「ジョンニョン」キム・テリ、親友との別れや劇団の危機を経て時代のスターとなる【第11-12話(最終回)あらすじ】
ディズニー公式動画配信サービス「Disney+」のコンテンツブランド「スター」で毎週土日に配信されるドラマ「ジョンニョン:スター誕生」。
全12話にわたりキム・テリ主演で戦後の国劇団に入団した少女のサクセスストーリーを描き高視聴率を記録した作品のクライマックスとなる第11話と第12話では、母の許しを得て劇団に戻ってきた主人公ジョンニョン(キム・テリ)が親友ジュラン(ウ・ダビ)との和解と別れ、憧れの先輩スターであるオッキョン(チョン・ウンチェ)退団で経営が傾く劇団存続の危機を経て、起死回生を賭けた舞台で主役に抜擢され、スター誕生の瞬間を迎えた。気になるあらすじと見どころを見てみよう。(ネタバレ)
●【「Disney Plus」で独占配信の韓国ドラマ】
「ジョンニョン:スター誕生」は、人気ウェブトゥーンを原作とする、1950年代を舞台に少女ジョンニョン(キム・テリ)がその美声と表現力を駆使してスターへの道を歩む感動的なサクセスストーリーだ。【「ジョンニョン」2倍楽しむ】では ネタバレあらすじ、見どころ、キャスト、視聴率などまとめている。
■キャスト
ユン・ジョンニョン:キム・テリ
ホ・ヨンソ:シン·イェウン
カン・ソボク:ラ・ミラン
ムン・オッキョン:チョン・ウンチェ
ソ・ヘラン:キム・ユネ
ジュラン:ウ・ダビ
ほか
画像:tvN「정년이」放送画面キャプチャー
■第11幕あらすじ
母の許しを経てソウルに戻ってきたジョンニョン(キム・テリ)。しかし合同公演の初日でトップスターだったオッキョン(チョン・ウンチェ)とヘラン(キム・ユネ)が劇団を去り、残りの公演が中止になったせいで多額の負債を負った劇団は経済的に傾き、団員たちの一部は団を抜け新たな境地へ旅立っていった。正式な団員に昇格したチョロク(スンヒ)らはジョンニョンを歓迎し、ソボク団長(ラ・ミラン)も彼女を研修生として受け入れようとするが、ジョンニョンは再び入団試験からやり直すと言って譲らなかった。
劇団を立て直すために奔走するソボク団長は、脚本家も映画界に奪われ、投資家を見つけて喜ぶも、かつて自分を裏切って失踪したコ部長(リュ・スンス)の登場や、劇団の建物を売り渡せと言われた挙げ句、劇団を出ていく団員たちと鉢合わせし心労で倒れてしまう。更に不安に襲われた団員たちは遂に内部でも揉め始め、収拾するためにジョンニョンは街中でヨンソと公演を開き、自分の入団試験をしてほしいと提案した。既にファンをつけていたヨンソの演技は大盛況に終わり、一方ソウル駅前で公演したジョンニョンは初めは観客もまばらで途中、うまく出ない歌声に野次を飛ばされるも、それを補うために彼女が考え出した体の動きで観客の視線を奪い、気づけば拍手喝采を浴びていた。そしてそこには自暴自棄になって心を失いかけていたソボク団長の姿も。ジョンニョンの演技の素晴らしさを認め、彼女の復帰を認め、ジョンニョンもまた一生見守ってくれと団長を抱きしめる。
相変わらずわだかまりが解けずにいたジュランが、彼女の公演で大きな支えになっていた。その夜、勇気を出してジョンニョンに声をかけたジュランは、オーディションでジョンニョンの誘いを拒否した理由が自分の弱さだったことを打ち明け謝る。ジョンニョンは初めから彼女を恨んでなんていなかった。二人は再び和解し、ジュランにこれからも見守ってほしいと約束したジョンニョン。しかし、ジュランは家と病気の姉のために劇団を辞めて嫁ぐことを言い出せなくなってしまう。新演目を断念し、かつてボツにした作品を進めようとするソボク団長。オーディションに向けて意気込むジョンニョンに真実を告げられないまま、最後に稽古を共にしたジュランは、自分の心境と重ねて迫真の演技力を見せてジョンニョンを涙させた。ようやく二人で舞台に立てる希望が見えた矢先にジュランは一同の前で結婚と退団を報告しジョンニョンは再びショックを受けてしまう。
志半ばで夢を諦めようとする彼女をソボクもヨンソ(シン・イェウン)も説得しようとするが、彼女は彼女なりに考え抜いた結果、国劇を退く決意を固めていた。ジュランが出ていくと聞いたジョンニョンは去っていく彼女を追いかけ、幸せになって自分のことを忘れてしまうかもしれない親友に精一杯の悪態をつくが、ジュランはジョンニョンこそがただ一人の王子様だったと言い涙で抱擁し別れを迎えた…。
画像:tvN「정년이」HPより
■第12幕(最終回)あらすじ
ジュランが去り、チョロクが姫役に内定。残す王子役を競うことになったジョンニョンとヨンソ。親友との別れに身が入らないジョンニョンはヨンソの前で号泣する。ヨンソは建物買収に先駆けて内見に来たコ部長とドエン(イ・セヨン)のやり取りを聞いて劇団の経営が困窮している事実を知り、家具も差し押さえられ団員達は再び不安に駆られる。ヨンソは資金を工面するために実家に戻るが、そこで母の自慢だった姉ヨンイン(ミン・ギョンア)が声楽を辞めて海外で結婚すると言い家を出たことを知る。取り乱す母から自分の国劇女優としての将来と引き換えに祖父の遺産を受け取ったヨンソだが、ソボク団長は彼女の金に手を出そうとはしなかった。一方のジョンニョンはかつてオッキョンの追っかけだった少女たちが梅蘭劇団や劇を楽しみにしてくれていることを知り、不安に押しつぶされそうになったヨンソを鼓舞した。
できたばかりの協同組合からの融資を受けることができたソボク団長は役作りに苦戦しているジョンニョンに感じた通りに演じればいいと背中を押し、ジョンニョンから待ち望んでいる人や劇団を大切に思う団員がいると言われて、劇団の基盤が建物ではなく人だったことに気付かされ逆に背中を押され、建物の売却を決意した。こうして迎えたオーディション当日。審査員や他の団員が見守る中、先に挑んだヨンソの演技を見て涙するジョンニョン。そしてジョンニョンが演技を見せる番になるのだが…審査員が涙を浮かべて拍手喝采する中、ヨンソは審査をするまでもなくジョンニョンこそが新しい王子役だと認めジョンニョンを祝福し抱きしめた。オッキョンが去った後、「姪っ子」の世話もそっちのけで自暴自棄になっていたヘラン(キム・ユネ)を訪ねたソボク団長は彼女が立ち直れるように励ます。主役を逃したヨンソだが、カタキ役に抜擢されジョンニョンと舞台に立てることに胸を高まらせた。ソボクはジョンニョンのお陰で大切なことに気付かされたと打ち明け、彼女に心の向くままに楽しめと本番を目前に控えた彼女の背中を押した。
迎えた公演当日。劇場には世間の目を避けるために「姪っ子」として育てていた実の娘を連れたヘラン、ジョンニョンの母ヨンネ(ムン・ソリ)と姉ジョンジャ(オ・ギョンファ)、ギジュ(チャン・ヘジン)、ジョンニョンの才能を信じてくれた師匠パトリシア(イ・ミド)らが駆けつけた。これが最後の公演になるかもしれないとそれぞれが感じ取っていたことを知った団員たちは、目一杯楽しもうと円陣を組み本番を待つ。そんな中、花束を受け取ったジョンニョンは、親友ジュランからワスレナグサの押し花を添えた手紙を読んで涙ぐむ。舞台の幕は開き、大切な人たちが見守る中、最高の演技を見せる団員たち。ヨンソは主人公を妬みながらも才能を認めている、現実の自分とも似た境遇のカタキ役を熱演し、ジョンニョンも妻を失った悲しみを神がかった演技で魅せ、最後の歌の場面で観客は涙するのも忘れて彼女の演技を凝視。多くの観客がスター誕生を目撃した瞬間だった。夢を叶え続けるジョンニョンの姿に涙する母と姉、娘の夢を認めて優しく微笑むギジュ。弟子の活躍に涙ぐむパトリシア。観客たちのスタンディングオベーションはカーテンコールでも鳴り止むことはなかった…。
■見どころ
ジョンニョンの復帰と劇団存続の危機という吉凶が交互に描かれた第11話では、ジョンニョンの周辺の人物たちの序盤からの印象の変化を意識させるような場面が続いた。かつてはジョンニョンを見下し、あるいはライバル心からきつく当たっていたチョロクやヨンソがいつしか彼女の理解者になっていった。母に認められるためのトップの座への執着という重荷を捨てたヨンソはジョンニョンに対しても躊躇うことなく笑顔を見せるようになり感慨深さを感じさせる。そして同じように今回、ジョンニョンに触発されてより人情味のあるいい表情を魅せたのがラ・ミラン演じるソボク団長だ。団員には厳しく、裏では団員のために涙を流していた彼女が第11話からは人目も憚らずに優しい表情や涙、母性を感じさせる微笑みを浮かべるようになった点に注目していただきたい。彼女らが絆を深める中、わだかまりが解けずにいたジュランとの和解シーンからは彼女こそがジョンニョンの一番の理解者だったことが感じられ、終盤で彼女が劇団を去る場面は涙なしでは見られない。SNSでは二人の別れを悲しむ「ジュランロス」を訴える声が多数見られる作中でも有数の悲しい名場面となった。
最終回では劇団の経営難が悪化していく中、夢と希望を捨てずに残った団員たちが団結して最高の舞台を見せるまでが描かれ、ここでもヨンソやソボク団長がジョンニョンに向ける柔らかな表情が印象的だ。オーディションの場面ではジョンニョンの出番はあえてカットされ、クライマックスを飾る舞台への期待を高めた。エンディングの後のナレーションで実際に活躍した国劇の女優たちがどんな道を歩んだのかが語られたものの、その後の梅蘭劇団やジョンニョンやヨンソがどうなったのか後日譚は描かれず、実際に観劇しているかのような没入感のある国劇の一部始終とジョンニョンが歌い上げる感情揺さぶるラストシーンに涙を忘れてただ呆然と見入っている観客、拍手鳴り止まぬカーテンコールなど、ストーリーよりも感性に訴える描写で幕を閉じ、濃厚で深い余韻を残し、本作もまた大団円を迎えた。
第11幕は12.8%、第12幕はこれまでで最高となる16.5%と全国視聴率もまた大成功で多くのファンを魅了したドラマは幕を閉じた(ともにニールセンコリア調べ)。
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■ スタッフ
監督:チョン・ジイン「赤い袖先」
脚本:チェ・ヒョビ「いつかの君に」
【作品詳細】【「ジョンニョン」2倍楽しむ】