ハン・ジヘ、「愛する盗賊様よ」で物語を支配―“ラブリー・ヴィラン”から尼僧、そして歴史を動かす女へ
KBS2土日ドラマ「愛する盗賊様よ」で、ハン・ジヘが圧倒的な存在感を放っている。慈愛深い尼僧として登場した彼女は、第9話・第10話でその正体と真意を明かし、第11話・第12話で物語の構造そのものを揺るがすキーパーソンへと浮上した。
■ 前作「次の人生はないから」との鮮烈なギャップ
現代的でエネルギッシュな「ラブリー・ヴィラン」から一転、「愛する盗賊様よ」で見せるのは、感情を抑え、言葉を選び、沈黙すら武器とする尼僧という存在。わずか1か月余りで正反対の役柄を自在に行き来するその振り幅は、ハン・ジヘの演技スペクトラムの広さを改めて印象づけた。
■ 慈愛の仮面の下にあった“前王の后妃”という真実
■ フィクションでありながら、歴史を想起させる構造
「愛する盗賊様よ」は架空の物語だが、【韓ドラ歴史コラム:「愛する盗賊様よ」】でその時代背景や人物配置には、朝鮮王朝史を思わせる明確な影が差し込まれていると紹介した。
元妓生(歴史上の張緑水に相当)を寵愛、狩りを楽しむために民家を撤去、忠臣の排除、妓生を宮中への呼び込みなど、劇中で描かれる王の姿は、暴政と恐怖政治で知られる燕山君を彷彿とさせる。
トウォル大君イ・ヨル(ムン・サンミン)は、その後に即位した中宗を想起させる存在として配置されている。さらに、ホン・ウンジョ=ギルドンという人物像は、実在した義賊ホン・ギルドンの伝承と重なり合い、王や制度に守られない民の側に立つ“もう一つの正義”を象徴している。
■ 尼僧ハン・ジヘは「歴史を動かす装置」
■ ロマンスを超えた“政治劇”の中核へ
トレンディな現代劇で見せた親しみやすさと、時代劇で発揮される抑制されたカリスマ。ハン・ジヘは「愛する盗賊様よ」で、その両極を自在に行き来しながら、単なる助演を超えた“代替不可能な存在”として物語の中核を担っている。フィクションでありながら、歴史の本質を映し出すこの作品で、彼女がトウォル大君イ・ヨルとホン・ウンジョのロマンスを骨太の政治ドラマに変えた。物語は今、最も深く、最も危険な領域へと踏み込んでいる。
「愛する盗賊様よ」(脚本:イ・ソン、演出:ハム・ヨンゴル)は、ひょんなことから天下一の大泥棒になってしまった女性ホン・ウンジョ(ナム・ジヒョン)と、彼女を追っていた大君イ・ヨル(ムン・サンミン)の魂が入れ替わることで、互いを救い、民を守っていく危険で壮大なロマンスを描く。
【「愛する盗賊様よ」を2倍楽しむ】では、時代背景やキャスト徹底紹介、制作発表会レポート、全話ネタバレあらすじと見どころなどまとめている。
本作は、毎週土・日曜の21時20分よりKBS2にて放送中。その後、U-NEXTで独占配信中だ。