韓ドラライターが突撃!大阪・関西万博『韓国館』駆け込みレポート(取材日:2025年9月22日)
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いま世界は空前の韓流ブーム。K-POPをテーマにしたアニメや韓国ドラマ、さらにはその作品に登場するK-フードまで、幅広い“Kカルチャー”が話題を集めている。
過去・現在・未来の韓国がひとつに融合する――万博でしか味わえない体験型Kカルチャー空間、それが韓国館だ。その見どころを、韓ドラライターの目線で余すことなくレポートする。
【見学基本情報】
見学日:9月22日(月)PM1:00~3:00
見学者:韓ドラライター(韓国ドラマ1500作品以上を視聴、WEBサイト「navicon」で紹介)

韓国館へは、東ゲートから万博の名物「大屋根リング」を右手に進んでいくとたどり着ける。会場に浮かび上がる「KOREA」の文字のパビリオンを前に、思わず「アンニョン!」と挨拶。当日は韓国館広報担当者様のガイドで、待たずに入場できたが、一般客は1時間待ちとのこと。胸の中で申し訳なさを感じつつ、いよいよ見学をスタートした。
※レポート中に紹介している韓国ドラマやイベントについては、タイトルクリックで詳細ページに遷移します。
【韓国館のテーマ】
韓国館が掲げるテーマは「With Hearts(こころを寄り添い)」。サブテーマには「Connecting Hearts, Lives in Bloom(いのち花開く未来へ)」という言葉が添えられている。
韓国が大切にしてきた“真心”や“情”を基盤に、伝統文化と先端デジタル・AI技術を結びつけ、未来へ向かう新しいビジョンを来場者に示している。

【巨大スクリーンの演出】
韓国館に近づくと、最初に目を奪われるのは巨大スクリーン。韓国館の外壁を覆う(幅27m、高さ10m)ディスプレイだ。明るい昼間でも映像がはっきりと分かる、輝度の高いLG電子製のLEDディスプレイが使われているそうだ。

そこには「宮廷女官チャングムの誓い」や「トンイ」で見慣れた荘厳な王宮の光景や王の行幸を見送る民たちのアニメーション、「生まれ変わってもよろしく」や「この恋は不可抗力」に描かれた古式花火「咸安落火ノリ」など、目を見張る古き韓国の映像が次々と登場。

続いて月に座るBLACKPINKのジェニーが、現在の韓国へいざなう。漢江、「梨泰院クラス」で広まったソウルの夜の街やソウルタワー。韓国旅行をした人なら必ず訪れるだろう名所を次々を案内してくれる。

次に、韓国館を訪れた人々を見下ろすように現れたのは「RUNNING MAN」。未来の扉を開けて人々を一気に未来空間へと引き連れていく。

空飛ぶ車、K-POPスターが映し出されたプロジェクターが踊り出す。伝統×現代×未来が融合する演出に、ドラマファンなら胸の鼓動が高まるだろう。
【韓国館の展示】
韓国館は「3つの展示館」から成り立っている。ホールの天井には光を通す柔らかい質感が特徴の苧麻(モシ)が使われてい。韓国の伝統布であり、韓山カラムシ(ハンサンカラムシ)とも呼ばれているそうだ。

■第1館「音と光を集め、皆が一つになる」
ホール入り口ブースで録音した自分の声がAI技術によって音楽に変わり、館内で流れる。さらに143個の照明が織りなす光が音と連動し、初対面の来場者同士がつながっているような感覚を味わえる。自然と視線が合った人に会釈してしまうほど、温かい空間だった。

■第2館「荒廃した都市から命の回復へ」
テーマは韓国の現代社会とSDGs。

無骨なコンクリートに突き刺さったようなパイプに息を吹き込むと、頭上から大きな水滴が落ちてくる。これは「私たちの息=酸素」と「水素燃料」が化学反応を起こし、電気を生み出し最終的に“水”が生まれる過程を再現したもの。シャボン玉のような大きな水滴を手で触れられる体験も新鮮だった。

韓国といえば「エンタメ」と考えていたが、水素電池の研究分野でも韓国は高く評価されていると韓国館広報担当者様に聞いて驚いた。実物の燃料電池が天井に埋め込まれており、その成果を肌で感じることができる。

さらに壁に空いた大きな穴のオブジェは“破壊された地球”を象徴。そこには「私たちが壊した地球を、自らの力で取り戻す」という強いメッセージが込められていた。
■第3館「同じ時間の中の旋律」
3面スクリーンを駆使した映像空間では、15年先の2040年の未来を描き出す。

中心に登場するのは祖父が遺したピアノの自動演奏。音楽と映像が織りなす物語は、孫娘の成長をアニメや実写で美しく表現。友人たちと踊るシーンではK-POPステージさながらの躍動感を体感できる。窓の外には近未来の車が空を飛ぶ。そしてつながるアプリに次々と知人の顔が表示され、彼女が最後につなげたのは祖父・・・ラストは祖父と孫娘の絆の物語に戻り、世代を超えたつながりを強調。「大切な価値は次世代へ受け継がれていく」というメッセージが、観客自身の心にも問いを投げかけてきた。
■お土産ブース

展示エリアの隣にある物販コーナーには、香炉セットや螺鈿細工の宝石箱といった伝統雑貨から、定番のK-コスメやK-POPスターのグッズまで幅広く揃う。最近日本でも人気のネームタグ風キーホルダーは、韓国の伝説や自然をテーマにしたアレンジが施され、どこかお守りを思わせるデザイン。食材コーナーにはK-フードに欠かせないごま油やえごま油も並び、本場らしいラインナップだった。

韓国館広報担当者様とはここでお別れ。長い時間ガイドや質問に答えてくれてありがとうございました。
■K-フード体験
世界中で盛り上がりを見せる韓国料理。『K-POPガールズ!デーモンハンターズ』や「暴君のシェフ」の影響もあり、今や大きなブームだ。

今回は韓定食が完売で食べられなかったのは残念だが、「愛の不時着」で一躍世界中に広まった“チメク”(チキン+ビール)は堪能。甘辛ソースが絡んだチキンはまさに絶品だった。となりの来館者が前に食べた韓定食の写真を提供してくれた。韓ドラファンの連帯感は強い!
【万博と韓国館の魅力】
この日は平日だったが、10月13日の会期終了まで3週間。しかも連休の中日とあって万博は大盛況。韓国館も1時間待ちの行列ができ、途中で入場制限がかかるほど人気だった。2025年は日韓国交60周年の節目でもあり、在日韓国人は日本と韓国をつなぐ存在。パビリオン出口には、1970年代の万博で在日韓国人からの寄付があったと、感謝パネルも印象深かった。
すでに当日の入場券発売も終了しており、惜しくも韓国館を訪れくることができなかった方は、実際に韓国旅行をしてはどうだろう。
韓国という国は、まさに最初に見せられたスクリーンの通り「過去・現在・未来」が共存する場所だ。近未来的な建築物が印象的なソウル。その中心には「太陽を抱く月」のロケ地でもある朝鮮王朝時代の「景福宮」があり、すぐ近くには「トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜」のいくつものシーンが撮影された北村韓屋村がある。TBSドラマ「Eye Love You」で二階堂ふみとチェ・ジョンヒョプが歩いた坂道も、北村韓屋村エリアにあるのだから、ファンにはたまらない。
他にも「宮廷女官チャングムの誓い」の水原華城、「善徳女王」の舞台・慶州、「隠し味にはロマンス」の約80%が舞台となったという全州の街並み……各地にはドラマや映画のロケ地は数え切れないほどある。
※参考:naviconで紹介したロケ地
ロケ地①:韓国時代劇撮影場・オープンセットまとめて紹介
ロケ地②:龍仁大長今パーク:イ・サン、奇皇后、オクニョ、100日の郎君様、不滅の恋人、ヘチもみんなここで撮影
ロケ地:梨泰院、経理団通り、解放村ってどんな場所?
注目ロケ地・全州:「隠し味にはロマンス」効果と他の人気ドラマたち
【取材を終えて】
韓国館での滞在は約3時間。お土産や食事も楽しみながら、韓国の“心”と“未来”に触れられる時間だった。
夜、最後にもう一度パビリオンに「アンニョン!」と挨拶して、胸いっぱいの気持ちで万博会場をあとにした。
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なお、YouTube「koreapavilion_2025」では、韓国館の動画が多数公開されている。
◇YouTube「koreapavilion_2025チャンネル」
※navicon韓流コーナー(韓国ドラマ2025年8月現在1500作品以上の紹介、ドラマの深掘りする【2倍シリーズ】、時代劇に役立つ【年表・王朝系図・地図】など図表などまとめています⇒
