【韓ドラ歴史コラム】「濁流」最終回─狼煙のその後を読み解く:壬辰倭乱への序章

01時00分ドラマ
画像:Disney+「탁류(濁流)」

ロウン主演のDisney+オリジナル時代劇「濁流(탁류)」が、ついに最終回を配信した。最終回のラストでは、大空にたなびく狼煙が描かれ、戦の始まりを告げる場面で物語は幕を閉じた。視聴者は「ここからどうなるのか」と考えるしかない。➡ 【最終回ネタバレ】

※この記事をお読みいただく前に、宣祖時代の政治的混乱と社会背景について詳しく解説した前回のコラムをご一読いただくと、より深くドラマの世界観をお楽しみいただけます。➡【韓ドラ歴史コラム】『濁流』時代背景:混迷と腐敗に揺れ動く第14代王・宣祖時代

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「濁流」は朝鮮王朝第14代王・宣祖(在位1567–1608年)の時代を舞台にしている。政治の混乱や党争、役人の腐敗など、社会の“濁った流れ”を象徴的に描き、登場人物たちが理想や欲望、家族への思いと現実の狭間で揺れ動く様子を描いている。これが後に訪れる戦乱の予兆になっている。

最終回で上がった狼煙は、1592年に始まる壬辰倭乱(文禄の役)を意識したものだと考えるといいだろう。豊臣秀吉による朝鮮出兵は、宣祖期の政局混乱や地方防衛力の弱さを突いて展開された。史実では朝鮮軍は初動で苦戦し、各地で占領や破壊が起きた。ドラマの狼煙は、戦乱の到来を知らせると同時に、登場人物たちのこれからの運命を暗示している。

戦乱の後に予想される展開としては、王都・漢陽の混乱、地方の庶民や武人たちの対応、明との外交、主要人物たちの選択がある。狼煙は首都にも戦火が迫ることを示しており、地方では生き延びるために動く人々が現れる。主人公たちは戦乱の中で、それぞれの信念を試されることになる。

「濁流」は最終回で一旦幕を引くが、実は歴史の大河につながる導火線を描いた作品だ。壬辰倭乱という大きな災禍の中でも、信義や希望、裏切りや再生といった人間ドラマは変わらずに響く。続編やスピンオフがあれば、戦時の登場人物たちの選択や運命を見届けることになる。続編などがあれば、大護軍(チェ・ウォニョン)たちがが命がけで守ろうとした「朝鮮全土の地図」が大いに活躍しそうだ。

なお、壬辰倭乱について描かれたドラマに「軍師リュ・ソンリョン~懲毖録<ジンビロク>」がある。このドラマは、豊臣秀吉が朝鮮を侵略した壬辰倭乱(文禄・慶長の役)の前夜から、伝説の英雄イ・スンシン最期の戦いとなった露梁(ノリャン)海戦まで、7年にわたる激動の戦乱期に命がけで立ち向かった男の信念と苦悩を描く一大スペクタクル大河ドラマだ。また。【ドラマの年表:朝鮮王朝】では、ドラマを時系列に並べているので「濁流」が気に入った方は、その前後のドラマを選んで視聴するのもお勧めだ。

【「濁流」を2倍楽しむ】では制作発表会レポートまとめ、全話あらすじと見どころ、キャスト・人物徹底紹介、時代背景や豆知識などまとめている。

Disneyシリーズ初のオリジナル時代劇「濁流」は、全9話話Disney+(ディズニープラス)で独占配信中だ。

韓国ドラマ『濁流』|本予告

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