日本初放送「高麗契丹戦争」第7話・第8話:康兆イ・ウォンジョンの最期と、チェ・スジョンの意表を突く作戦
9月6日(金)韓国専門チャンネル「KNTV/KNTV801」で日本初放送した「高麗契丹戦争」(原題)第7話と第8話では、カン・ジョ(イ・ウォンジョン)が起こした反乱が契丹に戦争の名分を与えてしまい、第二次高麗契丹戦が勃発する。予告動画はKNTV番組HPで公開中だ。この回のネタバレあらすじと見どころ、豆知識を紹介する。
「高麗契丹戦争」(原題)って?
本作は、数々の苦難を乗り越えて高麗に平和をもたらした8代王・顕宗と、彼の政治の師でもあるカン・ガムチャン将軍を中心に、契丹の侵攻にさらされた激動の高麗時代を描く超大型本格時代劇。時代背景や実在人物、各話のあらすじと見どころ、豆知識などは【「高麗契丹戦争」を2倍楽しむ】でまとめている。
■キャスト
⇒【キャスト、登場人物、実在人物の紹介】
カン・ガムチャン(姜邯賛)役:チェ・スジョン
顕宗(ヒョンジョン)/大良院君/スン役:キム・ドンジュン(ZE:A)
康兆(カン・ジョ)役:イ・ウォンジョン
ヤン・ギュ役:チ・スンヒョン
元貞王后(ウォンジョン)/第一王后役:イ・シア
元成王后(ウォンソン)/第三王后役:ハ・スンリ
ほか
■第7話あらすじ
契丹皇帝ヤユルユンソ(キム・ヒョク)は、40万の大軍で小さな砦・興化鎮を攻略できなかったことに激怒し、先鋒隊の司令官を処刑しようとする。しかし、老将ソベアプ(蕭排押、キム・ジュンべ)が、それは敗北を認めることになると説得し、自らカン・ジョ率いる高麗本陣を壊滅させ、初勝利を皇帝に捧げると約束する。ソベアは軍を2分し、20万の兵を率いて高麗本陣に向けて進軍する。
一方、興化鎮を守り抜いたヤン・ギュ(チ・スンヒョン)は、多くの高麗の民が犠牲となった現実に憤り、「千倍、万倍にして返してやる」と復讐を誓った。廃墟と化した村を歩き、惨状を目にした彼は涙を浮かべた。
進軍してきた契丹軍に対し、カン・ジョ率いる高麗本陣には30万の兵が控えていたが、興化鎮の状況が分からず、砦が陥落したという誤解から士気が低下していた。開京の王宮でも、顕宗(キム・ドンジュン)が契丹軍の進軍と興化鎮陥落の報告を受け、心を痛めていた。
顕宗は、ヤン・ギュの安否を気にする息子に対し「希望を捨てるな。まだ何も確定していない。お前の父は名将であり、今も興化鎮を守っているはずだ。お前が父親の強さを一番知っているだろう」と励ました。
しかし、重臣の1人が家族を避難させようとしたことを知った顕宗は、「高麗が敗北したかのような行動で民を動揺させるな」と厳しく叱責する。王としての自覚がないまま王位に就いた顕宗が心を許せる相手は、妻である王貞王后(イ・シア)だけだったが、彼女から「自分を信じて他者を信じないように」と励まされると、逆に孤独感を深めた。
本陣の30万の兵士の多くは民兵であり、不安が募れば戦線離脱の恐れがあった。ヤン・ギュは興化鎮が無事だと知らせるべく、危険を顧みず勝利の烽火(のろし)を上げた。
これを見たカン・ジョは、わずか4千の兵で契丹軍40万を打ち破ったと兵士たちを鼓舞し、軍の士気は一気に高まった。
こうしてついに高麗と契丹の決戦が始まる。高麗軍の「剣車」作戦は成功を収めたが、契丹軍は正攻法では勝ち目がないと見て、ヤユルブンノ=耶律盆奴(イ・サンボン)は後方の抜け道から夜襲を仕掛け、カン・ジョを捕える。総大将が捕縛されたと知った30万の高麗兵は恐慌状態に陥り、制御不能に陥った。
■感想、見どころなど
今回の戦争のシーンもまた圧巻だった。特に「剣車」を使った高麗の先方が秀逸。馬の目線に合う剣車の全面の鬼のような顔で馬を追届かせるという作戦。その前面の鬼の形相だったか、具体的な構造や使用法に関する詳細な記録は少ないが、剣車は高麗時代における戦術的な重要な役割を果たしていたと考えられており、実際にカン・ジョが戦いで使った。
それにしても、カン・ジョが捕虜になるくだりは、ヤン・ギュの7日間の死闘が一瞬にして無駄にしてしまった。総大将のカン・ジョ、脇が甘過ぎましたね!と叱りたくなるエンディングだった。さあ、捕虜になったカン・ジョはどうなるのか?
■第8話
Licensed by KBS Media Ltd. ⓒ 2023 KBS. All rights reservedカン・ジョが捕えられたことで、ヤユルブンノは彼を晒し者にする。しかし、ソベアプが現れ、ヤユルブンノの単独行動を非難し、敵を逃したことで城内に籠もることを許したと叱責する。そして、「この戦争はカン・ジョだけではなく、高麗全体の征服を目指すものだ」と強調し、高麗軍が城に籠る前に敵を捕えるよう命じた。
その頃、開京にいる顕宗の元には、高麗軍が惨敗し、カン・ジョが捕虜になったという知らせが届く。動揺する顕宗に対し、カン・ガムチャンはカン・ジョの戦法が正しかったと進言し、全滅したわけではなく高麗軍が必ず勝利すると励ます。顕宗は応戦の準備を整え、必要な物資を送るよう命じた。
一方、ガムチャンは民衆に真実を伝えず、戦況を隠すよう忠告する。顕宗は民との信頼関係が崩れると危惧するが、ガムチャンはまず戦争に勝つことが最優先だと強く諫言する。民には高麗軍が善戦しているとの報告がなされるが、実際には戦況は悪化の一途をたどっていた。
契丹軍の陣営では、カン・ジョが契丹皇帝の臣下になるよう求められるが、彼は断固拒否する。彼の部下イ・ヒョヌン(キム・ジェミン)たちは契丹に忠誠を誓い、最終的にカン・ジョは斧で斬殺される。開京、カン・ジョの妻は顕宗に呼ばれ、カン・ジョが捕虜となったことを告げられる。真実を教えてくれたと感謝する彼の妻の言葉を嗚咽で聞く顕宗。
その後、契丹に寝返ったイ・ヒョヌンは、高麗の城の弱点を契丹に教える。そして契丹軍は郭州(クァクジュ)城と寧州(ヨンジュ)城を攻撃し、初めて高麗の2つの城を陥落させる。これにより、民衆は動揺し、開京から逃げ出す者も現れた。
カン・ガムチャンは対策を練ろうとするが、宰相チェ・ハン(キム・ジョンハク)は、顕宗に「和議を求めて降伏するよう説得してほしい」と頼む。ガムチャンは屈辱的な提案に真っ向から反対するが…。
その後、臣下たちは顕宗に降伏を勧め、顕宗「まだ高麗には兵力がある」と激怒する。ところが、意外にもガムチャンまでが「入朝の申し入れを提案」する。
しかし、顕宗と二人になったガムチャンは、契丹だけでなく高麗の宰相たちをも騙す計画を説明する。
ガムチャンの計画は、表面的には降伏に見せかけて、実際には西京を守るために東北面の兵を集めて、反撃の機会を得るための時間稼ぎをするというものだった。
入朝の申し入れは、契丹皇帝に訪れることを示すだけであり、降伏を意味しないこと、また、入朝の日付を定めず、決して実際に訪問しないようにするという戦略だった。驚く顕宗にガムチャンは、何としてもこの戦争に勝つと決意を示し、自らが危険な任務を担当すると告げる。ガムチャンの大胆な策に顕宗は驚嘆し、敵陣に向かう彼を静かに見送るのだった。
■見どころ、豆知識
この回、ソペアプの言葉から契丹が高麗に侵攻した真の目的な明らかになった。ところでイ・ウォンジョンが演じたカン・ジョ。【実在人物】でも紹介したが、契丹の捕虜になり契丹に寝返ることを断って処刑されたのは事実の通りだが、あまりのあっさりな最期に少々肩透かしを食らった視聴者も多かったのでは?同時代を描いた「千秋太后」の終盤では、チェ・ジェソンが演じたカン・ジョの活躍を長い尺をとって描かれた。75話~77話ではカン・ジョの見事な立ち回りで契丹の将軍たちを相手に一人で戦い、耶律盆奴(ヤリツボンノ)までやっつけ、カン・ジョの「契丹軍の兵士100人斬り」の名場面もある。そして79話の戦いの後、座死(座ったまま死ぬ)の場面では視聴者を号泣させた。
一方、王に声を荒げて叱りつけた勇ましいカン・ガムチャン。今回も妻に叱責され寝床で小さくなる。そんなガムチャンを顕宗はこの回のエンディングで「最初は父親のように優しい老臣、その後は正論を主張する頑固な臣下、されど今は勝つことしか頭にない策士のようだ」と評する。カン・ガムチャンがこの後、高麗を守る武将になることをまだ、顕宗は知らない。
■『高麗契丹戦争』(原題)
放送日時 8月16日(金) 日本初放送スタート
毎週(金)20:00~22:10 (2話連続)
再放送日:毎週(木)11:30~13:40(2話連続)
話数 全32話
◇KNTV「高麗契丹戦争」(原題)
■視聴方法
KNTVはスカパー!、スカパー!プレミアムサービス、ひかりTV、J:COMほか各ケーブルテレビで視聴可能。
◇KNTV視聴方法ページ
【作品詳細】【「高麗契丹戦争」を2倍楽しむ】