Netflix「あなたが殺した」視聴の前に原作「ナオミとカナコ」をサクッとおさらい【ネタバレ注意】

10月25日00時00分ドラマ
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2025年11月7日よりNetflixオリジナル韓国ドラマ「あなたが殺した」(原題:당신이 죽였다)が配信される。本作は名作サスペンス「そして、誰もいなくなった」を思わせる緻密な構成と、女性の絆を描いた心理劇が融合した衝撃作だ。ここでは、韓国版の登場人物設定を踏まえつつ、原作となった日本ドラマ版「ナオミとカナコ」(広末涼子×内田有紀主演)をもとに物語の全貌を振り返る。



「ナオミとカナコ」の原作は奥田英朗の同名小説で、2016年にフジテレビで広末涼子と内田有紀主演で実写化された作品だ。FODで全話配信中だ。

■物語のあらすじ
主人公・小田直美(広末涼子)は百貨店の外商部で働くキャリアウーマン。大学時代からの親友である服部加奈子(内田有紀)は、専業主婦として表向きは幸せに見えるが、実際は夫・達郎(佐藤隆太)によるDVに苦しんでいた。直美は離婚を勧めるものの、報復を恐れて耐え続ける加奈子を見かね、葵百貨店の商談会で出会った中国人女社長・李朱美(高畑淳子)の言葉と、中華街で見かけた達郎そっくりの不法滞在者・林竜輝(佐藤隆太・二役)の姿を思い出す。そして「いっそ二人で殺そうか、あんたの旦那」と、直美は“殺しても捕まらない完全犯罪”を提案する。

最初は拒む加奈子だったが、暴力は止まらず、命の危険を感じた彼女はついに決断する。直美の立てた計画は、認知症の顧客・斎藤順子(富司純子)のネットバンキングから1000万円を加奈子の口座に送金し、達郎を殺害。その後、林竜輝にカードを使わせて金を引き出させ、達郎のパスポートで中国に渡らせ、あたかも達郎が横領の末に逃亡したように見せかけるという巧妙なものだった。

計画は完璧に思えたが、達郎の姉・陽子(吉田羊)が疑念を抱き、同僚の山本(近藤公園)や探偵の三枝(前川泰之)と共に独自調査を始める。ATM映像や加奈子のマンションの防犯カメラに執着する陽子に、直美と加奈子は追い詰められていく。さらに、決して戻ってはいけないという約束を破り、加奈子への恋心から林竜輝が再び来日。計画は崩壊の一途をたどる。

加奈子の裏切りで二人の仲は壊れるが、加奈子の妊娠が発覚し、直美は「彼女とお腹の子を守る」と再び共闘を決意する。しかし陽子たちの追及により真相は明るみに出る。逮捕された加奈子を救うため、直美は李朱美に全てを打ち明ける。朱美の手引きで加奈子は釈放され、二人は上海行きのチケットを手に脱出を図る。だが空港には警察と陽子の姿があり、搭乗直前、警官たちが駆け寄る中で物語は幕を閉じる。

■韓国版キャラクター対応表
日本版キャラ:小田直美(広末涼子)
韓国版キャラ:チョ・ウンス(演:チョン・ソニ/日本語吹替:志田有彩)
幼少期の家庭内暴力を抱え、友人を救うため犯罪に手を染める女性。

日本版キャラ:服部加奈子(内田有紀)
韓国版キャラ:チョ・ヒス(演:イ・ユミ/日本語吹替:久保百合花)
元童話作家。夫の暴力に苦しみ、友人とともに夫殺害を計画する。

日本版キャラ:服部達郎(佐藤隆太)
韓国版キャラ:ノ・ジンピョ(演:チャン・スンジョ・1人2役/日本語吹替:窪塚俊介)
表では完璧な夫、裏では暴力的な支配者。

日本版キャラ:林竜輝(佐藤隆太・二役)
韓国版キャラ:ノ・ジンピョ(二役)
達郎そっくりの不法滞在者で、計画の鍵を握る存在。

日本版キャラ:李朱美(高畑淳子)
韓国版キャラ:チン・ソベク(演:イ・ムセン/日本語吹替:木内秀信)
ウンスとヒスを助ける実業家で、二人の逃亡を支援する。

■見どころ
緻密な犯罪計画と、友情・罪・赦しが複雑に絡み合う心理戦が物語の核心をなす。韓国版では、暴力やトラウマの描写に現代社会へのメッセージが加えられ、登場人物それぞれの“罪の理由”に焦点が当てられている。チョン・ソニとイ・ユミという実力派女優の共演が、原作の緊迫感をさらに深化させており、観る者に「誰が本当の加害者なのか」を問いかける。

Netflixでは11月7日より全世界同時配信。人間の闇と救いを描く、2025年屈指の社会派サスペンスとして注目を集めている。

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