行御史でデキる政治家!を参照されたい。

【「ヘチ」を2倍楽しむ】では、粛宗、景宗、英祖、密豊君ら実在人物の紹介や豆知識、各話の詳しいあらすじと見どころなどまとめて紹介している。



NHK「ヘチ 王座への道」番組サイト
 2021.02.14スタート 毎・日23:00-24:00 NHK総合
 2019.11.10-2020.05.03 毎・日21:00~22:00 BSプレミアム
作品公式サイト

kandoratop【作品詳細】【「ヘチ」を2倍楽しむ】