【韓ドラ歴史コラム】「暴君のシェフ」でイム・ユナ(少女時代)が選に漏れた“採紅”って何?

Netflixで2025年8月23日より独占配信しているtvN「暴君のシェフ」(폭군의 셰프)は、料理と歴史、そしてファンタジーを大胆に融合させた話題作だ。
ラブコメタッチの軽い作品かと思いきや、なかなかどうして本格的な時代劇の様相も呈している。
●【「Netflix」で独占配信の韓国ドラマはこちら】
採紅とは何か?
ドラマ「暴君のシェフ」の第2話で少女時代ユナ演じるヨン・ジヨンが巻き込まれた“採紅(チェホン)”は、朝鮮王朝時代に実際に存在した宮廷制度。王が新たな後宮や側室を選ぶ際、全国から美しい女性を集めて審査・選抜する公式イベントだった。この採紅は、選ばれた女性たちが王宮で王の寵愛を受ける“後宮(側室)候補”となり身分も大きく変わるため、地方の有力者や家庭にとって一大事だったといえる。歴史的記録にもたびたび登場し、権力争いや王室のドラマの始まりを象徴するものだった。
もっとも、イ・チェミンが演じる王イ・ホンのモデルとされている朝鮮王朝第10代国王・燕山君は、これを利用して全国から美女を徴発し、円覚寺(現在のタプコル公園)を王の享楽の場に変えた。
※もっと詳しく➡燕山君はなぜ稀代の暴君になったのか?
ドラマでの採紅とユナの運命
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その後、持ち前の料理の腕と現代の知識で“絶対味覚”王の舌を満足させることに成功し、単なる“脱落者”から王宮の料理人として新たな運命を歩む展開へつながる。厳しい歴史的制度を前向きに突破する主人公の姿が魅力だ。
歴史とドラマが交差する採紅の意味
採紅は王家の権威や宮廷のドラマのきっかけとして重要な歴史的背景を持つ制度。同時に、運命の分岐点になるイベントとして、現代感覚を持つヒロインがどう向き合うかは韓国ドラマならではの面白さにつながっている。「暴君のシェフ」を観る際は、採紅という歴史的な儀式がどんな重みを持ったのか、そして時代や女性の生き方がどれほど変わったかにも注目すると、物語の奥行きがより深く味わえる。
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※【「暴君のシェフ」を2倍楽しむ】では、全話あらすじと見どころ、キャスト、制作発表会などをまとめている。その中の【韓ドラ歴史コラム】では、モデルとなった実在人物の紹介や、時代背景、豆知識などまとめていく。
「暴君のシェフ」は毎週土日21:10から放送、その後Netflxで独占配信される。
