BS12「華政」放送前に知っておくべきこと…“光海君”チャ・スンウォンが宣祖に疎まれたワケ
11日配信開始したNetflix映画『戦と乱』で朝鮮王朝第14代国王・宣祖(ソンジョ)を演じたチャ・スンウォンが第15代王・光海君(ファンヘグン)を演じた「華政」が、無料BS局のBS12トウェルビにて16日より水・木曜16時から2話連続で放送する。予告動画は番組サイトで公開中だ。
「華政」は、朝鮮王朝第15代王・光海君と16代王・仁祖の時代を中心に、王座を巡る熾烈な争いと駆け引き、そして切ない恋が壮大なスケールで描かれた2015年韓国時代劇で最高のヒット作。
第1話では世子(王位継承権を持つ王子)でありながら父王から疎まれながらも、異母妹弟に優しく接する光海君の姿が描かれる。(以下、【エピソード0】より)
■なぜ世子でありながら光海君は父王に疎まれたのか?
朝鮮王朝は儒教を国家理念とし、長男が王になる「長子王位継承」の原則があった。さらに、朝鮮は中国(明)の承認を受けて王や世子を決める必要があった。しかし、光海君は正妻の子ではなく長男でもなかったため、16年間も明の許可が得られなかった。光海君には世子としての資質が十分あったが、側室の次男として生まれたことが彼の運命を大きく左右することになった。
■そもそもなぜ光海君は世子になれたのか?
宣祖(14代王)の治世では、西人派と東人派の間で党争が激化し、官僚に対する粛清(士禍)が繰り返されていた(党派の年表を参照)。そんな中、日本による侵攻「壬辰倭乱」(「文禄の役」)を受け国内の混乱の中、宣祖はやむを得ず庶子である光海君を世子に任命した。
■父王には疎まれたが民からは支持された
戦乱が激しくなると、宣祖は都を捨て、明に逃れて援軍を求めた。一方、朝鮮に残された光海君は、義勇兵「義兵」を率いて日本軍に対抗した。彼らは光海君を崇拝し、李舜臣の水軍と共に日本軍を悩ませる存在となった。1597年、日本の二度目の出兵(「丁酉再乱」)があったが、1598年に秀吉が死亡し、日本軍は撤退した。長期にわたる戦争で疲弊した朝鮮を立て直すため、復興政策に力を注いだのが光海君だった。民から信頼を得た光海君に対し、宣祖は彼を疎ましく思うようになった。
■宣祖が再婚し、後継争いが激化
宣祖は1567年、15歳で王に即位し8人の妻との間に25人の子供がいたが、正室・懿仁王后には子供がいなかった。庶子である長男には王材がなく、次男の光海君が世子となった。ところが1602年に懿仁王后が亡くなると、宣祖は18歳の仁穆王后を迎え、1606年に正室の子である永昌大君が誕生。これにより、朝廷内では光海君を支持する大北派と永昌大君を支持する小北派が対立し、激しい党争が始まった(党派の年表を参照)。
これが第1話で父王である宣祖が光海君を疎んじた理由だ。チャ・スンウォンにとって本作は初の時代劇だが、カリスマ演技でドラマの中盤までをリードした。
本記事冒頭でも紹介したが、Netflix映画『戦と乱』でチャ・スンウォンは宣祖を演じている。チャ・スンウォンはドラマと映画で父と息子を演じたわけだ。
●チャン・スンウォン、Netflix映画『戦と乱』で憎たらしいほどにゾッとする威圧感
【「華政」を2倍楽しむ】では、以下のようなドラマの時代背景や実在の人物紹介、全50話のネタバレあり/なしのあらすじと見どころ、豆知識などをまとめて紹介しているので、視聴の参考にされたい。
■あらすじ
1608年、朝鮮第14代王・宣祖の次男である光海君は、嫡子ではないため16年間も明に世子と認められず、父からも冷遇されていた。唯一の心の支えは異母妹の貞明公主だった。宣祖の崩御後、光海君は次期王として即位し、永昌大君と貞明公主を守ると誓うが、永昌大君は死去し、仁穆大妃は幽閉される。逃亡した貞明公主は倭国に渡り、男装して奴隷として過酷な生活を送っていたが、朝鮮通信使の来訪を知り、祖国に戻る決意を固める。江戸でホン・ジュウォンと出会い、彼と共に帰国するが、ついに家族の敵である光海君と対面することになる。
■キャスト
光海君役:チャ・スンウォン「ある日~真実のベール」「私たちのブルース」『奈落のマイホーム』
ファイ=貞明公主役:イ・ヨニ「私たちの人生レース」「ミス・コリア」「結婚白書」
子役:オ・ジョンウン→チョン・チャンビ
ホン・ジュウォン役:ソ・ガンジュン「天気がよければ会いにゆきます」「家族なのにどうして~ボクらの恋日記~」『ハッピーニューイヤー』
子役:チェ・グォンス→ユン・チャニョン
カン・イヌ役:ハン・ジュワン「朝鮮ガンマン」「王(ワン)家の家族たち」
子役:イ・テウ→アン・ドギュ
綾陽君役:キム・ジェウォン「スキャンダル」「私の心が聞こえる?」
ほか
◇BS12「華政」番組公式サイト
2024年10月16日スタート 水・木16:00-18:00(2話連続放送)
【作品紹介】【「華政」を2倍楽しむ】