「最愛の敵~王たる宿命~(原題:赤い丹心)」第15−16話(最終回)ネタバレあらすじと見どころ、視聴率は?

2022年06月24日15時40分ドラマ
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イ・ジュン×カン・ハンナ×チャン・ヒョク主演の韓国ドラマ「最愛の敵~王たる宿命~」(全16話)の第15・16話(最終回)のあらすじと見どころを紹介しよう。本作は「赤い丹心」というタイトルで韓国KBS(月・火曜夜9時30分)にて2022年5月2日(月)~6月21日に放送され、日本ではディズニープラス「スター」で独占配信している。

「最愛の敵~王たる宿命~」は、生き残るために愛する女性を排除しなくてはならない王のイ・テ(イ・ジュン)と、生き残るために皇太子妃にならなければならないユ・ジョン(カン・ハンナ)が、お互いの首に刀を突きつけながら繰り広げる政治ロマンスドラマだ。
【「最愛の敵」を2倍楽しむ】では、各話のネタバレあらすじや未公開映像、韓国での評判、イ・ジュン×カン・ハンナ×チャン・ヒョクのインタビューなどまとめて紹介している。
※タイトルの“丹心”とは“真心”という意味。以下、ネタバレあらすじ。



■キャスト
イ・テ役:イ・ジュン
ユ・ジョン役:カン・ハンナ
パク・ゲウォン役:チャン・ヒョク
チェ・ガヨン役:パク・ジヨン
チョ・ウォンピョ役:ホ・ソンテ
チョ・ヨニ役:チェ・リ
 ほか

■第15話
大妃を摂政になるよう仕向け、国を危険に晒したのがイ・テの計画だったと知り、イ・テを問い詰め、強い眼差しで見つめるユ・ジョン。事実を認め、二人を守る為に必要だったと弁解するイ・テだが、大切な妹分のトングムを失ったユ・ジョンは受け入れる事が出来ない。立ち去ろうとするユ・ジョンの袖を掴むが、ユ・ジョンはそれを振り払って部屋を出ていってしまう。

トングムとの思い出に浸り立ち尽くすユ・ジョン。追いかけてきたイ・テにトングムが入宮した経緯を語り、もっと深く考えるべきだったと責めるユ・ジョン。許しを請いながらも、道義を守っていては功臣を追放できないと反論するイ・テだが、「両親を殺したのは功臣だけでなく先王の決断だ」というユ・ジョンの訴えに返す言葉を失い、チョン・ウィギュンの励ましも届かず自責の念に苛まれる。

王との朝食を断ったユ・ジョン。チェ尚宮の口から、イ・テがトングムを移送して手厚く埋葬するという知らせを聞くが、彼女の不信感は拭えず、チェ尚宮に便殿の動きを調べさせる。

その頃、大妃のもとにやって来たナムサン。大妃についていた功臣が保身の為にイ・テ側に寝返る中、毎月一日恒例の挨拶にやって来た彼に冷たく接し、私に関わらない方がいいと忠告する大妃。去っていくナムサンに「来てくれて嬉しかった」と本心を語りながらも、会うのはこれが最後だと告げる大妃。

父パク・ゲウォンと酒を交わしたナムサン。大妃の圧力に屈した大提学は劣等感から弟子であるナムサンを弾劾しようとしていた。父の前で強がるも、ふと涙を見せて本心を語るナムサンに「過去のまっすぐだった頃の自分」を重ねたパク・ゲウォンは、苦しみながら生き抜けと激励する。「父上からどんな教えを受けていようが同じ生き方をしていた」というナムサンの言葉に、「自分より強い」と微笑むパク・ゲウォン。宮中で孤立した大妃の事も、遠くから見守る事しか出来ずにいた。

大妃に逆らえず同調していた大提学ら功臣は、手のひらを返したように大妃の暴政と廃位を訴える。しかし、「母親が息子に逆心を抱くはずがない」とこれを却下したイ・テは、これを利用して都承旨など、不都合な功臣を排除していく。これを聞いていたパク・ゲウォンはイ・テをただ見つめる。

なぜ大妃を廃位にしないのかというユ・ジョン。功臣を排除する以外に意味があるのかと問う。大妃を廃位するという親不孝を働けば政変の名分を失うので、大妃を消すようパク・ゲウォンに命じた事を明かすイ・テ。

パク・ゲウォンの屋敷に集まった功臣たちは、大妃を利用して邪魔者を排除していくイ・テを危惧していた。パク・ゲウォンの夫人は、大妃を消すべきだと主張。イ・テの本当の狙いが大妃の死だと知ったパク・ゲウォンは、これに怒り、夫人の主張を認めない。夫の意見を聞いて動揺する夫人。

功臣を使って大妃を死に追いやれば、王族やユ・ジョン、そして生まれてくる子供も安全だと説得するイ・テ。一番たやすい道を選ぶイ・テに失望感を示すユ・ジョン。

大妃の前に現れたパク・ゲウォンは、彼女の命を救う為に自ら廃位を名乗り出るよう説得し、イ・テが大妃の死を望んでいる事を明かす。これを聞いた大妃はパク・ゲウォンが国の為なら自分を殺すのかと問いただす。「私の事を殺せるのか?」という質問に、大妃や王の母親という修飾語を付けて、殺せるわけがないと答えるパク・ゲウォンに、大妃は失望し、「朝鮮を壊す」という考えは変わっていないと口走る。

イ・テの命令で大妃のもとから日毎に女官が連行されていく。これは不孝を行う前触れだと感じた大妃は、王の監視が強まる前に協力者を探すよう命じ、王宮の外に送りたいものがあると明かす。

兵曹判書チョ・ウォンピョを呼び出したイ・テ。組織を改編して兵曹の権力を強め、パク・ゲウォンの勢力を弱めるよう命じる。しかし、パク・ゲウォンはこの改編がパワーバランスを崩すと主張して反対。二人きりになると、イ・テの暴走を止めようと説得するが、イ・テはこれを聞き入れず、大妃を殺すよう命じる。

王の信頼と強大な権力を得たチョ・ウォンピョ。ヨニはこれまでの行いを咎められる心配が無いと知り安心する。娘が野心を抱かないか心配するチョ・ウォンピョ。王に後ろめたさを感じるヨニだが、イ・テと鉢合わせし「いっその事責めてくれ」と恐れを明かして、自室で泣き崩れる。

大妃を訪ねたユ・ジョン。全ての行いは自分の地位を守る為だったと語り、自分を罠にはめて殺そうと目論むイ・テの行いも同じだと言う大妃。ユ・ジョンはイ・テを大妃と同じ道を歩ませないと宣言。その帰り道、禁忌とされる便殿に踏み込んだ事で士林派の功臣から睨まれるユ・ジョン。しかし、士林派の父を持つユ・ジョンは、父の仲間だった彼らの考えも理解できた。竹林県からの手紙を受け取ったユ・ジョンはこれを見て、イ・テが監察使を送って、大妃の勢力から仲間を守ってくれた事を知る。

ユ・ハクスによる王后殺害の汚名を晴らして欲しいと懇願する士林派の内官達。王后毒殺の再調査をして王后が自ら毒を飲んだ事が明るみになれば、イ・テの立場が危うくなる為、チョン・ウィギュンは再調査に反対する。イ・テのもとを訪れたユ・ジョンはトングムの墓参りへ行く許しを請う。ユ・ジョンの手を取り、もう心を開いてくれないと思ったと不安な気持ちを明かすイ・テ。初めはイ・テのやり方に失望していたユ・ジョンだが、イ・テなりに犠牲を最小限に抑えようとしていた事に気づいたユ・ジョンは、大妃に宣言した「同じ道を歩ませない」という誓いを胸にイ・テの手を握る。

トングムの墓を訪れたユ・ジョンはパク・ゲウォンを呼び出していた。「イ・テは聖君になれると思うか」というユ・ジョンの問いに「分からない」と答えるパク・ゲウォン。牽制に耐えきれなくなれば暴君になる可能性もあると説く彼の言葉に、誰の血も見ずに聖君にする為に、臣下としてイ・テを牽制すると宣言するユ・ジョン。

父の仲間だった士林派のトップを呼び出したユ・ジョン。父から受け継いだ教えを口にして、自らがユ・ハクスの娘である事を明かす。この事を知ったパク・ゲウォンは、身分を取り戻そうとするユ・ジョンに反対。イ・テが士林派を登用した今を身分を取り戻す機会と見るユ・ジョンと、左議政である自分の姪として王妃になるのが安全だと主張するパク・ゲウォン。彼は、功臣達が次々と排除されていくのを目の当たりにした士林派は粛清を恐れて、たとえ敵対する左議政の姪でも廃妃には出来ないだろうと考えていた。しかし、ユ・ジョンは王の意のままに動く朝廷にするべきではないと反論し、パク・ゲウォンとは違う道で臣下になると告げる。

ユ・ジョンのもとにやって来て、ユ・ハクスの身分回復を許可したというイ・テ。王后毒殺事件の再調査をせずに解決出来た事を喜ぶイ・テに、自らの名誉も戻して欲しいと頼むユ・ジョン。パク・ゲウォンの姪でない事を明かす事が大前提になるので、賛成できないイ・テ。ユ・ジョンはパク・ゲウォンを説得するというが、他の功臣と同じようにパク・ゲウォンを粛清しようとするイ・テの言葉にユ・ジョンの表情が固まる。

ユ・ジョンに対して、絶対的な味方だと信じてやまないイ・テ。どんな事をしたとしても王の為だと言って複雑な表情を見せるユ・ジョン。

その夜、王命を受けたチョ・ウォンピョは逃げていた五衛を捕らえにパク・ゲウォンの屋敷に踏み込む。強大な権力を得たチョ・ウォンピョになす術がないパク・ゲウォンだが、「外戚の横行を王は決して認めない」と警告。兵曹判書がパク・ゲウォンを見下す様子を目の当たりにした夫人は、「女としての道を捨てて、一族の為に尽くしてきた」と心中を明かして、一族の為に大妃を殺すよう説得。夫パク・ゲウォンの心がいつでも大妃にあると気づいていた夫人は嫉妬から失言したと謝るが、パク・ゲウォンは一族の命運を縣けた決断にいつも従ってくれた夫人に感謝の気持を伝える。命運を縣けて王に逆らおうとする夫を不安に見つめる夫人。

強い決意を抱いたパク・ゲウォンは、ユ・ジョンに取引を持ちかけ、身分を復活させる代わりに、士林派と共に王后毒殺事件が自作自演だった事を明かし、それを名分に大妃を廃位させ、自分ひとりが罪を背負う事を約束させる。

便殿に集まった功臣の前で、ユ・ハクスの身分回復を宣言するイ・テ。士林派の功臣はこれに喜ぶが、パク・ゲウォンはもうひとり身分を回復させるべきだと発言し、イ・テの表情がこわばる。混乱する功臣の前でユ・ジョンの正体を明かすパク・ゲウォン。ユ・ジョンを処刑させるつもりだと誤解したイ・テは、彼女の正体を知りながら黙認したと弁解し、彼女を庇う。これこそがパク・ゲウォンとユ・ジョンの狙いだった。

イ・テの誤解とは裏腹に「私が脅して入宮させた」と明かしたパク・ゲウォン。なぜ突然、ユ・ジョンの身分を明かして、自ら罪を被ったのか?彼の狙いが掴めないイ・テは、聞く耳も持たず、パク・ゲウォンを義禁府へ投獄するように命じる。士林派を使ってパク・ゲウォンの一族を滅門させるよう命じていたイ・テだが、これに反対する士林派。今回のパク・ゲウォンの行動はユ・ジョンが関与していると知って驚くイ・テ。

パク・ゲウォンに脅されたのだろうと問いただすイ・テに、朝廷のパワーバランスを保つ為にパク・ゲウォンと話し合った事だと明かし、王権に執着して手を血で汚すべきではないというユ・ジョン。ようやく王権の立て直しをしてきたのに邪魔されたと感じたイ・テはユ・ジョンが敵になろうとしていると考え、最悪の場合は排除すると涙で告げる。

■第15話見どころ
回を追うごとに登場人物それぞれの思惑が交差し、このドラマで描かれる事件の本当の首謀者は誰なのか、視聴者の容易な先読みを許さない巧みな脚本で描かれた本作は、実は全て主人公が描いたシナリオ通りだったという、巡り巡って衝撃的な展開で最終週を迎えた。

純粋無垢な主人公が正義として描かれる従来の勧善懲悪を描いたドラマとは異なり、どうしても主人公イ・テこそ最大のトラブルメイカーだったと思わせる展開が面白い。第15話では全国視聴率7.7%と、前回より1%以上視聴率を下げたものの、イ・テの策略で、愛する大妃を殺す選択を迫られたパク・ゲウォンが見せる葛藤や、夫人や息子に対する家族愛が描かれ、これまで描かれなかった夫として、父親としての笑顔を初めて見せ、視聴者の心を掴んだ。パク・ゲウォンを演じるチャン・ヒョクの「主役を食う演技」でむしろ、手段は違えど一途に国を思い、命を縣けて来たパク・ゲウォンの方が主人公に思えてしまうのだから、彼の才能は恐ろしい。

これまでに兵曹判書チョ・ウォンピョや政敵パク・ゲウォン、大妃など数々の強力な権力者との頭脳戦を繰り広げてきたイ・テが、最後にユ・ジョンとの駆け引きを繰り広げるという第15話の展開を見れば、「最愛の敵」という邦題にもうなずける。果たしてユ・ジョンの意図はイ・テに伝わるのだろうか?パク・ゲウォンは愛する大妃を殺す事になってしまうのか?遂に全ての物語が終結する最終回は必見だ。



■第16話
大妃を廃して、パク・ゲウォンも追放する計画を着実に進めてきたイ・テは、ユ・ジョンの思いがけない行動に戸惑いを隠せない。彼女が王后毒殺事件の犯人にされたユ・ハクスの娘で、世子嬪だった事実が明らかになれば、これまでの計画が崩れかねない。そうなれば、ユ・ジョンも排除しなければならなくなると危惧するイ・テ。彼が王権を強化するのは、今度こそ愛するユ・ジョンを守り抜く為だった。しかし、ユ・ジョンは「自分の身は自分で守るので、王として正しい道を歩んで欲しい」と願う。

ユ・ジョンの身分を姪と偽って王宮に入れたパク・ゲウォンは責任を問われ、投獄が決まる。これを聞いた大妃は彼の身を案じ、パク・ゲウォンの前で、朝廷を脅かそうとした真の理由を告げる。彼女にとって、大切なパク・ゲウォンに会う為には権力を保つ事だけが必要だったのだ。

パク・ゲウォンとユ・ジョンが仕掛けた作戦に賛同していた夫人。ユ・ジョンはパク・ゲウォンと一族の名誉を守ると約束する。ユ・ジョンの正体を聞いたヨニは、このまま淑儀として王宮に残り続ける事に恐れを抱くが、父チョ・ウォンピョは王の愛情を受けずに王宮で年老いていくかも知れない娘を案じて、冷静になるよう諭す。

自分が暴君になるのではと恐れるユ・ジョンの気持ちを悟ったイ・テ。チョン・ウィギュンはそれでも王の道はいつでも正しいと告げる。彼はもともと賤民の身分だったが、先王に見初められ、忠誠を尽くしてきたのだった。

士林派を訪ねたユ・ジョンは、改めて身分を明かし協力を求める。それは、パク・ゲウォンとの約束を守る為、王の前で、士林派の敵である彼を擁護して欲しいというものだった。身分を偽ったユ・ジョンとパク・ゲウォンを処罰するべきと主張するチョ・ウォンピョ。これに反論して二人を擁護する士林派。しかし、イ・テは全ての罪をパク・ゲウォンに着せようとしていた。その晩、屋敷を訪れた士林派にチョ・ウォンピョは驚く。

大妃を追い込もうとするイ・テの行動は留まることを知らず、遂には側近だったハン尚宮まで大妃のもとから連行されそうになる。唯一心を許せる尚宮を失いそうになった大妃は、イ・テに対して遂に許しを請い始める。これを聞いたイ・テは、門前で親孝行を演じながらも見苦しいと呟く。小刀を取り出して自害を仄めかす大妃。政変を起こしたと批判されない為に彼女に自害されるわけにはいかないイ・テは、彼女が王宮を離れて温陽行宮で暮らす事を認める。一部始終を見ていたユ・ジョンに「いつでも味方でない人間は敵だと思ってきた」と明かすイ・テ。ユ・ジョンは彼のそばで生涯味方としてを過ごすと約束。ユ・ジョンの行動は、敵ではなくイ・テに苦言を呈して、歯止めをかけられる臣下として生きていく為の決意のあらわれだった。

士林派と功臣が手を組んでパク・ゲウォンを擁護する事態を危惧したチョン・ウィギュンは、大妃が温陽行宮へ向かう途中に無頼漢に襲わせる計画を明かし、決断を迫る。動揺したイ・テは計画に反対するものの、チョン・ウィギュンは王命に背いて兵を手配。女官に労いの言葉を伝え、行幸の準備を終えた大妃は、これまで暮らした大妃殿を見つめる。これを聞いたパク・ゲウォンは、大妃が死を選んだと悟り、彼女を救おうと脱獄を図る。

大妃が王宮を離れて二日、大妃から手紙を受け取ったイ・テの表情が固まる。万が一、大妃が王宮の外で命を狙われれば、犯人として疑われると脅されたイ・テは、大妃の死を望みながらも、それが王位を脅かす事になりかねないと悩み、大妃を生かす決断を下す。しかし、その頃、チョン・ウィギュンは既に大妃を暗殺する為に動き出していた。

牢獄を脱出して大妃の前に現れたパク・ゲウォンは、政治の為に愛する女性を利用して不幸にしてしまった自らの過ちを詫びて、生きて欲しいと願う。その時、チョン・ウィギュンが大妃を狙って攻撃を仕掛けるが、パク・ゲウォンは身を挺して大妃を守り抜き、命を落とした。自分を庇って犠牲になったパク・ゲウォンの亡骸を抱いて泣き崩れる大妃。

強力な権力を持っていたパク・ゲウォンの死に驚くイ・テ。チョン・ウィギュンも、大妃襲撃とパク・ゲウォン殺害の現場を目撃され、王宮から離れる事を余儀なくされる。信頼できる忠臣を失ったイ・テ。パク・ゲウォンの訃報を聞いたユ・ジョンもまた、自らの仲間を守る為に政敵であったユ・ハクスを殺したと語る彼の言葉を思い出していた。彼の語る政治とは違う道を進むと誓うユ・ジョン。

主を失い、悲しみに暮れるパク・ゲウォンの屋敷では、心配する息子ナムサンを前に、一族の長として夫の意志を継ぐ決意をする夫人。弔問に訪れたイ・テは、パク・ゲウォンの幻と対峙する。これまではイ・テがよき王になれるのか分からず、信じられなかったが、これからは全て王の決断次第だと微笑むパク・ゲウォンの言葉に、責任の重みを痛感したイ・テは、恨みながらも国を守り抜いたパク・ゲウォンを失い、ユ・ジョンの前で涙を流す。

生きる希望を失い、死を望む大妃に対しても、廃位させるが殺すつもりはないと告げ、王宮で孤独に暮らすよう命じて去っていく。パク・ゲウォンを失い、地獄のような孤独な生活を言い渡された大妃は池の畔でひとり泣き崩れる。

竹林県にもユ・ジョンからの手紙が届き、師匠が宮中に登用される。仲間達にも王宮で起こった事件の噂が伝わるが、ユ・ジョンが世子嬪で、再び王妃になった事は伝わっていなかった。こうして平和を迎えた王宮で、ユ・ジョンは男児を出産。

誰もいない玉座を見つめて、味方ばかりを配備した王宮で、思い通りの世の中を作ったところで、暴君ではないと胸を張って言えるだろうか?と自問自答したイ・テは、自らの強い味方だったチョ・ウォンピョを流刑に処す。これを知ったヨニはあまりに理不尽な仕打ちに泣き崩れるしかなかったが、後にイ・テの許しを経て、流刑地を訪れ、何としてでも流刑を解いてみせる、と宣言。王妃にはなれなくても、将来大妃になってみせると強い目標を掲げた。

自ら困難な道を選んだイ・テに微笑むユ・ジョン。イ・テは「こんなに手強い相手になるとは思わなかった」といたずらに笑いながら、正式にユ・ジョンに気持ちを伝え、口づけを交わす。二人は延期されていた婚礼式を迎え、お互いを見つめて微笑む。こうしてユ・ジョンはイ・テにとって、初恋の人であり、妻であり、最大の政敵となったのであった。

■第16話見どころ
壮大な物語が終結する最終話では全国視聴率8.9%と、第14話に並んで放送開始以来の最高視聴率を記録。イ・テとユ・ジョンの幸せな姿で幕を閉じるのだが、最終話の中でも怒涛の展開が繰り広げられた。

何と言っても注目したいのは、林の中に佇む大妃の前にパク・ゲウォンが現れるシーンだ。互いに想い合いながらも、理想の世界を築く為にすれ違ってしまった二人の結末が描かれ、ごくありふれた生活を夢見ていた女性を利用してしまったパク・ゲウォンが、大妃を守って命を落とすシーンは涙なしでは観られない。

最終話では、多くの犠牲を払い、ユ・ジョンの行動に困惑しながらも、王として本当にあるべき姿をイ・テが見つけて成長していく姿が主軸として描かれた。少し難解な部分も読み解いていくと、イ・テは功臣達の脅威で大切な人を失わないよう、自分の考えに反対する「敵」をすべて排除しようとしてきた。しかし、これをユ・ジョンは「最もたやすい選択」だと危惧した。イ・テが道を誤った時に正してくれる人がいない朝廷では、イ・テが暴君になりかねないからだ。「味方ばかりを集めるのは正しい事なのか」というイ・テの自問自答の結果がチョ・ウォンピョの流刑に繋がり、クライマックスのセリフからは、邦題の「最愛の敵」が「自分が誤った時にブレーキをかけてくれる存在」という意味だと察する事が出来る。これまで望んできた安全な道ではなく、困難な道をユ・ジョンと乗り越えていこうとするイ・テの心境の変化が印象的だ。

エンドロールではこれまでの季節感が美しい名場面がスライドショーのように流れ、その後に、まだ二人が満月の夜に逢瀬を重ねていた時代のエピソードが挿入され、ユ・ジョンがイ・テにとって安心できる唯一の場所だと示すシーンが登場するのでこちらもお見逃しなく。

主人公のロマンスを描きながらも、圧倒的に政治的な戦略合戦の割合が高かった本作の魅力は、遂に最後の最後まで何が悪で、何が善なのか答えを明示しなかった事だ。むしろ、答えが無い事を示したドラマだと言ってもいいのかも知れない。クライマックスに向け、ユ・ジョンとの幸せを築き上げていく反面、大妃にあまりにも残酷な余生を与えたり、権力強化の為に利用したチョ・ウォンピョを切り捨てたりと、イ・テの非道さが引き続き描かれ、ハッピーエンドの裏にどこか複雑な余韻を残した。

このドラマは、結末を観てからもう一巡視聴してみる事をオススメする。全編を通して、やや難解なストーリーだったが、各話でのそれぞれの登場人物の発言や行動の意図が読め、本作の脚本がどれほど奥深く、完成度が高いか改めて実感できるはずだ。

■スタッフ
監督:ユ・ヨンウン「契約友情」「ただひとつの愛」
脚本:パク・ピルジュ「一緒に暮らしませんか?」「青い鳥の輪舞〈ロンド〉」

■ディズニープラスとは:
Disney+ (ディズニープラス)は、ディズニーがグローバルで展開する定額制公式動画配信サービス。ディズニー、ピクサー、マーベル、スター・ウォーズ、ナショナル ジオグラフィックの名作・話題作に加え、スターブランドとして大人が楽しめるドラマや映画も。ここでしか見られないオリジナル作品も見放題。

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kandoratop【作品詳細】【「最愛の敵~(原題:赤い丹心)」を2倍楽しむ】