また、この後には、大河ドラマの原作者として常連となる司馬遼太郎作品だが、この『竜馬がゆく』が最初である。
タイトルにあるように幕末動乱期の風雲児たる坂本竜馬を主人公として、彼の仲間たち、敵対する人々をも俯瞰して描く司馬作品特有の群像劇だ。
土佐藩を脱藩した竜馬が、貿易商社亀山社中を設立し、日本中を奔走して薩長連合を成立させ、ついには徳川慶喜に大政奉還させる。しかし、明治の日本を見ずして非業の死を遂げるまで。
武市半平太役の高橋英樹は、これが初めての本格的時代劇出演であった。この作品での演技が認められ、この後、時代劇出演が増えていくことになる。
平均視聴率は14.5パーセントで、最高視聴率が22.9パーセント。
このドラマによって司馬の原作を知ったという人も多く、とくに70年安保世代の若者たちには、革命的な生き方をみせた坂本竜馬という人物への強い憧れをも生んだ。
この『竜馬がゆく』もまた現存しているビデオテープは第16話のみである。薩摩藩が大挙して京へ上るという噂を聞き、ついに竜馬が脱藩を決意するまでが描かれている。
坂本竜馬の生家跡には、現在「坂本龍馬先生誕生地」碑が立っている(揮毫は、ワンマン総理として知られるあの吉田茂である)。町中であり、もちろん、面影はまったく残されていない。
また、海辺に行けば、桂浜に建つ龍馬像が見られる。これは大正15年の建立。いまでこそ超有名人の坂本竜馬だが、戦前には地元でもそれほど知られた人物ではなかったのである。