「ラケット少年団」は中学生だけの青春ドラマじゃない!5歳から100歳まで全世代のリアル成長ドラマ
コロナ禍で外出もままならない今年の夏休み、家族で見てほしいラマがある!8月3日韓国tvNで最終回を放送し、Netflixでも全話独占配信中の韓国ドラマ「ラケット少年団」だ。
※【「ラケット少年団」を2倍楽しむ】では韓国での評判や各話のあらすじなどまとめて紹介している。
「ラケット少年団」は、ソウルから遠く離れた最南端の過疎村を舞台に、廃部寸前の中学のバドミントン部の部員たちを主人公にした友情、家族、初恋を描いた青春スポーツドラマ。だが、単なる中学生の青春ドラマじゃない。では、先にざっくりとドラマのあらすじをご紹介しよう。
ユン・ヘガン(演:タン・ジュンサン)ソウルで暮らすユン・ヘガンは中学3年生。「僕はユン・ヘガンだぞ!」が口癖の自信家で野球のエースピッチャー。父ヒョンジョンは世渡り下手で家計はいつも火の車。元バドミントンの国家代表も務めたが現在は不安定な生活体育講師。母ヨンジャは、元アジア個人女子シングルスの金メダリストで、現在は家族と離れて全国1位の海南第一女子中のコーチ。
左から、村長、ユン・ヒョンジョン、ヘガン、ヘインヒョンジョンは生活のために海南西中のバドミントン部のコーチを引き受けることになり、ヘガンと5歳の妹ヘインはソウルから5時間の辺鄙な田舎にお引越し。一軒家とは名ばかりでトイレも外で熊の足跡まで…。近くには店もなく、Wi-Fiも繋がらない。
左から、パン・ユンダム、ナ・ウチャン、イ・ヨンテ
ヒョンジョンが引き受けたバドミントン部は部員3人で廃部寸前。1週間後に迫る“サツマイモ大会”に出場するには1人足りない。おまけに寮がつぶれ3人はヒョンジョンの家で暮らすことに。キャプテンのユンダムは実力も責任感もあり、ウチャンはヒップホップとお洒落好きで仲間想い、中2のヨンテはムードメーカーで韓国代表イ選手にあこがれている。
優等生チョン・インソル迷惑がるヘガンだが、Wi-Fiを繋ぐことを条件に渋々バドミントン部に入部し4人は大会を目指すことに。実はヘガンは小学生のころ、グランドスラムを達成した消えた天才バトミントン少年だった。ヘガンたちは大会であっけなく負けてしまうが、次の春季大会を目指して奮起する。学校では全国トップの優等生インソルが運動部を小馬鹿にし、ヘガンを敵視する。
左から、ハン・セユン、イ・ハンソルそんな中、海南第一女子中の寮の改修工事のために、母ヨンジャが中3の女子部員で全国一位の実力で絶対的エースのセユンと、真面目でしっかり者のハンソルの2人を連れて家にやってくる。こうして、少年少女たちは共同生活を送り、大会での勝利を目指す。
■中学生だけなく、全世代の青春・リアル成長ドラマ
このドラマは少年たちの大会挑戦記であり、青春ドラマだが、「十七歳」や「A-TEEN」シリーズなど日本でも人気のWEB学園ドラマとは一味も二味も違う。WEB学園ドラマでは進学や家庭が抱える問題などで大人=家族との繋がりや確執も描かれるが、あくまでも物語の中心は同年代の少年少女。
海南西中「ラケット少年団」も友情や初恋、家族など描かれるが、日々の生活の中でご近所さん=村人たちが深く関わってくる。5歳のヘインが迷子になれば村人全員で探し、料理を作りすぎたらおすそ分けし、100歳を迎えたハルモニ(おばあさん)の誕生日を村中で祝い、冠婚葬祭や困った問題も村ぐるみで考え解決し、バドミントンの試合だって村中で応援に来る。まるで、ご近所付き合いが密だった昭和のころのように。そもそもタイトルも昭和感あふれる「少年探偵団」のようで、ヘガンたちのダサいポーズにもほっこりさせられる(笑)。
村には、目を負いたくなるような苛めもなければ特別な事件も起こらない。ただただ平凡な日常が描かれているのだが、大人たち一人一人が抱える問題にも焦点を当てて丁寧に描いているのが他の学園や青春ドラマと違うところ。
ラ・ヨンジャヒョンジョンはコーチとして親として悩み、完璧に見えるヨンジャも辛い思い出があり、ペ監督は極力新しいことや挑戦することを避けようとする。老夫婦はWi-Fiも繋がる素敵な子供部屋を用意しているがその部屋を使う子供はおらず、100歳の母親と2人暮らしの中年のシン女史はやたら都会者を毛嫌いする。そして都会からやってきた若夫婦は生きる気力がなく、過疎化が進む中でも村長はノー天気…。
左から、オメハルモニ(おばあさん)、村長そうした大人たちが抱える問題を時に優しく、時に厳しい言葉でぶつかり合いながらも、互いに助け合い解決していく。子供たちは大人に助けられ、大人たちも子供たちに教えられる。このドラマはバドミントン部の部員たちだけでなく、村で暮らす全員が成長するリアル青春ドラマなのだ。
■きれいごとだけじゃない村の生活と若者の本音
都会から来た夫婦とはいえ、村の生活を必要以上に美化したりしないのも本作の魅力。村に見切りをつけて出て行った家族もおれば、ヘガンたちが練習をさぼって遊びに行った先でひどい目に遭わされたりもする。村を食い物にしようとする輩が出てきたり、今なおスポーツ界でコネが幅を利かせていたり。そして何より緑豊かな田舎でも意外に空気が汚れていたり、村おこしに無策だったり…。
そんな日常がときにコミカルに、ときに悲しく描かれ、毎回のように声を上げて笑ったり泣いたりさせられる。
海南第一女子中また、今年は1年延期した『東京五輪2020』が開催され、野球や卓球などで日韓戦が大いに盛り上がったが、本作でも日韓戦の練習試合が行われる。コーチたちは目の色を変えて日本に対する敵対心や反感を露わにするが、部員たちは「私たちは日本を嫌ってません。とても親しくしてます…」と日韓関係の明るい未来を予感させるような発言をし、大人たちがハッとする一幕も描かれる。
これについては、韓国でも印象的なワンシーンとしてとらえる視聴者が多かったようで、「80年代以降に生まれた若者の中には、セユンたちが言った考えも多い」と紹介したりしている。セユンたちのセリフはまだ続く。またヘガンたちもコメントしている。はたしてどんなセリフなのか?第9話で確認しよう。
こんな素敵な物語を一層輝かせてくれるのは、フレッシュな10代の子役たちと演技派の俳優陣。キャスト紹介はコチラ⇒【キャスト編】
■キャスト
▼海南西中
コーチ ユン・ヒョンジョン役:キム・サンギョン「大王世宗」
ユン・ヘガン役:タン・ジュンサン「愛の不時着」
パン・ユンダム役:ソン・サンヨン「浪漫ドクターキム・サブ2」
ナ・ウチャン役:チェ・ヒョンウク「マンガな彼氏~POP OUT BOY!~」
イ・ヨンテ役:キム・ガンフン「椿の花咲く頃」
チョン・インソル役:キム・ミンギ「女神降臨」
▼海南第一女子中
コーチ ラ・ヨンジャ役:オ・ナラ「SKYキャッスル~上流階級の妻たち~」
ハン・セユン役:イ・ジェイン「賢い医師生活」
イ・ハンソル役:イ・ジウォン「SKYキャッスル~上流階級の妻たち~」
Netflixオリジナルシリーズ『ラケット少年団』独占配信中!
◇Netflix
◇youtube予告動画
【作品詳細】【「ラケット少年団」を2倍楽しむ】