韓国ドラマ「恋人」制作記:ビギニング映像(10分半):スタッフ陣がこだわりぬいたポイントとナムグン・ミンらキャスト自身が語るキャラクター紹介

2023年07月28日00時53分ドラマ
画像:YouTubeよりキャプチャー

韓国で8月4日に放送開始するMBC新金土ドラマ「恋人」より制作記フルバージョン:ビギニング映像がYouTubeにて公開された。

「恋人」は、丙子の乱の兵火の最中に繰り広げられる恋人たちの物語と、苦しみの中で希望を見出す人々の物語を描く物語。
※丙子の乱:清が第16代・仁祖の時代、朝鮮に侵略し、制圧して服属させた戦争(詳細説明)。



「僕が出演したドラマの中でもっとも念を入れたドラマです」というのは主演を務めるナムグン・ミン。「あー、こんな運命があるんだな~」はヒロインのアン・ウンジン、「切なさがとても大きくて…」とイ・ダイン、そしてイ・ハクジュは「感情が湧き上がってきたようです」と、メインキャスト達の思い入れたっぷりに詰まった言葉からビギニング映像が始まる。



脚本を担当したファン・ジニョン作家は、「『恋人』は人は愛にハマったときにどこまでできるのかを見せる話です」と作品を説明し、「5年という長い間準備して悩んできたドラマなので、修正が100個近くなる回もあって、書いた台本も反映されないままのものをまとめたファイルは1000ページを超えました」と苦労を語った。

そうして仕上げた脚本をキム・ソンヨン監督は「とても膨大でよく書かれた脚本なので、これを視聴者にうまく伝えたいという欲がありました」と愛情を示した。だからこそ、念を入れたいシーンが多かったようで、時代背景にも考慮することも重要と考え、撮影、衣装、美術すべてに神経を使ったとこだわりを明かした。映像では俳優の帽子一つ、髪形一つにもこだわる監督の姿が映し出されている。

イ・ジニ衣装監督は「実際の証明に基づいた織り生地をリサーチして直接織り上げたものを多く使用しました。そして、より生活感を演出するために、色彩も何種類かの天然素材で多様に染色して使用した」と、こだわりを聞かせてくれた。確かに昨今の時代劇で多く見られる現代的なパステルカラーとは違う、色合いが印象的だ。イ衣装監督は中でもナムグン・ミン扮するジャンヒョンの衣装には特にこだわったようで、外套(トボ)の形に合わせて帖裏(チョルリク=武官の公服)を新しいデザインを作り、気品がありながらも活動的な、キャラクターにぴったり合わせた。また時代背景が「丙子の乱」だけに、中国の清の衣装にもこだわったようだ。

チェ・ヒョヌ美術監督は、「3000坪程度になるかなり大掛かりなオープンセットや清の小道具も実際にモンゴルに行って、時代に合うような模様のものも勉強をしました」と、ゲル(居住空間)もモンゴルで実際に制作してきて、(モンゴル側からの)苦情が出ないように苦労したようだ。

満州語指導のキム・ギョンナは「地上波でこんなに満州語が多く出るのも初めて。事実上消えた言語。歴史的にもこのような背景だったろうなと理解してくれたらうれしいです」とコメント。

キム・ファヨン撮影監督は「300人ずつ撮影する場面もかなりありました。スケールが大きいので、撮影監督として責任感もあり、プレッシャーのありました」と本音を明かし、リアリティーを生かすのが撮影監督としての課題であり、そのシーンにあう雰囲気と技法があるので、できるだけ盛り込もうとしたそうだ。撮影は四季を通して、全国をロケして撮影したとのこと。映像には、春夏秋冬の景色の中でアン・ウンジン扮するギルチェが鮮やかな衣装で駆け巡るのを、ある時はカメラで伴走、またある時は空撮と重いカメラを抱えて撮影した苦労が見て取れる。

そうして出来た映像をイ・ダインは「全国の観光スポットでの撮影でした」と言い、イ・ハクジュも「感動的な撮影がたくさんありました」と振り返った。ナムグン・ミンは「韓国のおそらく美しい場所の集約体として見られるドラマ」と自信をのぞかせている。

キム監督は「丙子の乱という戦争を基準に、多様な人物が出てきて、多様な背景が与えられます」と説明しているが、丙子の乱では、王様が民を捨てて逃げたというナムグン・ミンの台詞がある。そんな彼は演じたジョンヒョンについて「人に対して排他的で誰かを簡単に信じることができない。愛についても少し悲観的。ところがギルチェと出会って愛を知り、多くの難関と事件に遭遇するようになる人物です」と分析。また、史劇口調にしても、自分だけのスタイルにすることはできないかと、納得するまで「もう1回」と何度も撮り直しを要求し、冒頭で語ったように念の入れたことが映像から伝わる。

そんなナムグン・ミンをキム監督は、「ナムグン・ミンが見せた俳優としての情熱とエネルギーが、僕にとってすごい刺激になったようです。」とナムグン・ミンのキャスティングを今さらのように喜んでいる。

アン・ウンジンは、自身が演じたギルチェを、「愛を知らない彼女が、本当の愛を知り、また人生を学ぶような叙事詩の中に置かれたキャラクターです。この役を演じることは本当に大きな挑戦で、これを演じることで大きな自信を得ることができました。もちろんプレッシャーもたくさんありましたが、監督じゃなかったら、不安で何度も泣いたはず…」と監督への信頼を口にしている。

そんな彼女をキム監督は、「ギルチェを魅力的に表現するためにたくさん努力をし、もっと立体的に豊かに、面白い“ギルチェ”になりました」とこちらも手放しでほめている。

イ・ハクジュは自身が演じたナム・ヨンジュについて「士人の中の士人。義理人情、そして信念のために馬鹿正直に自分の全てを捧げる人物です」と評している。
※士人=“ソンビ(高い教養と徳を備えた人)

ファン作家はそんなイ・ハクジュを「自分の役割だけでなく、ドラマ全体への関心がとても多く、熱心でその姿を通してイ・ハクジュの演技力の根がここにあるんだと納得しました」と納得。

イ・ダインは演じたウネを「自由でとても愛情深い“良妻賢母”のようなスイートな女性で、どんな状況でも中心がぶれることのないスタンスを持ち続ける女性です」と分析。

ファン作家は「ウネというキャラクターだけができる笑いのツボがあるんですが、台本をとても正確に理解し、正確に表現しており、ドラマを通して“俳優イ・ダイン”に会えるのではないでしょうか」と演技力を高く評価している。

ついに2023年放送となった本作。キム監督は「我が俳優陣とスタッフが本当に渾身の努力で面白いドラマを作りました」、ファン作家は「単純に美しい画面、写実性ある画面、その画面のために数多くの登場人物たちが互いに愛して、欲望を持ち、裏切り…感情のスペクタルが広がる」とPR。キャスト陣からも「そのプロセスがすごく大変で、楽しく、また映像を見るととてもカッコよくその圧倒的なスケールを感じました」(アン・ウンジン)、「大変な逆境の中でも愛と希望を失くさない民たちを見ることができるそんなドラマです」(イ・ハクジュ)、「とても面白いドラマが出来ました。たくさん見て下さい」(ナムグン・ミン)、「一度観れば最後まで観たくなります」(イ・ダイン)。

「すごく、恋しくて愛する『恋人』大ヒット!」という言葉で制作記を締めくくった。

「恋人」は8月4日(金)21時50分から韓国MBCにて初放送する。

MBCドラマページ(韓国)

kandoratop【作品詳細】【「恋人」を2倍楽しむ】