BS12「上陽賦〜運命の王妃〜」(68話版)第1話-第3話:はじまりの時~王の冊封【ネタバレ】
いよいよ来週16日からBS12ウェルビにてスタートする、中国ドラマ「上陽賦~運命の王妃~」(全68話版)の第1話~第3話のあらすじと見どころを紹介しよう。予告動画は番組サイトで視聴できる。
※放送は月・火曜日16時から2話連続。但し初回は1話のみ17時から放送。
「上陽賦〜運命の王妃〜」は、⼈気⼩説『帝王業』を原作にした時代劇。架空の古代中国を舞台に、不本意な政略結婚で結ばれた二人が、やがて心を通わせ互いに支え合うようになり、民のために戦う超本格歴史スペクタクル。
【「上陽賦」を2倍楽しむ】では、各話のネタバレ(あり、なし)あらすじや見どころ、豆知識や架空の国・成(王朝)の時代設定や、人物紹介、音楽(OST)、ロケ地などはまとめているので、視聴の参考にされたい。
■キャスト
⇒押さえておくべき5人
⇒比べてみた!“宋懐恩”vs“胡光烈”
王儇(以下、王ケン)/阿嫵/豫章王妃役:チャン・ツィイー(章子怡)/声:魏涼子
蕭綦(以下、蕭キ)/豫章王役:ジョウ・イーウェイ(周一囲)/声:阪口周平
馬子澹(したん)役:トニー・ヤン(楊祐寧)/声:庄司然
賀蘭箴(がらんしん)役:ユアン・ホン(袁弘)/声:伊東一人
馬子隆(ばしりゅう)役:グオ・ジアミン(郭家铭)/声:島津耕介
馬子律(なしりつ)役:プ・バージャ(浦巴甲)/声:竹内想
王藺(おうりん)役:ユー・ホーウェイ(于和偉)/声:志村貴博
ほか
■第1話「はじまりの時」
中元の王朝・成(せい)の丞相・王藺(おうりん)と皇帝の妹・晋敏長公主・馬瑾若(ばきんじゃく)の間に生まれた王儇(おうけん)は、兄・王夙(おうしゅく)と二人兄妹。みんなからは阿嫵(あぶ)という名で呼ばれ、皇帝・馬曜(ばよう)をはじめ宮中の人々にも愛されていた。特に皇太后はたった一人の孫娘を目に入れても痛くないほどかわいがり、家に帰りたくないと言い出す王儇(おうけん)に鳳池宮(ほうちぐう)を与えた。
※丞相:皇帝を助けて公務を執る大臣。
上陽郡守の名を授かった王儇(おうけん)は兄の王夙(おうしゅく)より身分は高いが、兄は妹を大切に思っている。そんな王儇(おうけん)のもっぱらの遊び場は宮殿で、遊び相手は3人の皇子たち。皇帝と皇后の嫡子である皇太子の馬子隆(ばしりゅう)はわがままで横暴な性格。母の身分が低い第2皇子の馬子律(ばしりつ)は病弱で無口、いつも皇太子にいじめられていた。皇帝と貴妃・謝氏の間に生まれた第3皇子の馬子澹(ばしたん)は穏やかで優しく誰からも好かれていて、子澹(したん)と王儇(おうけん)は次第に思い合うようになっていた。宮廷を牛耳っているのは王藺の妹で琅邪(ろうや)王(おう)氏として12番目の皇后。
※貴妃:側室の最高位。今後は謝貴妃と表記。
時は流れ、元煕(げんき)15年8月、はるか西の寧朔(ねいさく)では敵国忽蘭(くらん)と激しい攻防を繰り広げていた。王儇(おうけん)は15歳に。成人の儀を迎える彼女のために皇帝以下皆が参加する豪華な儀式が開かれる。婚姻問題が話題に上ると、子澹(したん)との結婚を考えていた王儇(おうけん)はそのことを申し出ようとするが、それを察した父の王藺(おうりん)が話を遮る。
これに納得しない王儇(おうけん)は、皇帝に直談判。将棋の勝負を持ち掛けて見事勝利、自由婚姻の承諾を勝ち取る。
そこでの会話で、皇帝は西北の辺境・寧朔(ねいさく)で将軍・蕭綦(しょうき)が忽蘭(くらん)と戦っていることを話題にする。実は、西北に領土を持つ忽蘭(くらん)に皇帝は長く手を焼き、忽蘭(くらん)王を討ち取った者は王に冊封するという約束をしていた。だが、これまで皇帝一族の馬(ば)氏以外で王に奉じられた者はなかった。低い身分出身の蕭綦(しょうき)が王になることに各士族から来るだろう反発を予想し悩んでいたのだ。王儇(おうけん)は、いともあっさり約束は守るべきと主張し、誰が反対しようが皇帝の決定に従うべきと言い切る。
※王は爵位の一つ。詳細は時代背景で。
一方、皇太子・子隆(しりゅう)とその母・皇后は、皇帝が王儇(おうけん)に婚姻の自由を与えたと知り、怒りを爆発させる。代々の皇后は王氏一族出身であり、母子は王儇(おうけん)は皇太子である子隆(しりゅう)と結婚すべきだと考えていたのだ。
謝氏の力添えもあって、忽蘭(くらん)王を討ち取った蕭綦(しょうき)が王爵を賜ることに。寧朔(ねいさく)でが皇帝の命を受けた蕭綦(しょうき)は皇都に向かおうとしていた。一方、皇都では皇帝が有力氏族の安明(あんめい)侯・謝淵(しゃえん)に、娘の謝苑如(しゃえんじょ)に縁談があると話す。
■見どころ:第1話は、チャン・ツィイー扮するヒロイン、王儇(おうけん)のナレーションベースで、成王朝の現状と重要人物たちの立ち位置などが紹介される。
中国ドラマは豪華な調度品や衣装、映像が美しいのも見どころだが、成人の儀の蝶をイメージしたような衣装を着たチャン・ツィイーはため息が出るほど美しい。…が、さすがに15歳という設定には少々無理を感じる。もっとも、中国の女子は15歳が成人だけにここは年齢を考えずにやり過ごそう。
一方、皇都からはるか西北で戦うジョウ・イーウェイ扮する蕭綦(しょうき)。長い髪を振り乱した戦う姿はまさに「戦いの神」。ジョウ・イーウェイと言えば「少林問道」(16)の僧侶・程聞見役での丸坊主+拳法アクションを思い出すが、鎧兜を着けた荒々しい戦場アクションは一味違う迫力だ。
ところで、王儇(おうけん)に甘々の皇帝は将棋の名人。そんな皇帝がやすやすと姪に完敗し、国の運命をも揺るがす上陽郡守=王儇の自由婚姻を認めたのも気になる。そして皇帝が飲む薬ケースのアップ。こうした場合、ほとんどが薬に毒が仕組まれたりしているのだが、本作やいかに?
■第2話「襲われた王子」
皇帝から婚姻の自由を願いでた勝手な行動に怒る父・王藺(おうりん)から、王儇(おうけん)は100日の禁足を言い渡される。退屈な日々を送る王儇(おうけん)。彼女が姉のように慕っている謝宛如(しゃえんじょ)が差し入れを持ってやってくる。そして西門近くの旧正月の灯籠祭りの見物に行こうと誘う。約束の日、禁を破って松の樹から屋根を伝って抜け出出そうとした王儇(おうけん)は足を滑らせ落ちてしまうが、受け止めてくれたのは子澹(したん)。2人の恋心を知る宛如(えんじょ)の気遣いだった。
その頃、寧朔(ねいさく)から皇都に到着した蕭綦(しょうき)は西の城外で野営。そこに王藺(おうりん)から呼び出され部下の宋懐恩(そうかいおん)を連れて指定されて店に向かう。王藺(おうりん)は蕭綦(しょうき)との同盟を結ぶことを提案する。
一方、仮面をつけて子澹(したん)と灯籠祭りに繰り出した王儇(おうけん)は、蕭綦(しょうき)将軍の活躍を描く人形劇を観劇。観客の一人が蕭(しょう)将軍のような英雄に釣り合うのは上陽郡主(王儇)だけと話す。これを耳にした王儇(おうけん)は、上陽郡主には釣り合わないと面識のない蕭綦(しょうき)をこき下ろす。ちょうど蕭綦(しょうき)と通りかかった懐恩(かいおん)が王儇(おうけん)の非礼をとがめる。王儇(おうけん)は着けていたお面を取って、上陽郡主には最高の男がふさわしいと言い返す。傍で聞いていた蕭綦(しょうき)は本物を見たことがあるかと質問し、王儇(おうけん)が知ったふりをし、慌てた子澹(したん)は、彼女をその場から連れ出す。
※灯籠祭りの起源は漢代。旧正月の行事。春節後最初の満月を迎える元宵節(げんしょうせつ)の日に、願い事を書いた灯籠を川などに流す、中国の伝統的な行事。
屋敷に戻った王儇を皇后が待っていた。護衛もなしに出かけたことを注意する皇后は、皇太子の子隆(しりゅう)との結婚を皇帝に申し出るよう勧める。だが王儇は想い合う子澹(したん)と添い遂げたいときっぱり断る。謝氏に天下を取らせるつもりかと激怒し、手を上げようとしたとき、母・馬瑾若(ばきんじゃく)が部屋に入ってきてその場をおさめる。説得に失敗した皇后は兄の王藺(おうりん)に相談する。王藺は、将棋の名人の皇帝が王儇に簡単に負けたことも不自然と考えていた。王儇と子澹の婚姻で王氏をけん制するつまりだと皇后に教える。
子澹が襲われたことを謝貴妃(しゃきひ)から聞いた皇帝は皇后を疑う。翌日刺客の死体が発見され、皇帝は太傅・顧傭(こよう)に詳しく調査するよう指示する。さらに皇帝は皇后に昨夜のアリバイを尋ね、疑われたことに怒る皇后は、謝貴妃ばかりを寵愛する皇帝を非難する。
※太傅(たいふ):皇帝を補佐する重責を担い、皇帝が未成年の時にはその保育の任にも当たる職。
皇帝は、謝淵(しゃえん)の娘・謝宛如(しゃえんじょ)と蕭綦を婚姻させることで、蕭綦を味方につけ、王氏をけん制しようと考える。謝淵は娘にこの話をするが、宛如は名門の自分が低い身分出身で野蛮な蕭綦に嫁ぐことはできないと不満を爆発させる。
■見どころ:序盤が陰謀と策略が渦巻く予感がする本作。迷子にならないために、4つの有力士族を簡単に紹介しておこう。各士族の主要人物など詳しくは【「上陽賦」を2倍楽しむ】で詳しく解説する。
・馬(ば)氏=成王朝の皇帝一族。王氏の専横と後継者問題に苦悩している。
・王(おう)氏=代々皇后を輩出し、王朝の兵力の半分を持ち馬氏をもしのぐ権勢士族。地盤は皇都の東方にある琅邪。
・謝(しゃ)氏=財力と食糧を握り、王氏に対抗できる力を持つ唯一の士族。
・桓(かん)氏=有力な士族で地盤としている西蜀(せいしょく)は農作物の豊かな土地。婚姻によって王氏と手を結んでいる。
かつて王氏を頼みにして皇位に着いたものの、王藺の専横は目に余り、謝氏と蕭綦を抱き込んでその力をけん制しようと考えたのだ。どうやら王儇との将棋の勝負もそんな考えがあったようだ。一方、王藺も蕭綦に同盟を申し出ている。果たして、蕭綦が手を組むのはお皇帝か王藺(おうりん)か?それとも…。
■第3話「王の策王」
死体検分した顧傭は、おそらく口封じだと確信する。その顔立ちから刺客が異民族とわかり、彼らが多く集まる楼閣を捜索するが、そこに女と戯れる第2皇子の馬子律(しりつ)がいた。
子澹は母の謝貴妃を訪ね無事を報告するが、母は皇后が刺客を差し向けたのに違いないと不安がる。
一方、落ち込む宛如は王儇を訪ねて蕭綦との縁談の不満をぶちまけ、王儇は都にいる男たちより蕭綦の方がたくましいと慰める。そこで2人はまだ見たことのない蕭綦を見るため入城の儀を見に行くことに。子澹も参列すると聞いて喜ぶ王儇。女が入れない儀式を見学するために父・王藺に頼み込んで許可を得る。見学の理由づけを的確にする王儇に対して、風流を好む気弱な世子の王夙(おうしゅく)を情けなく思い、つくづく兄妹が逆だったらよかったと嘆く。
謝貴妃は王儇の母・瑾若に婚姻と刺客のことを相談する。瑾若も2人の婚姻を歓迎していると分かり、謝氏の家宝の腕輪を王儇に渡してほしいと託す。そして2人は連れ立って皇帝に会って子どもたちの婚姻を願って許される。即位するために妹の瑾若を王氏に嫁がせたことを心苦しく思っていた皇帝は、妹を労わり、「そなたは私の妹か、丞相の妻か」と訊ねる。
謝貴妃と瑾若が皇帝に許可を得たと知った皇太子・子澹は気が気でなく、第2皇子・子律を伴って王藺の屋敷を訪ねる。子律は子澹を持ち上げ、子澹はミンクの上着を贈って求婚するが王儇は受け取らない。その様子を見た王藺は子澹が娘を諦めないよう暗に励ます。
入城の儀の日、兄・王夙と宛如と共に城楼から堂々とした儀式を見る王儇。参列している子澹は兜を脱いだ蕭綦が灯籠祭りで助けてくれた人物だと気づく。一方、遠くで蕭綦を見詰める王儇はその姿に英雄を感じる。儀式が終わり、皇帝が蕭綦を宮殿に案内しようとしたその時、太傅・顧傭が王の冊封に抗議する「庶子が国に災いを与える」と書いた垂れ幕と共に城楼から飛び降りる。
実は、顧傭は王藺が皇太子の師として推薦した人物だった。謝淵は蕭綦に謝氏がついているから王の冊封には問題ないと安心させるが、蕭綦は部下たちに注意を促す。一方、調査を始めた王藺は、検視官から顧傭が飛び降りる前にすでに死んでいたと報告を受ける。検視官にこのことを口外するなと命じた王藺は、弟で執金吾丞の王栩(おうく)に、兵部を統括していた顧傭が死んだことで兵部における力関係が変わるはずとと話す。
※執金吾:武官の職名。
太傅・顧傭の死で蕭綦の歓迎の宴は延期され一行は宿舎に案内されるが、付き添っている部下たちは、蕭綦に対する待遇を非常に不満に感じる。
王氏の屋敷。夜、王儇が屋敷を抜け出す際に使う松の樹の上で子澹と逢引きしているのを目撃した王藺は、翌朝、その樹を切らせてしまう。怒って文句をいう王儇に昨夜泥棒が入ったからと説明する。
一方、改めて開かれる冊封の宴の当日。謝宛如(しゃえんじょ)は未だに蕭綦に嫁ぎたくないと父に訴えるが、謝淵は兵力を持つ蕭綦に嫁げば謝氏は安泰だと言い聞かせ、それでもごねる娘の頬を打つ。
太傅・顧傭(こよう)の死で蕭綦(しょうき)の歓迎の宴は延期され、改めて開かれる冊封の宴の当日、宮殿に向かう王儇を皇后の侍女が呼び止め、華光殿に連れて行く。
■見どころ:中国ドラマでは宮殿内や衣装などで赤い色が目につくが、古来から中国の人たちにとって赤は縁起のいい色として好まれてきた。お正月、結婚、開店などハレの日は赤いもので飾る。そんな赤を見慣れた中で、大勢の部下を従え黒づくめの蕭綦入城は強烈な印象を与える。中国では黒は「方正」「正直」「勇敢」のシンボルととらえられており、義理堅く勇敢な兵士などのイメージにうまく重なっている。王儇の目にもそんな蕭綦に英雄を感じたのだろう。
◇BS12「中国・アジアドラマ」ページ
2024年9月16日スタート 月・火16時~ 2話連続(全68話版無料BS初放送)
◇予告編
【華流ドラマ】【作品詳細】【「上陽賦」を2倍楽しむ】