「憶えのない殺人」後編ネタバレ:切なすぎるラストに涙 小林薫の圧巻演技と尾野真千子との対峙が話題

06時00分ドラマ
NHK「憶えのない殺人」

小林薫主演のNHK土曜 ドラマ「憶えのない殺人」後編「迷宮」が、8月1日(土)にNHK総合で放送された。前編のラストで、認知症の症状による混乱からコンビニで騒動を起こした元警察官・佐治英雄(小林薫)。後編は、そのまま刑事・北嶺亜弓(尾野真千子)の取り調べを受ける場面から始まる。後編のネタバレあらすじと視聴者の視聴者の反応など紹介。



「憶えのない殺人」は、2025年2月にNHK BSで89分版の特集ドラマとして放送され、認知症をテーマにした重厚なヒューマンミステリーとして大きな反響を呼んだ話題作。その後、前後編に再編集されてNHK BSプレミアム4Kで放送され、今回は初めてNHK総合で2週連続放送された。➡【前編「容疑者」ネタバレ】

後編「迷宮」
刑事・北嶺(尾野真千子)は、被害者の死亡推定時刻に佐治が現場付近を歩いていた防犯カメラ映像や、不審な行動を示す物証を次々と突きつける。そして、「認知症だからこそ、殺人を犯した記憶そのものを失っている可能性がある」と指摘され、佐治英雄(小林薫)は「本当に自分が人を殺してしまったのではないか」という恐怖に襲われる。元警察官として真実を知りたい気持ちと、自分自身を信じられない絶望の間で揺れ動き、自らの“心の迷宮”へと迷い込んでいく。

しかし、捜査は決定的な証拠を欠いたまま膠着状態に陥る。失意の中で帰宅した佐治の前に現れたのは、亡き妻・鮎子(筒井真理子)の幻影だった。「あなたはそんな人じゃない。絶対に殺人なんて犯さない」という妻の言葉に背中を押され、佐治は警察官としての誇りを取り戻す。「犯人でないのなら、自分の手で真実を突き止めよう」と決意し、自ら事件を追い始める。

やがて事件は、佐治が現役時代に逮捕したストーカー・桧沢(西村和泉)の過去へとつながっていく。桧沢は出所後も更生せず、かつて執拗につきまとっていた地下アイドル・奥田沙苗(鞘師里保)を再び苦しめていた。佐治が過去の記憶をたどり、北嶺が客観的な証拠を積み重ねる中で、防犯カメラに映っていた佐治の不可解な行動の理由が少しずつ明らかになっていく。

そして衝撃の真実が判明する。桧沢を殺害した真犯人は、長年ストーカー被害に苦しみ、心身ともに追い詰められていた沙苗だった。警察に助けを求めても恐怖の日々は終わらず、自らの身を守るために桧沢を殺害してしまったのだ。

一方、事件当夜に認知症による徘徊で偶然現場に居合わせた佐治は、血を流して倒れる桧沢と、その場で立ち尽くす沙苗を目撃していた。現役時代から「自分がもっと彼女を守れていれば」という後悔を抱いていた佐治は、とっさに沙苗を逃がし、現場に残された証拠を持ち去るなど、彼女を守るための隠蔽工作を無意識に行っていた。しかし、その行動だけが証拠として残り、肝心の記憶は認知症によって失われていたため、佐治自身も「自分が犯人かもしれない」と思い込んでしまっていたのである。

真相が明らかになり、沙苗は逮捕される。佐治は自らが殺人犯ではなかったことに安堵する一方、かつて逮捕した男の再犯を止められず、守りたかった沙苗を結果的に殺人へ追い込んでしまった現実に深く苦しむ。

ラストでは、佐治を容疑者として追ってきた北嶺が改めて彼のもとを訪れる。認知症によって記憶を失いながらも、最後まで他者を守ろうとした佐治の信念に触れた北嶺は、一人の警察官として深い敬意を示す。記憶は失われても、人としての誇りや優しさは失われない――。そんな静かな希望と切ない余韻を残し、物語は幕を閉じる。


視聴者からは、単なる殺人ミステリーではなく、認知症と人間の尊厳を描いたヒューマンドラマとして高く評価する声が多く寄せられた。

特に、佐治(小林薫)が若い沙苗を守ろうとしていた真意や、認知症になっても変わらない優しさに「切なくて泣ける」「佐治が犯人でなくて本当に本当に良かった」と感動の声。一方で、追い詰められた沙苗が犯人になってしまった結末には「救われなかった若者が悲しい」と胸を痛める意見も目立った。

また、小林薫と尾野真千子の対峙シーンには絶賛が集まり、偏見から始まった関係が最後には尊敬へ変わる展開や、2人の繊細な演技力が高く評価されている。

さらに、認知症を抱える主人公の視点で描かれた演出にも注目が集まり、「何が現実なのか分からない緊張感が秀逸」「犯人探し以上に人間ドラマとして心に残る」と、脚本や構成を称賛する声が寄せられた。

後編はNHK ONEで見逃し配信中!

【作】 大森美香
【音楽】 河野 伸
【演出】 片岡敬司
【出演】 小林 薫、尾野真千子、橋本じゅん、鞘師里保、松澤 匠、西村和泉
阿南敦子、佐藤 誓、岡本 篤、室井 響、畦田ひとみ、村崎真彩、山形 匠、横田真子
中越典子、螢 雪次朗、筒井真理子
【制作統括】 後藤高久(NHKエンタープライズ)、磯 智明(NHK)

NHK「憶えのない殺人」