チョン・イル「ヘチ 王座への道」第4話<運命がさまよう夜>ネタバレあらすじと見どころ、豆知識:救恤計

2021年03月06日14時20分ドラマ
©SBS

ハン監察(イ・ピルモ)たちとすごろく遊びで友情を深めたイ・グム(チョン・イル)だったが、異母弟ヨルリョン君(ノ・ヨンハク)を守るために究極の選択に迫られる!韓国本格時代劇「ヘチ 王座への道」第4話あらすじと見どころ、豆知識を紹介、番組公式サイトにはチョン・イルからのコメントと予告動画が公開されている。
※この記事は、2019年11月10日~2020年5月3日までNHKBSプレミアムでの放送時に紹介したものです。

●ネタバレなしの4話のあらすじは【コチラ】



※オリジナル版を参考にしているために、カットされたシーンやあらすじが前後する場合もあることをご理解ください。また、王族キャストは読み違いを避けるために(イ・グム、ミルプン君、ヨルリョン君)とバラつかせています。

【「ヘチ」を2倍楽しむ】では、ドラマの時代背景や見どころ、粛宗、英祖、景宗、密豊君、朴文秀ら実在の人物紹介などをまとめて紹介。ここでは第1話の前にいったい何があったのか、前史ともなる時代背景と派閥(老論、少論、南人)についても【エピソード0】として紹介している。



■第4話「運命がさまよう夜」(見どころ・豆知識)
老論派の重臣ミン・ジノンの政治力を思い知らされたイ・グム。王位継承者候補である弟のヨルリョン君を守るため、共に王族の悪事を暴こうとした司憲府監察ハン・ジョンソクを窮地に追い込んでしまうことに。
イ・グムがヨルリョン君に肩入れするのは、聡明ながらも賤しい血の流れるグムが王位に就くことはできないから、ヨルリョン君で代理満足のためだと、ミン・ジノンに分析される。さらに、「非力の良心に何の力もない」ことを痛感したグムは、帰路出会ったヨジの肩に顔をうずめ、ハン監察を守れという。

一方、イ・グムを次期王にしたいと考えていた王の粛宗は、ミルプン君のために立場の弱まった司憲府イ・イギョム長官にグムを推戴して老論の長となれと勧める。すでに死期が迫っている王は最期の賭けに出たのだ。
さすが何度も政権交代させて、南人、老論、少論を操って来た粛宗。上手い作戦だが…。

翌朝、ヨジは、いつもは司憲府に届くはずの救済(救恤)の金品が、ハン・ジョンソク宅に大量に届けられたことが気になる。パク・ムンスと共にイ・グムの屋敷に赴いたヨジは、昨夜のグムの言動について問い、グムは、自分のような者に関わっている時間はない、司憲府へ行け!と二人を追い払う。事情を知らないパク・ムンスは、グムのよそよそしい態度に戸惑う。

ついにミン・ジノンが表立って動き出す。「老論はヨルリョン君を守る」と王に進言。その頃、司憲府には「ハン監察に偽証させられた」というイ・グムからの訴えが入り、ハン・ジョンソクに監察の手が入る。イ・グムが証言を取り消したと聞き驚くヨジ。ウィ・ビョンジュは、ジョンソクが証拠捏造だけでなく、賄賂も受け取っていたとして、家宅捜索もさせる。救済用の金品が賄賂だとジョンソクを連行する役人を力づくで止めようとするパク・ムンスを、ジョンソクは「司憲の執行を止めてはならない…お前はいつか必ず立派な司憲府の官僚になれる。その時派必ず、力ではなく法で勝つ人間になれ」と制止する。
ヨジの不安が的中してしまった。ムンスの慟哭が辛い。

ミン・ジノンは、ハン監察官に無実の罪を着せることで、官僚たちが老論に盾突かないよう、見せしめにしたのだ。ミン・ジノンに面目を潰されたことに憤慨したイ・イギョムは王の提案を飲むことを決心し、王から、今の局面を打開する資料一式を預かり、イ・グムに渡たるように手を回す。

その頃、自暴自棄になったイ・グムは妓楼を借り切って都の賤民たちに酒をふるまい、自らも酔いつぶれていた。だが、そこにはタルムン仕切る浮浪団の者たちの姿はなかった。

ハン監察官の尋問の席で真実を明らかにしてもらおうと、ヨジとパク・ムンスがイ・グムの屋敷に向かうが、グムと会うことはできなかった。ムンスは姿のないグムに向けて「何か事情があるはず。ヨニン君様を信じている」と声をかける。

翌朝、釈放されたミルプン君は老論の重臣宅に挨拶に向かうも、素っ気なくされる。神妙な態度のミルプン君に、王になりたかったら行動を慎むべきだった、と一喝し、使臣団と共に清に行くように告げるミン・ジノン。絶望するミルプン君を叱咤するユニョン。その頃、グムは枕元にあった資料を見て、まだ勝機はあるとハン・ジョンソクの尋問に立ち会うことに。
見捨てないでくれと縋りつくミルプン君に、ミン・ジノンがなんというのか?イ・グムが手にしたのはミルプン君の私生活から殺人後の計屍録まで事細かく記した資料。これこそが3話で王が義禁部の経歴から受け取った文書。

王はヨルリョン君を呼び寄せ、イ・グムを次期王にしたいと相談する。ヨルリョン君は後継者は王が決めること。ただ、少論を納得させ、イ・グムの味方につけるために、数日の猶予が欲しいと、二つ返事で了承する。
世子、グム、ヨルリョン君3人とも大切な我が子という優しい王。なぜ、ヨルリョン君でなくイ・グムを次期王に選んだのか、その理由を語るのでお聴き逃しなく。もっとも実在した粛宗は延齢君(ヨルリョン君)を最も寵愛し、後継者に考えていたようだ。詳しくは延齢君紹介で。

ハン監察の尋問に立ち会ったイ・グムは、起死回生の策を講じて動き出したことを知らせる。その後、グムはムンスとヨジ、そしてチャンダルとアボン補佐官の4人を集めて作戦会議。資料から、残虐だが臆病者のミルプン君は、罪を重ねながらも赦しを得るために仏教に帰依しており、いつも持ち歩く計屍録を、漢陽を離れるときは龍源寺に預けると分かる。明日ミルプン君は清国の使臣団と朝鮮を離れるので、このチャンスに計屍録を奪うことに。
尋問するウィ・ビョンジュに感づかれないよう、グムとハン監察はどんな会話で意思疎通を図るのか?作戦会議の場所決めで、王族の裕福さと、グムが財産に関心を持っていないことをさりげなく教えてくれる。また、作戦会議の後、ひとり居残るヨジとイ・グムの会話が愉快だ。ヨジが自分自身のことをグムにどう説明するのか?あきれるグムに、追い打ちをかけるように、「なぜ私がオラボニ(お兄様)と呼ぶと男たちは嫌がるのか?」という疑問をぶつけるのでお聴き逃しなく。

イ・グムは、ミルプン君が漢陽を離れるまで用心するよう、ヨルリョン君に伝える。ミルプン君はグムに挨拶代わりの憎まれ口をたたいて漢陽を発つ。ヨジはハン・ジョンソクに計屍録を見つけられそうだと報告する。その頃、チョホンは、以前噂を広めるために利用した弁士が、浮浪団タルムンと話しているのを目撃し、イ・グムに報告する。妓楼を借り切った時に、ただ酒が飲めるのに浮浪者が1人も来なかったことを思い出したグムは、タルムンに会いに行く。
験担ぎでイ・グムの長寿を願うチョホンだが、どうも長生きにならない。だが、実際のグム(後の英祖)は王朝一のご長寿の王様。詳しくは英祖紹介で。

浮浪団のタルムンが、替え玉受験の仲介人ケドルから妓楼を買い取ったと知ったグムは、ミン・ジノンがバックにいると睨み、全財産をやるからどんな取引をしたのか教えてくれと頼む。するとタルムンは我々を守るのは金でも法でも役所でもない。非力な者を守るのは“権力”だと教える。それでもイ・グムの心意気を感じたタルムンは、清に発ったはずのミルプン君が舞い戻って安国房にいると教える。

安国房にはヨルリョン君の屋敷がある。グムは馬を走らせヨルリョン君の元へ駆けつけるが…。一方、ムンスたちは龍源寺に乗り込むために、グムの到着を待っていた。待ちきれなくなったムンスたちは寺に乗り込み計屍録を探すが…。そして獄中のハン・ジョンソクは同僚から外の空気を吸って来いと牢から出してもらう。ところが、偶然、ミン・ジノンがウィ・ビョンジュにあてた手紙の存在を知り、冤罪の真相を知る。ジョンソクの手にある証拠の手紙を取り上げようとしたビョンジュが…。
安国房、司憲府、龍源寺の3か所をコマ送りのように映像を切り替える演出が緊迫感を煽る。



■豆知識:救恤計(クヒュルゲ=구휼계)
救恤は日本語では“きゅうじゅつ”とよみ、“恤”は「うれえる」「とむらう」「あわれむ」などの意味を持つ。つまり、救恤計とは貧民や罹災者を救済すること。3話ではイ・グムことヨニン君が干ばつの時に救恤米(救済米)を運んだ。
救恤計はもともとは古代中国で始まった制度で、穀物を貯蔵し、予測不可能な飢饉に備えて必要に応じて貯蔵した穀物で救恤を行った。それが韓半島の古代王朝や日本など東アジアに伝わった。

■キャスト相関図(NHK)
延礽君ことイ・グム役:チョン・イル
茶母ヨジ役:Ara(コ・アラ)
熱血漢パク・ムンス役:クォン・ユル
町のごろつきダルムン/タルムン役:パク・フン
密豊君ことイ・タン役:チョン・ムンソン
ほか

NHK「ヘチ 王座への道」番組サイト
 2021.02.14スタート 毎・日23:00-24:00 NHK総合
 2019.11.10-2020.05.03 毎・日21:00~22:00 BSプレミアム
作品公式サイト

kandoratop【作品詳細】【「ヘチ」を2倍楽しむ】