韓国版「ナオミとカナコ」―チョン・ソニ&イ・ユミ「あなたが殺した」Netflixで開幕!見逃せない心理劇
Netflixシリーズ「あなたが殺した」Netfixにて独占配信中
Netflixは11月7日、韓国オリジナルシリーズ「あなたが殺した」(당신이 죽였다)の全8話一挙配信を開始した。日本版との違いとリメイク版の見どころを紹介しよう。
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「あなたが殺した」は、“あなたが殺した”という言葉に囚われた二人の女性が、それぞれの地獄から抜け出そうとする姿を描くヒューマンスリラー。原作は奥田英朗の小説『ナオミとカナコ』で、2016年に日本でも広末涼子と内田有紀主演で実写化された作品だ(【日本版あらすじと見どころ(ネタバレあり)】)。
日本版との違いを踏まえたキャラクター紹介
韓国版「あなたが殺した」は、原作「ナオミとカナコ」の骨格を活かしつつも、登場人物の関係性や性別、社会的背景を大胆に再構築している。
その違いは、同じ物語でもまったく異なる衝撃を生み出している。
■ チョ・ウンス(チョン・ソニ)
原作で広末涼子が演じた織田直美にあたる人物。百貨店の高級ブランド売場で働くキャリアウーマン。幼少期に家庭内暴力のトラウマを抱えており、同じような苦しみを味わう友人ヒスを救うために、重大な決断を下す。
■ チョ・ヒス(イ・ユミ)
原作で内田有紀が演じた服部加奈子にあたる人物。ウンスの親友で、暴力の連鎖を断ち切ろうともがく女性。かつては有望な童話作家だったが、夫の支配により地獄の日々を過ごし、やがてウンスと共に夫殺害の計画に踏み切る。
■ ノ・ジンピョ(チャン・スンジョ/一人二役)
原作で佐藤隆太が演じた服部達郎にあたる人物。ヒスの夫で、社会的には尊敬される一方、家庭では暴力的な一面を持つ。韓国版では“二面性”をより強調し、別人格を持つ男性として描かれている。
■ チン・ソベク(イ・ムセン)
原作で高畑淳子が演じた李朱美を男性に変更。チンガンサン会の代表であり、ウンスとヒスの計画を察知して二人を助ける謎多き協力者として登場する。
■ ノ・ジニョン(イ・ホジョン)
原作で吉田羊が演じた服部陽子にあたる人物。日本版では姉だったが、韓国版では妹に設定が変わり、兄ジンピョとの複雑な関係性が生まれている。
二人の女性が求める救いの形
過去と現在、異なる時代を生きる二人の女性がそれぞれの暴力と絶望に向き合う。
幼い頃、父親の暴力から逃れるためクローゼットに隠れるしかなかったチョ・ウンス(チョン・ソニ)。
夫の支配から逃れられないチョ・ヒス(イ・ユミ)。
彼女たちは傷だらけの人生の中で互いの存在に導かれ、やがて“生き延びるための選択”へと踏み出す。
ウンスに迫る謎の男チン・ソベク(イ・ムセン)と、ヒスを追い詰める夫ノ・ジンピョ(チャン・スンジョ)絶え間なく交錯する運命の糸が、物語をスリリングに加速させていく。
そしてジンピョがジェラシーを抱く妹ジニョン(イ・ホジョン)の存在も見逃せない。
キャスト陣が魅せる緊迫の演技
チョン・ソニはキャリアウーマンとしての強さと心の傷を繊細に演じ、イ・ユミは失われた童話作家としての輝きを取り戻そうとする女性の葛藤をリアルに表現。チャン・スンジョは二つの人格を演じ分け、ドラマ全体の緊張感を支える存在になっている。
監督イ・ジョンリムは、「二人の女性がどう加害者に立ち向かい、どんな転機を迎えるのかを見届けてほしい」と語る。
映像と音が生む“感情の密室”
「悪鬼」「VIP-迷路の始まり-」で知られるイ・ジョンリム監督は、今回も映像・音響・美術を緻密に組み上げ、重層的な世界観を構築。
登場人物の心理に呼応する照明や色彩設計が、息を呑むような没入感を生み出す。
音楽を手がけたPrimaryは、緊張と予想外の旋律でドラマの感情を巧みに導いている。
Netflixシリーズ「あなたが殺した」は、“自分を救うために誰かを救う”という相反する感情の中で、二人の女性が選ぶ究極の決断を描く。沈黙と罪、そして再生の物語が、今、静かに幕を開ける。
◇YouTube|『あなたが殺した』予告編 – Netflix