「胸ぐらを一回つかまれましょう」第15・最終回:キム・ハヌル、真実を掴みチャン・スンジョと離婚、ヨン・ウジンにも別れを告げる!?(ネタバレ)
キム・ハヌル×ヨン・ウジン×チャン・スンジョが出演する「胸ぐらを一回つかまれましょう」が毎週月火の夜10時10分より放送中。今回はついに迎えたクライマックス、5月6日・7日に放送された第15・16話(最終話)のネタバレあらすじや見どころを紹介したい。
「胸ぐらを一回つかまれましょう」は、悪人の胸ぐらを掴む記者と悪人の手首に手錠をかける捜査一課の刑事が、相次ぐ殺人事件を一緒に追跡しながら、巨大な渦に巻き込まれるメロ追跡スリラーだ。原作は2020年に開催されたNAVERの「地上最大の公募展」のウェブ小説ミステリー部門で大賞に選ばれたウェブ小説。⇒【関連・各話のあらすじ】
■キャスト
ソ・ジョンウォン役:キム・ハヌル
キム・テホン役:ヨン・ウジン
ソル・ウジェ役:チャン・スンジョ
ソル・パンホ役:チョン・ウンイン
モ・ヒョンテク役:ユン・ジェムン
ユ・ユニョン役:ハン・チェア
ほか
■第15話あらすじ
コン秘書(チョン・ヒョビン)ともみ合いの末、刃物で刺されてしまったテホン(ヨン・ウジン)だったが、力を振り絞り立ち去ろうとするコン秘書の太ももを刺す。足を引きずりながらも必死に逃げるコン秘書は、ソル・パンホ(チョン・ウンイン)に電話しテホンに全てばれたことを報告。また万一警察に捕まった場合は会長の指示に従うと伝える。
ジョンウォン(キム・ハヌル)は、工場火災事件当日に近所で起きたトラック追突事故を調べるうちに、コン秘書が関連している事実を突き止め、同時に父を殺したのもコン秘書だと気づき衝撃を受ける。ジョンウォンはパンホの元を訪ねて「お義父さんが黒幕なんですか?」と問い詰める。この時ウジェも同席しており、ジョンウォンの詰問にみるみる青ざめる表情。一方パンホは表情を一切買えず落ち着いた様子を見せながら、コン秘書がムジングループに入ったのはリゾート事業後で、彼を自身に紹介したのはモ・ヒョンテク(ユン・ジェムン)議員だと白を切った。
その後モ・ヒョンテクはパンホの支援もあって江原道知事に当選。その対価として血痕のついたヘッドライト破片をパンホに渡す。パンホは、コン秘書が犯した罪の黒幕は自身でなくモ・ヒョンテクでなければと圧迫する。結局モ・ヒョンテクはジョンウォンを呼び出し、ジョンウォンの父が死亡する前日に自身を訪ね「パンホの余罪に関する決定的な証拠を持っている」と言ったことを教えるのだった。
テホンはコン秘書ともみ合う最中、GPSをこっそりつけていた。そのおかげでコン秘書は警察に捕まる。しかし全て自分一人で犯した罪だと主張し、一貫して黒幕の存在を否定する。
ウジェは罪悪感からか自らジョンウォンに離婚を提案し、それを伝えるとすぐ去ってしまう。しかしその後ジョンウォンはデータを調べるうちに、ウジェが交通事故を起こした瞬間の動画を見てしまう。真実を知ったジョンウォンはウジェに「自分達が初めて会った場所で会おう」と連絡。海辺にやってきたウジェにジョンウォンは涙目で「もう全部知ってる、全部見た。父が撮った映像を見つけた」と打ち明け、ウジェの肩を掴みながら何故そんなことをと泣き崩れる。ウジェも涙を流しながら跪き「どうしよう、俺を殺してくれ」と自身の罪を認めた。そして最後に「真実を話してくれる人はあなたしかいない。私の父はお義父さんが殺したのよね?」「本当にごめん」と、ついに真実を掴んだジョンウォン。二人は号泣しながら抱き合うのだった。
自分が最後にできることをやって罪を償うと話したウジェ。企業経営大賞授賞式当日、ムジングループが最優秀賞を受賞し登壇したウジェは思い詰めた顔をしながら「私は殺人者です」と発言。過去に自身がひき逃げで人を殺し、パンホが遺体を遺棄したと自白するのだった。
■見どころ
第15話は2.7%を記録。冒頭コン秘書に刺され救急車で運ばれたテホンは、意識が朦朧とする中でジョンウォンから「待っていてほしい」と言われたことが走馬灯のように浮かぶ。ジョンウォンの告白に対する「あまり長く待たせるなよ」というテホンの返事を聞いた瞬間、一瞬テホンがこのまま帰らぬ人にならないか!?とひやっとした視聴者もいたのではないか?ジョンウォンの妊娠を知ってからは、どうしようもないが諦めることもできない辛い表情が続いており見ていられない程だった。この苦悩を見事に表現しきったヨン・ウジンの演技力に改めて拍手を送りたい。
そしてついに、本話でジョンウォンはウジェの過去の罪を知り、真実にたどり着く。父を殺した犯人がこんなにも近くにいたということを知り衝撃を受けるジョンウォンと、父の言う通りにして罪を隠し続け、それが毒のように苦しみ続けていたウジェ。海辺で泣き叫びながら抱き合う二人は、それぞれとても一言では言い表せないような感情を抱えてきており、それが爆発した瞬間だったのだろう。
■第16話あらすじ
企業経営大賞授賞式に参加したウジェは、過去イ・ナリ(イ・ダヨン)を車で跳ねて殺したこと、更に父パンホがムオン山に死体を遺棄したことまで暴露。突然の息子の行動に驚く父パンホは急いで会場を去る。ウジェは現場にいたテホンによって緊急逮捕された。
まだ父パンホが関与したという証拠がない中、ウジェはモ・ヒョンテク(ユン・ジェムン)が父に渡したヘッドライト破片をテホンに渡す。また留置場を訪れたジョンウォンに対しては「ひき逃げの瞬間の映像を放送してくれ、ジョンウォンの父親がソル会長によって殺害された事実を番組で暴露しろ」と頼む。戸惑うジョンウォンだったがその足ででカン局長(ジョン・インギ)を訪ね、放送で全貌を明らかにさせてくれと依頼。生放送でジョンウォンは準備した証拠を次々と公開し、パンホは警察の調査を受けることになる。またヘッドライト破片からモ・ヒョンテクの指紋が出たことから、彼が検事の時代に捜査記録を偽装したことまで明らかになる。
生放送が無事終了し、ジョンウォンは再びウジェに会いに行く。そこでジョンウォンは「楽しい瞬間もあったから後悔はない。ずっと一人だったのに家族ができたし、子供というプレゼントまで。もう私の夫でないけれど子供の父親に変わりない。産まれたら見せに来る」と言い、笑顔で涙を浮かべるウジェだった。
ウジェとの関係を整理したジョンウォンはテホンとも別れることを決心。「今からデートしない?」と電話で誘いキャンプ場でテホンと最後に時間を過ごす。浮かない顔のテホンとは対照的に吹っ切れたような明るい笑顔のジョンウォンは「私の不幸の終りはあなたとよく別れること。あなたから離れること」と伝えると、テホンは泣きながら「遠くにいてもいいから時々会えるようにしてくれ」などと懇願する。しかしジョンウォンは「私幸せに暮らすわ。子供もしっかり育てる」と言いながら別れを告げた。 テホンは去ろうとするジョンウォンを抱きしめ「分かった、お前の好きにしろ、俺も好きにするから。ずっとお前を考えるだろうし、連絡するだろうし、お前を待つだろう。ずっと愛するだろう」と涙ながらに告白。最後は二人で泣きながら抱擁を交わすのだった。
3年後、済州島で一人で出産したジョンウォンは自分の個人チャンネルを通じて記者活動を続ける。パンホは一審判決で証拠不充分として無罪判決となり、結果を聞いて苦しむウジェに娘と会いに行ったジョンウォンは彼を慰めるのだった。テホンからは定期的に連絡がきていたが一度も返信しなかった。ジョンウォンは本部長に昇進したカン局長の復帰提案を受け、3年ぶりに復活した「胸ぐら一度捕まりましょう」MC席に返り咲く。すると会議中、警察署強力1チーム刑事が重体というニュースを知ったジョンウォン。テホンが怪我をしたかもしれないと心配になり、すぐさま病院に向かった。すると自身の名を呼ぶ声が聞こえ、見ると松葉杖をついたテホンが。3年ぶりに再会した二人、ジョンウォンはテホンに肩を貸しながら散歩をする。するとテホンが「俺たち、うまくいくと思わない?」と笑顔で言うのだった。
■見どころ
第16話は全国平均3.8%と第8・12話の最高視聴率に並び、首都圏平均では4.0%を記録。首都圏基準自体最高視聴率で有終の美を飾った。
ソル・パンホやモ・ヒョンテクが完全に処罰を受けるという勧善懲悪の結末ではないことに対しては「自首したウジェは捕まって真の黒幕は未だに逃れている。現実性を反映してるのか、人間は変わらないというメッセージなのか…個人的にはスッキリしない」という視聴者も。しかしこれは個人的な好みの問題であり、寧ろ無理やり終わらせようとこじつけるより自然だという意見も多数。またウジェと離婚しテホンとも別れを決心、子供のために一人で生きる決心をしたジョンウォンの選択に対しても「本来の彼女らしい選択」だったのではと思える。ウジェと離婚しすぐにテホンと結ばれてしまったら反感も多かったのではないだろうか?その上で3年後に偶然再会し、今後新たに何か始まりそうな、とても良い余韻に浸れる締めくくりだったと言えるだろう。
実力派俳優らが集まりどの瞬間も迫力あるシーンが繰り広げられたが、何と言っても本作品で最も注目を集めたキャラクターは、やはりウジェではないか?チャン・スンジョは製作発表会でも「綺麗なスレギ(ゴミ)になりたい」と発言していたが、冒頭から完璧なクズ男を熱演!かと思えば、中盤からは過去の真実が明らかになり、また親しみやすい笑顔とその裏に潜む影の顔が見え隠れし「ウジェは本当はいい人なの?それともこれも全部嘘の笑顔!?」などと視聴者を混乱させた。結局、悪いことをしたのは確かだがジョンウォンへの愛は本物だった、不器用なウジェ。彼の切実な感情を見事に表現したチャン・スンジョは、ネット記事でも「ウジェの内面を余すとこなく伝える名品演技」「代替不可なキャラクター消化力で「美しいスレギ」「歴代級後悔夫」のウジェを世に輩出したチャン・スンジョ」など絶賛された。
激しい大どんでん返しも多く見応えのあるハードな内容であるも、最後は暖かい気持ちにさせてくれる作品であった。
■作品紹介
制作国:韓国
制作年:2024年
スタッフ:
演出:イ・ホ
脚本:ペ・スヨン
原題:멱살 한번 잡힙시다(ミョッサル ハンボン チャプピプシダ)
韓国放送:2024年3月18日-5月7日KBS2 月火22:10
◇KBS「멱살 한번 잡힙시다」番組サイト
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