「鉄の王キム・スロ」の舞台、伽耶の歴史を年表と地図からドラマの予習!-BSフジ

2010年10月19日00時12分ドラマ
それぞれの国の境界線は時代によって変化します。
おおよその位置関係を知る目安としてみてください。

伽耶は1世紀から6世紀半ばまで朝鮮半島南部で栄えた国-ちょうど半島(当時は半島+中国東北地方の一部をあわせた広大な領土だった)が、今では原三国時代と呼んでいる時代から三国時代と呼ばれている時代に存在した。

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まずは歴史年表でドラマの時代を確認しよう。朱蒙の孫、「風の国」の主人公ムヒュル(後の大武神王)の舞台となった時代だ。
次は、位置の確認だ。ドラマ「朱蒙」の主人公が建国した北の大国・高句麗が南下してきたころ、半島の南部に馬韓、辰韓、弁韓の三つの韓(三韓)が存在した。その中の弁韓は、狗耶(クヤ)国など12の小国からなり、後に6つの伽耶国を形成する。その中で中心となったひとつの伽耶国がドラマの主人公キム・スロ(金首露)の国。三国時代の地図で確認しよう。ピンクの部分だ。
ちなみに三韓のうちの馬韓はのちに百済に、辰韓はのちに新羅となる。当時の半島は北を高句麗、東を新羅、西を百済、そして南を伽耶が支配していた。三国時代は実際には伽耶も含めた四国時代と呼んだ方がいいかの知れない。

伽耶は、優れた製鉄技術で鉄製の農機具を使った稲作農業が早くから発達し、地の利を生かした海上交通で、日本、中国とも交易した貿易国家でもあった。4世紀ごろまでは後に半島を統一する新羅より強国だった。

劇中でもいわれているが、伽耶の鉄の剣は素晴らしく、首や肘、脚あてまで完璧に覆った鉄製の鎧一式は諸外国からも高い評価を得ていた。
「朱蒙」「太王四神記」「善徳女王」「千秋太后」など、ナビコンで特集しているこれら英雄物語でも“鉄”にこだわっている場面が多々あり、伽耶の優れた鉄製品に触れていることもある。。
そんな伽耶は562年に新羅に併合され歴史に幕を閉じるのだが、そのきっかけを作ったのが他でもない「太王四神記」でおなじみの高句麗の広開大王の攻撃だった。

伽耶の建国から随分先に進んでしまったが、「鉄の王 キム・スロ」は、弁韓が12の小国からなっていたころから、まだ狗耶(クヤ)国と呼ばれていた伽耶を連盟国家に導いて初代王となったスロの一代記である。
当時は国号もなく、王もおらず、我刀干(アドガン)など9人の干が民を治めていた。

1_tamago(C) MBC 2010 All Rights Reserved劇中スロは、北方民族のチョンギョンとキム・ユンの子供となっているが、当時のことを記した書物「三国遺事」によると、天から6つの“金の卵”が下ってきて、その中のひとつがスロだった。あとの5つの卵もかえってそれぞれの伽耶を治め、スロが伽耶連合国として統合したとされている。
卵というと、新羅の祖・赫居世(ヒョッコセイ)もそうで、世界各地にこうした神話があるようだ。ちなみにスロは金の卵から生まれたので“金”の苗字になった。今も韓国でもっとも多い名前だ。
また、韓国固有の琴をカヤグムというが、これは伽耶の琴のこと。

ところで、伽耶が高句麗や新羅、百済と大きく違っていることがひとつある。それは連合国だという点だ。伽耶連合は隣接する新羅と百済と戦い、または和平を結び、日本とも関係を保ちながら五百数十年の時を刻んだ。伽耶の呼び名は、伽耶、加耶、加羅、加羅、駕洛、狗耶などいろいろ。日本では「日本書紀」に任那として記されている。

最後に、同じ時代を舞台にした他のドラマたちをドラマの年表(神話・古朝鮮~三国時代)でチェックしよう。まだ「鉄の王」は更新していないが、ドラマ「風の国」と同じ頃の物語である。関連性のあるドラマ、同じ時代、または前後のドラマを見ると、歴史背景がもっと理解しやすくなる。
また、他のじだいについては[ドラマで知る韓国の歴史]を参考にされたい。


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「キム・スロ」韓国公式サイト(話題の1分動画視聴)
BSフジ「鉄の王 キム・スロ」番組サイト
 (放送は19日より毎週火曜日夜7時~55分まで。再放送は木曜朝10時~55分)

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また、ここに紹介したのは、あくまでもドラマを楽しむための歴史紹介です。事実と異なる部分もあることをご了解ください。