「トングン-呪いの宮-」は「キングダム」を超える?「鬼宮」と徹底比較した韓国オカルト時代劇の現在地
Netflixシリーズ「トングン-呪いの宮-」が配信開始直後から韓国Netflix「今日のシリーズTOP10」で1位、日本でも5位にランクインし、大きな話題を集めた。
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「トングン -呪いの宮-」は、現世と霊界を巻き込む「東宮(トングン)の呪い」の真実に迫るオカルティ・ファンタジー・アクション時代劇。
韓国メディアでは本作を「『キングダム』以来、約5~6年ぶりに登場したNetflix発の本格オカルト時代劇」と位置づける一方、同じく怪異を題材にしたドラマ「鬼宮」とも比較する声が相次いでいる。
いずれも朝鮮王朝を舞台にしながら、描こうとしている世界は大きく異なる。
「キングダム」は「国」を描き、「トングン」は「宮殿」を描く
最も大きな違いは、恐怖のスケールだ。
「キングダム」では、生死草によって生まれたゾンビが国中へ感染を広げ、朝鮮そのものを崩壊へ追い込む。王位継承争いと疫病が絡み合う壮大なサバイバルアクションとして世界的人気を獲得した。
一方、「トングン-呪いの宮-」で描かれるのは、東宮という閉ざされた空間に積み重なった怨念だ。代々の世子が不審死を遂げる「30年前の呪い」を軸に、王室が隠してきた秘密や罪が少しずつ明らかになっていく。
韓国メディアは、「『キングダム』が国家規模の恐怖なら、『トングン』は宮殿という密室に蓄積した罪と怨念を描く心理的オカルト」と分析している。
敵もまったく違う
「キングダム」の敵はゾンビ。感染が瞬く間に広がる"目に見える恐怖"だ。
「トングン」では、敵は怨鬼(ウォンギ)や貴魅(キメ)といった韓国伝承をベースにしたもののけたち。恨みを抱いて死んだ者の怨念が王宮を蝕み、霊界と現実世界が交錯していく。
一方、「鬼宮」では八尺鬼や水殺鬼など韓国の伝統鬼神が登場するものの、恐怖だけではなくロマンスやファンタジー色が濃く描かれている。
同じ「怪異」を扱いながらも、
・「キングダム」=ゾンビパニック
・「トングン」=ダークオカルト
・「鬼宮」=ロマンス・ファンタジー
と、それぞれ目指すジャンルは大きく異なる。
主人公たちの戦い方も対照的
「キングダム」のイ・チャン(チュ・ジフン)は、人々を率いて剣や火縄銃でゾンビに立ち向かう。
対して「トングン」の主人公クチョン(ナム・ジュヒョク)は、自ら霊界へ足を踏み入れ、霊を斬る能力を持つ異色の退魔師だ。さらに、幽霊の声を聞く宮女センガン(ノ・ユンソ)がバディとなり、怪異を倒すだけでなく、王宮の真実を追うミステリーとして物語が展開する。
「鬼宮」では、巫女ヨリ(キム・ジヨン/宇宙少女 ボナ)と悪神カンチョリ(ユク・ソンジェ/BTOB ソンジェ)が反発しながらも共闘するラブファンタジーが中心となり、作品全体の雰囲気も大きく異なる。
映像美はそれぞれ異なる魅力
映像演出にも個性がある。
「キングダム」は数百人規模のゾンビが疾走する圧巻のアクション。
「鬼宮」は幻想的で華やかなファンタジー世界。
そして「トングン」は、水底から鬼の世界へ入り込む幻想的な演出や、青く静かな現実世界と赤く荒廃した鬼界を対比させた独創的なビジュアルが特徴だ。
韓国では、その世界観から「朝鮮版コンスタンティン」「韓国版『鬼滅の刃』」と例えられる一方、霊界のビジュアルについては『ストレンジャー・シングス』を思わせるという声もあり、賛否を呼んでいる。
「トングン」が切り開く新たなKオカルト時代劇
韓国では近年、時代劇にオカルト要素を取り入れた作品が増えている。
その中でも「トングン」は、韓国のシャーマニズムや民間伝承をベースに、独自のもののけの世界を構築した意欲作として注目されている。
ストーリー展開には賛否があるものの、「ビジュアルの完成度」「プロダクションデザイン」「俳優陣の熱演」は高く評価されており、「キングダム」が切り開いた"Kオカルト時代劇"の流れを、新たな方向へ押し広げた作品と見る向きも少なくない。
「キングダム」のような大規模サバイバル、「鬼宮」のようなロマンス・ファンタジーとは異なる、「トングン」ならではの"宮廷オカルトミステリー"。韓国時代劇は今、新たな進化を遂げようとしている。
「トングン -呪いの宮-」は2026年7月17日よりNetflixで全話独占配信中。【「トングン」を2倍楽しむ】では、全話あらすじと見どころ、キャスト・キャラクター徹底解説、制作発表会レポートや韓国での評判などまとめている。
「キングダム」はNetflixにて独占配信、SBSドラマ「鬼宮」はNetflix他の配信サイトで配信中だ。
◇「トングン -呪いの宮-」予告編 - Netflix