【韓国歴史コラム】「薯童謠」でチョ・ヒョンジェが演じた武王は実在の百済の王(地図・系図・年表)

韓国時代劇の巨匠イ・ビョンフン監督の「薯童謠-ソドンヨ」は韓ドラ史上初の百済を舞台にした作品で、イ監督の人気作8作の中で唯一SBSの作品。今回はそんなドラマで主演のチョ・ヒョンジェが演じた後の百済第30代・武王について紹介する。
「薯童謠-ソドンヨ-(以下、薯童謠)」は、古くから伝わる説話をモチーフに、百済の王子・武王(チョ・ヒョンジェ扮)の波乱の人生と、敵国である新羅の姫・善花公主(イ・ボヨン扮)との運命の恋描いた歴史ロマン大作。
百済は高句麗、新羅と並ぶ三国時代の古代国家の一つ。他の2国と違って残された資料や史跡は少ないが、日本に様々な文物を伝えたことはよく知られている。
●【三国時代の地図】拡大して見る
百済は半島南西部に居住した馬韓を構成する諸国の1つだった伯済国によって2~3世紀後半に成立したとされている。『三国史記』によるとBC18年に、高句麗の始祖・東明王(朱蒙)の子・温祚王によって建てられたともあり、温祚王を始祖として数えると義慈王まで歴代31人の国王が名を連ねる。もっとも、中国の史料に初めて名が乗るのは第5代・肖古王から。
●百済と初回に登場する王については「百済と聖王紹介」で詳しく解説している。
「薯童謠」でチョ・ヒョンジェ扮するチャンは後に百済の王になるが、第30代・武王がモデルだ。百済王朝系図で歴代31人の王にざっと目を通しておこう。
●【百済王朝系図】を拡大して見る
百済第30代・武王(ムワン)(生年不詳~661年)

ドラマで描かれた武王は?
前項で武王の父と記した法王の本名は扶余宣(プヨソン)。ドラマではキム・ヨンホが演じた威徳王の甥プヨソンで、敵対関係として描かれている。もっとも中国の『北史』ではドラマと同じく威徳王(チョン・ウク扮)の息子=聖王の息子との記述もある。生年不明の武王に関してはその系譜も定かではない。こうしたことからイ・ビョンフン監督はドラマのワケあり主人公に選んだのかもしれない。ドラマは『三国遺事』に記された『薯童説話』(武王が新羅の美しい善花(ソンファ)公主(善徳女王の妹)と恋した)をモチーフに描かれたが、実際に新羅と百済の間に婚姻が結ばれた記録もない。善花公主については別で紹介する。
【「薯童謠」を2倍楽しむ】では、各話のネタバレあらすじや見どころ豆知識と共に、時代背景やキャスト・実在人物の紹介などしていく。
武王が登場する他のドラマは?
「薯童謠」では若々しいチョ・ヒョンジェが演じた武王を、「大王の夢」ではパク・チョロ、「階伯(ケベク)」ではチェ・ジョンファンが演じている。同時代のドラマは以下で一覧できる。
●【ドラマの年表:三国時代編】を拡大している

チョ・ヒョンジェ(1980年5月9日生、180㎝、A型)

チョ・ヒョンジェについてはこちら「百済王はお任せ」でで詳しく紹介している。
イ・ビョンフン監督作品で韓ドラ史初の百済ドラマにして、ロマンスたっぷりの「薯童謠」はBS日テレにて放送中だ。
◇BS日テレ「薯童謠」番組サイト
2024年2月13日スタート 月~金17:00-18:58(全74話版)2話連続放送
◇YouTube第1話無料配信中
