チョン・イル「ヘチ 王座への道」第2話<お前の名は?>ネタバレあらすじと見どころ、豆知識
チョン・イル主演の超話題の韓国本格時代劇「ヘチ 王座への道」の第2話あらすじと見どころ、豆知識を紹介、番組公式サイトには主演チョン・イルからのコメント動画と予告動画が公開されている。
※この記事は、2019年11月10日~2020年5月3日までNHKBSプレミアムでの放送時に紹介したものです。
●ネタバレなしのあらすじは【コチラ】
【「ヘチ」を2倍楽しむ】では、ドラマの時代背景や見どころ、粛宗、英祖、景宗、密豊君、朴文秀ら実在の人物紹介などをまとめて紹介。ここでは第1話の前にいったい何があったのか、前史ともなる時代背景と派閥(老論、少論、南人)についても【エピソード0】として紹介している。
■キャスト⇒相関図(NHK)
延礽君(ヨニン君)ことイ・グム役:チョン・イル
茶母ヨジ役:Ara(コ・アラ)
熱血漢パク・ムンス役:クォン・ユル
町のごろつきダルムン/タルムン役:パク・フン
密豊君(ミルプン君)ことイ・タン役:チョン・ムンソン
延齢君(ヨルリョン君)役:ノ・ヨンハク
ほか
※オリジナル版を参考にしているために、カットされたシーンやあらすじが前後する場合もあります。また、王族キャストは読み違いを避けるために、以下(イ・グム、ミルプン君、ヨルリョン君)とバラつかせて記述。
■第2話「お前の名は?」(見どころ・豆知識)
王族のミルプン君/イ・タンが催した狩りの場。ミルプン君による殺人の証拠を捜していた司憲府の茶母(雑用係)ヨジが見つかってしまう。自らも狩りに参加してミルプン君の動向を探っていた王の次男、ヨニン君ことイ・グムは、ヨジを救って逃がし、彼女が見つけた箱の中身を知るため後で会う約束をする。ミルプン君を痛めつけているところに王が姿を見せ、「またお前だったのか。いつもお前だ…」とあきれたようにイ・グムに言い放つ。
ひと目で女だと見抜いたヨジを、イ・グムは得意の弓を使ってどう助けるのか?グム役チョン・イルの見事な弓さばきとアクションに痺れる。
その頃、パク・ムンスは科挙の合格者一覧に衝撃を受けていた。自身の不合格より、優男で酒の匂いまでさせていた“ノ・テピョン”の替え玉受験をしていた男(イ・グム)がトップの成績である壮元及第していたことにショックを受けたのだった。
ムンスに興味を示したタルムン/ダルムン。取り立ての様子を見るとどうもただのごろつきではなさそうだ。演じたのはパク・フン。「アルハンブラ宮殿の思い出」の出演で注目を集めている渋い俳優だ。
夜茶時(ヤダシ)で悪事を告発された老論の重臣キム・チャンジュンは、その首謀者ハン・ジョンソクに怒りをぶつける。なおも取り調べをしようとするジョンソクを上官が叱責。一方、ミルプン君にケガを負わせたイ・グムは、役所で取り調べられることに。追及がヨジにまで及ぶとのらりくらりと取調官を煙に巻いてごまかす。その供述を読んだ王は情けないとあきれ果てる。老論は今回の騒動がミルプン君を陥れるためだといい、異母弟ヨルリョン君にまで迷惑がかかってしまう。
チョン・イルはいったいどんな話術で逃げ切るのか?本作ではコミカル演技は抑えたと語っていたチョン・イルだが、色っぽい演技は健在。取調官の動揺ぶりが傑作だ。そんなグムを兄と慕うヨルリョン君。老論ミン・ジノンへの毅然とした態度が気品に満ちている。
イ・グムはヨルリョン君に済まないと謝り、ミン・ジノンと手を組んだ方がいいのではないかと助言するが、あくまでも世子がいる今考えるべきでないと答えるヨルリョン君。後継者争いに負けることは死につながると知るグムは、優しく清廉潔白すぎるヨルリョン君が心配でならない。そこで人を殺めているミルプン君の弱点を自分が握ることができるかもしれないと考え、ヨルリョン君のために動き出す。
“計屍録”を持ち帰ったはずのヨジだったが、蓋を開けるとそこには花や葉がぎっしり。落胆するヨジだが、パク・ムンスが科挙の替え玉受験をした男を探していると聞き、それが狩場で助けてくれた男でノ・テピョンと名乗っていたと聞き、グムに会いに行く。箱に入った花びらや葉を見てもグムは、ミルプン君ならあり得ると、驚かない。そんなグムの正体が王子ヨルリョン君だと見破るヨジは、なぜノ・テピョの替え玉になったか聞き出そうとするが、グムはしらを切る。そして、ノ・テピョンが先月亡くなったユン・ヨオクの叔父で、ヨオクはミルプン君に乱暴されて自殺。司憲府ではこの事件をミルプン君による殺人だと見ていると聞く。そこに駆けつけたムンスはヨジの話しぶりから替え玉犯人が王子だと知り驚愕する。
蜜豊君李坦を紹介でも記したが、この事件をとっても、本作で描かれるミルプン君は、暴君燕山君の悪行を髣髴とさせる。グムが王子と知ってまたまた嘆くムンス役クォン・ユルのオーバーアクションが愉快だ。
その頃、イ・グムにこっぴどくやられたミルプン君は重臣宅で大暴れ。手が付けられないミルプン君の頬をミン・ジノンが強烈ビンタ。そしてこれまで王・粛宗が換局の名の下、重臣の入れ替えをして王権を強化してきた。このままでは両班の地位が揺らぐと教え、王になりたければ二度と老論をないがしろにせず、騒動も起こすなと釘を刺す。
換局については粛宗紹介で解説している。
ミルプン君が王座に就くのを案じる王はミン・ジノンにその是非を問う。ジノンは「正しい者が正しい君主になるのではない」と言い、粛宗が政事を正すためとの口実で行ってきた殺戮について口にし、「ミルプン君が王位に就けば善政を行うかもしれない」という。ミルプン君が殺生を犯しているという噂についても、「証拠がない」と、ミルプン君推戴を翻さない。
その頃、ミルプン君は、替え玉受験でノ・テピョンが壮元及第したことに腹を立て、仲介したケドルに暴行を加え、ノ・テピョン殺害時にその場にいた部下に、なぜ止めなかったのかと、八つ当たり。実は、ノ・テピョンは姪の死を科挙合格の取引材料にしたうえ、金まで要求してミルプン君の逆鱗に触れ、殺害されたのだった。
「その時はその時…今は今だ」と全く筋違いの怒りを爆発させるミルプン君。なぜ“壮元及第”に怒ったのか。それは“放榜礼(パンバンリェ)”という科挙合格者への合格証書授与式で優秀な成績で合格した者は目立つから。放榜礼については「三銃士」第3話の「豆知識」で詳しく解説。
ミルプン君が替え玉受験させたのはノ・テピョンの口封じの為だったと知ったイ・グムは、合格したのに行方不明になったのは、ミルプン君に殺害されたからだと確信する。一方、ヨジは、上司ジョンハクにグム王子がノ・テピョンの替え玉で、グムから証言を得るためにムンスに張り付いてもらっていると報告する。その頃ムンスは、「不公平があってはだめだ。罪を犯した者はそれに見合った罰を課すべき」とイ・グムに付きまとう。グムは馬を走らせてムンスを置いてけぼりにケドルの元へ。ケドルは、騒ぎが鎮まるまで漢陽を離れてほしい、と頼むが、グムはチョホンを使って町中にノ・テピョンとミルプン君の間に起きたであろうことを噂話にして町中に広める。この噂は宮殿にまで広がり老論は大慌て。王はイ・グムを呼ぶように命じる。
町中の『九雲夢』や『洪吉童伝』の看板に気づいた方もいるのでは?『九雲夢』は「星から来たあなた」第3話「豆知識」でも紹介したト・ミンジュンの愛読書で、『洪吉童伝』はハングル文字で書かれた朝鮮最古の小説として「秘密の扉」第18話で詳しく紹介している。
イ・グムはミルプン君を煽って動き出すのを待つ。一方、ジョンソクやヨジ達も遺体を見つければミルプン君を引っ張れると考える。そしてヨジはミルプン君が集めた草花は戦利品だと気づき、乾ききっていない楓の葉を見て遺体のある場所に思い当たる。
その夜、イ・グムの狙い通りにミルプン君側が動きだし、グムが尾行。その後をムンスもついてきて、ヨジまでが姿を見せる。ミルプン君側に気付かれ戦い、彼らを追い払った後、ノ・テピョンの遺体を確認する。遺体発見の一報はミン・ジノの耳にも入り、ウィ・ビョンジュに何とかするように命じる。
ムンスが愉快な方法でグムを助けるのでお見逃しなく。暗闇の中のAraのアクション、クォン・ユルの蹴り、そしてチョン・イルの弓!韓国史劇アクションがたっぷり堪能できる。ヨジがノ・テピョの身元を確認した名札は“号牌(ホペ)”といって16歳以上の男子が持つ身分証明書。詳しくは成均館スキャンダル」第2話で詳しく解説。この号牌については後で、感動的な使われ方があるので覚えておこう。
王に呼ばれたイ・グムは母が暮らした宝慶堂へ。生まれた時、泣かないグムを見てみんなは真っ青になったが、王はいっそ死ぬか王女ならよかったと思ったという。それは母親の身分が低いためだとも。あまりにも冷酷な言葉に、グムは語気を強めて、どんな答えを望むのかと。すると王は「なぜ見返す人生を歩かない。たとえ賤しい血が流れていても別の人生があったはず、どうしてそう生きるしかないのか!」とグムを責める。「才能を持て余してこう生きるしかなかった」、というグム。王もまた哀れな息子に“王材”を見ていたのだ。「自身の余命が残り少ない。そうなる前に私の知るお前を世間に知らしめることはできないか、自重してこれぞという姿を見せることはできないか」と寂しく問いかける。
宝慶堂は、イ・グムの母・崔淑嬪(トンイのモデル)が暮らしていた場所。「トンイ」第32話でトンイが引越ししている。父と息子の切ない会話。父はグムを見限っていたのではなかった。グムこそ二王材があると信じていたのだ。もっともこれはあくまでもドラマの中の話。「トンイ」ファンには残念だが、実在の粛宗は䄙嬪朴氏が産んだ延齢君(ヨルリョン君)の方を寵愛していた。詳しくは次の人物紹介で。
その夜、ウィ・ビョンジュに監察の長、房主監察の辞令が出るとハン・ジョンソクに報告し、ノ・テピョンに関する捜査状況を聞く。ジョンソクは友の昇進を喜び、その足でイ・グムを訪ねてミルプン君の差し金で替え玉受験をしたと証言してほしいとお願いするが、グムは暇つぶしにやっただけだと、協力を断る。ムンスは塀の外で大声で「同じ穴の狢だ」と唾を吐き捨てる。グムは、侍従チャドンからジョンソクが老論出身だが正義感の強い人物と聞く。
さあ、ここでグムは何を考えるのか?父王に自重するよう言われたグムの最初の葛藤が始まる
司憲府長官イ・イギョムはビョンジュを呼び、ジョンソクを説得するように命じるが、ビョンジュは駆け引きはせず、正攻法で行くといい、監察だけでなく長官も一緒に容疑を論じる齊坐(チェジャ)を開くことを提案する。さっそく齊坐が開かれるが…。
齊坐を開いていったい何をするつもりなのか?齊坐でのジョンソクの正義の訴えは届くのか?
◇NHK「ヘチ 王座への道」番組サイト
2021.02.14スタート 毎・日23:00-24:00 NHK総合
2019.11.10-2020.05.03 毎・日21:00~22:00 BSプレミアム
◇作品公式サイト
【作品詳細】【「ヘチ」を2倍楽しむ】