原爆裁判は原告側の敗訴となったが、伊藤沙莉や平埜生成は被害者に寄り添った「虎に翼」第23週ネタバレと第24週予告

09月06日09時52分ドラマ
©NHK

2日から放送された第23週が放送され、寅子(伊藤沙莉)は体調が悪いながらも原爆裁判という重い課題に取り組んだ。NHK朝ドラ「虎に翼」の第24週「女三人あれば身代が潰れる?」(9月9日~9月13日)のあらすじとみどころを紹介。予告動画は番組公式サイトに公開されている。

朝ドラ「虎に翼」第23週放送後の話題と第24週みどころ紹介
日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ三淵嘉子をモデルにした「虎に翼」の第23週が9月2日から放送された。寅子(伊藤沙莉)は自身の更年期障害に悩まさせられながらも、当時、あまり理解のなかった認知症の百合(余貴美子)の面倒を見ている。そんな寅子がかかえるのは原爆裁判というとても重い裁判だった。

原爆裁判がついに始まった


約4年間、27回にも及ぶ準備手続を経てやっと裁判が始まろうとした時、弁護士の雲野(塚地武雅)は激務に耐えてきたのだが、倒れて亡くなってしまった。雲野の意志を継ぐ、岩井(趙珉和)、轟(戸塚純貴)、よね(土居志央梨)は原告のために戦うことを誓う。

また、裁判官としてその裁判に臨む寅子(伊藤沙莉)も他の裁判官たちとともに自分たちの信念で裁判を正しく行うことを誓う。よねも寅子に「意義ある裁判にするぞ」と声をかけた。そして裁判が始まった。

裁判の結果としては、請求の棄却、つまり原告側の敗訴だったが、寅子たちは本来、政治的に救われるべきと訴えた。



百合(余貴美子)は認知症、寅子も更年期障害に悩む


このころは認知症という言葉ではなく、老年性痴呆と言われ、今ほど広く認識されていなかった。さらに寅子は体調不良やホットフラッシュなど更年期障害の症状に悩まされる。更年期障害もこのころやっと認識されるようになった。これまでも「虎に翼」では生理痛などの問題をあげてきたが、今週は更年期障害、認知症にスポットがあたった。

第24週のみどころ


昭和40年代に入り、戦後生まれの学生たちが中心となった運動が激化し、東大の安田講堂事件などが発生する。そのころ学生だった優未(川床明日香)も時代に飲み込まれてゆく。

寅子の娘役が毎田暖乃から川床明日香へバトンタッチされる。福山雅治が主演した映画『沈黙のパレード』で、菊野商店街の定食屋「なみきや」を営む夫婦の娘・並木佐織役を演じて話題となった人物だ。今回のドラマでは、大学院で寄生虫の研究をしていたが、研究職を目指すことを辞め、大学院も中退すると言い出す優未として登場する。

【第23週(2024/9/2-9/6)ネタバレあらすじ】


直明(三山凌輝)と玲美(菊池和澄)の間に子供が産まれ、ますますにぎやかになった猪爪家。鮨屋で修行をしいてきた道男(和田庵)も職人として仕入れから握りまでをこなせるようになっていた。

星家では寅子(伊藤沙莉)が百合(余貴美子)の様子がおかしいことに気付く。そんな寅子も疲れやすいことや顔のほてりに悩んでいた。朋一(井上祐貴)は長崎の地裁で判事補として働いていた。

昭和34年11月。「原爆裁判」は約4年間、27回にも及ぶ準備手続を終える。いよいよはじまる口頭弁論に向け、弁護士の雲野(塚地武雅)は気合いを入れ直していた。しかし、裁判を目前にして、雲野は倒れて亡くなってしまった。雲野なしでどう戦うか悩む岩居(趙珉和)だったが、轟(戸塚純貴)やよね(土居志央梨)も力を合わせて原告側の弁護をすることを誓う。

昭和35年2月、いよいよ「原爆裁判」の口頭弁論が始まった。記者の竹中(高橋努)は雲野から裁判の記録を記事にしてほしいと依頼されていた。原爆投下は国際法に違反しているかどうか、原告・被告双方が国際法学者による鑑定を求めた。傍聴人は竹中一人という事態で、世間からの注目は低かった。原告、被告双方が別の学者を立てて、それぞれの解釈に従い、証言をした。その様子を竹中は熱心にメモを取っていた。

星家では、航一(岡田将生)から寅子の体調が最近すぐれないのは更年期障害が原因ではないかと指摘される。百合の物忘れも少しずつ深刻になりつつあった。百合の症状は老人性の痴呆と思われ、寅子、航一、優未(毎田暖乃)で支えるが、限界が来ていた。そこで、平日の日中は家政婦を雇い、百合の面倒をみてもらうことにした。しかし、星家ではのどか(尾碕真花)の態度に不満が爆発し、優未が家を飛び出してしまう。登戸の猪爪家に連絡したら大ごとになると考えた寅子はどうしたものかと頭を悩ませる。すると優未は轟たちの事務所に行っていたことがわかる。そこにいた遠藤(和田正人)は優未に優しく話す。口や手をだして謝らない人間になって欲しくないと言われ、優未はのどかに謝った。のどかも仕事でいらついていたことを謝る。

竹中の渾身の記事によって「原爆裁判」に世間の注目が集まりはじめる。これまでほとんどいなかった傍聴席は記者で満席となってきた。昭和37年1月、原告のひとり、吉田ミキ(入山法子)が法廷に立つことを承諾し、広島から上京してくる。ミキは原告の中で唯一、弁護人からの依頼を受けて証言すると言ってくれた。轟は「世間の好奇の目にさらされる」と心配するが、裁判の印象を一気に変えるためにもと、岩居が頼んでいた。

ミキはよねと轟の弁護士事務所に一泊して、裁判に備えることにした。夜、食事をおえたミキとよねが話をする。よねは「例え裁判に勝ったとしても、苦しみに見合う報酬は得られない」「声を上げた女にこの社会は容赦なく石を投げる」というが、誰かにこの気持ちを聞いて欲しいのだとミキは涙した。そして、よねたちは、ミキが証言台に立つかわりに手紙を代読するという方法にでた。その手紙の内容は、原爆の被害者がどんなに辛い目にあってきたかを語っていた。そして、年明けには判決の日を迎える運びとなった。

昭和38年6月、桂場(松山ケンイチ)は最高裁判事のひとりに任命された。やっと桂場にもあんこの味を認められた梅子(平岩紙)は竹もとを継ぐことになった。道男(和田庵)は鮨屋を継がないかと言われたが、金勘定や客あしらいが苦手なことを考えて辞退していた。鮨屋という居場所がなくなった道男は、梅子に誘われて竹もとで働くことになった。更年期の不調を抱えながらも寅子は認知症の百合に向き合う。

そして同38年12月、「原爆裁判」の判決が言い渡される。当時の日本の法律では賠償請求をすることは却下というのが裁判官の一致した意見だったが、寅子はせめてもう少し、判決理由をきちんと述べ、被害者に向き合いたいと願う。判決を言い渡す時、裁判官(平埜生成)は当時の民事裁判では異例ながらも、傍聴席の記者団に聞いてもらうためにも、判決理由を先に述べた。そこでは、法的には原告側の訴えを棄却するしかないが、政治的に被害者は救われるべきだと訴える内容が盛り込まれていた。そして原告の訴えは却下された。

【第24週(2024/9/9-9/13)あらすじ】


■第116話(月)


8年にも及ぶ「原爆裁判」を終えた寅子(伊藤沙莉)たち。よね(土居志央梨)と轟(戸塚純貴)は岩居(趙珉和)と共に原爆の被害者を救済する弁護団を結成する。昭和43年、病を患い、治療に専念している多岐川(滝藤賢一)を寅子が見舞うと、多岐川は「少年犯罪の厳罰化」を求める声が高まっていることを気にかけていた。

■第117話(火)


昭和44年1月、桂場(松山ケンイチ)が最高裁長官に就任。その祝賀会が梅子(平岩紙)と道男(和田庵)の店「笹竹」で盛大に開かれる。そんな中、戦後生まれの学生たちが中心となった運動が激化し、東大で安田講堂事件が発生。香淑(ハ・ヨンス)の娘・薫(池田朱那)が逮捕されてしまう。寅子(伊藤沙莉)はよね(土居志央梨)から呼び出される。

■第118話(水)


久しぶりに星家を訪れた朋一(井上祐貴)は、最高裁が出したある判決に大きな不満を抱えていた。朋一はのどか(尾碕真花)が恋人と結婚を約束していることを聞き出し、航一(岡田将生)と寅子(伊藤沙莉)に打ち明ける。昭和44年5月、安田講堂で逮捕された学生たちの刑事裁判が始まる。美位子(石橋菜津美)の裁判は一審が行われるが―。

■第119話(木)


のどか(尾碕真花)の婚約者・誠也(松澤匠)が星家にやってくる。しかし、星家では航一(岡田将生)と優未(川床明日香)が優未の進路をめぐって口論をしていた。大学院で寄生虫の研究をしていた優未は研究職を目指すことを辞め、大学院も中退すると言い出す。昭和44年、日米安保改定を翌年に控え、全国で若者たちによる騒乱事件が多発。少年法を改正して厳罰化すべきだという声が、ますます高まっていく。

■第120話(金)


不起訴処分となった薫(池田朱那)は、その出自を自分に隠してきた母・香淑(ハ・ヨンス)に怒り、距離を置いていたが大学には真面目に通うようになっていた。病が進行した多岐川(滝藤賢一)の元に小橋(名村辰)、稲垣(松川尚瑠輝)ら懐かしい顔ぶれが集まる。厳罰化に反対する多岐川は最後の力を振り絞り、桂場(松山ケンイチ)の元に少年法改正に反対する意見書を届けようとする。

■スタッフ他


脚本: 吉田恵理香
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
語り: 尾野真千子
出演:伊藤沙莉,岡田将生,土居志央梨,平岩紙,ハ・ヨンス,戸塚純貴,平埜生成,川島潤哉,川床明日香,和田庵,井上祐貴,尾碕真花,石橋菜津美,円井わん,木場勝己,矢島健一,沢村一樹,滝藤賢一,松山ケンイチ,小林薫,他

 <総合>(月~土)午前8時~8時15分/午後0時45分~1時[再]
 <BSプレミアム>(月~土)午前7時30分~7時45分/午後11時00分~11時30分[再]
   (土)午前9時45分~11時[1週間分]

NHK朝ドラ「虎に翼」番組公式サイト
NHK朝ドラ「虎に翼」番組公式X(Twitter) @asadora_nhk
NHK朝ドラ「虎に翼」NHK-PRサイト

【2024年夏ドラマ紹介】【関連記事・各話のあらすじ】