チョン・イル「ヘチ 王座への道」第7話<扇動の技術>ネタバレあらすじと見どころ、豆知識:ソンビ

2021年03月27日10時00分 
(2022年04月04日21時42分 更新)
ドラマ
©SBS

本物の朝鮮の王へ!イ・グム(チョン・イル)への誤解が解けたパク・ムンス(クォン・ユル)やヨジ(Ara)たちはかつて遊んだ“すごろく”の夢に向かって動き出す!韓国本格時代劇「ヘチ 王座への道」第7話あらすじと見どころ、豆知識を紹介、番組公式サイトにはチョン・イルからのコメントと予告動画が公開されている。
※この記事は、2019年11月10日~2020年5月3日までNHKBSプレミアムでの放送時に紹介したものです。

●ネタバレなしの第7話のあらすじはこちら

※オリジナル版を参考にしているために、カットされたシーンやあらすじが前後する場合もあることをご理解ください。また、王族キャストは読み違いを避けるために(イ・グム、ミルプン君、ヨルリョン君)とバラつかせています。

【「ヘチ」を2倍楽しむ】では、ドラマの時代背景や見どころ、粛宗、英祖、景宗、密豊君、朴文秀ら実在の人物紹介などをまとめて紹介。ここでは第1話の前にいったい何があったのか、前史ともなる時代背景と派閥(老論、少論、南人)についても【エピソード0】として紹介している。



■第7話「扇動の技術」(見どころ・豆知識)
ヨルリョン君と粛宗(スクチョン)が亡くなった1年前、ヨニン君ことイ・グムは景宗(キョンジョン)と、老論(ノロン)派を揺るがし分裂させることを約束したのだった。役人の登用試験、科挙の不正を暴くことで約束を果たしたイ・グム。老論派たちが取り調べを受けることになって焦るミン・ジノンに向かい、イ・グムは自分も力をつけることにしたのだと言い放つ。
今度は王となった景宗が動く番だ。まずは、パク・ムンスの赦免から。

一方、王への直訴をしたことで30叩きの刑執行中のパク・ムンスを、イ・グムが助ける。イ・グムが裏切り者ではなかったと知ったパク・ムンスは再会を喜ぶ。科挙に関しては不正だけでなく賄賂も老論の資金となっていた。最も公正であるべき科挙を老論が台無しにしたのだ。科挙の実態こそが腐敗した朝鮮の実態そのものだった。そして不正を暴くきっかけが自分の力になろうとしたことだったと知り、ムンスは感激しきり。グムはそんなムンスたちに1年前のことを改めて謝罪する。
尻叩きの刑。10発叩かれた後のグムの登場に、憎まれ口を叩くムンス。感動的なジョークの後、ヨジの態度は?誤解が解けたところで、グムから驚くべき科挙の不正の手口が語られる。この科挙に使う用紙でひと儲けしようとするのは「オクニョ 運命の女(ひと)」27話でも描かれる。

ウィ・ビョンジュはユン監察に脅しをかけて捜査の邪魔をしようとするが、ユン監察は意に介さない。すべてがイ・グムの計画と知ったミン・ジノンは、不正の調査を中止するよう王、景宗に迫る。翻意しない景宗に、生母の処刑はイ・グムの生母のせいだ、と景宗の心を揺さぶる。ユニョンは王妃に、政局が揺れている今こそミルプン君を後継ぎにすべきと説得するが、2人の会話を大妃が耳にする。
ミン・ジノンからイ・グムが王になろうとしていると聞いたタルムンは、どうするのか?これまで弱腰だった景宗が初めてミン・ジノンの言葉に反論する。ここでミン・ジノンは景宗の母(張氏)とイ・グムの母(崔氏)の確執を持ち出す。2人は同じ側室最高位の嬪だったが、仁顕王后が逝去すると、それが張氏の呪詛のせいだと崔氏が粛宗に告げ、その結果張氏は賜死(死刑)となったのだ。この2人はドラマ「トンイ」「チャン・オクチョン」のヒロインとなった張禧嬪(チャンヒビン/チャン・オクチョン)であり崔淑嬪(チェスクピン/トンイ)だ。

景宗のお墨付きをもらった司憲府による老論へ捜査の手は緩むことなく、重臣たちは老論を狙った弾圧だと激昂する。ミン・ジノンは司諫院に王へ意見するように仕向け、民心が科挙不正について無関心になるよう手を回す。今回もタルムンが関わったと察するイ・グムは、タルムンに会って、「ミン・ジノンに協力することが、最終的に民を苦しめることになるかもしれない。自分の味方になれとは言わないが、民の味方になってくれ」と頼む。「王にはなれない。たとえなれたとしても何もできない」というタルムンに、イ・グムは「誰もができないという、朝鮮で最も王らしい王に、俺がなる」と言葉を返す。
司諫院とは、王に諫言し政治の非を論じ攻撃することを職務とする。詳しくは「逆賊」13話「豆知識:台諫」で。本音を交わしてきたイ・グムとタルムンが今回初めて一対一で向き合う。

司諫院に民心まで操る老論に、今回もうやむやにされるかもしれないと憤るパク・ムンスにチャンダル、アボン。その時ヨジが自分たち以外にも、漢陽だけでも10万人が超えるだろう科挙の不正に怒る少論や南人、または冷遇されている老論のソンビたちを味方につけることを思いつく。これに感心するイ・グムだが、二度とみんなを危険な目に遭わせたくないと解散宣言。だが、チャドンからグムの計画を聞いていたヨジたちは最後まで一緒に進むという。
あくまでも一人で進むというイ・グムに、1年前のすごろく(3話を思い出させるパク・ムンス。ここでイ・グム、パク・ムンス、ヨジ、チャンダル、アボン、そしてチャドンがすごろくの夢である“本物の朝鮮の王への道”を歩き出す!この後、イ・グム宅での妻ソ氏とチョホンとの会話から、遊び人を気取っていたイ・グムの真の姿が分かるのでお聴き逃しなく。

両班に扮したヨジ、チャンダル、アボンが巷のソンビたちの怒りを扇動することに。首尾よくことが進み、ついには成均館の儒生たちまで怒りの声を上げる。さらに父親たちまでが立ち上がり、司憲府に公正な調べを要求する嘆願書が届く。この状況下でも自分の身内だけを守ろうとする老論の重臣に、ミン・ジノンはあきれ果てる。ミン・ジノンはイ・グムを見くびっていたことを痛感する。それでも王位にはつけないと言い捨てるミン・ジノンに、イ・グムは「私は王になる」と余裕の笑顔を見せる。
イ・グムは無事にヨジ達を両班風に仕込むことができるのか?“泮村(パンチョン)”とは、成均館の隣り合わせにある村(詳細は朝鮮王朝豆知識「◆泮村」で)。“捲堂(コンダン)”とは儒生たちによる示威行動。どちらも「トキメキ♡成均館スキャンダル」「根の深い木」などで描かれた行動や場所。

先代王・粛宗の言葉を思い出したイ・イギョムは、イ・グムを推挙して巻き返しを狙おうと、老論の長とは名ばかりとなったキム・チャンジュンに持ち掛ける。その頃、イ・グムへの怒りを押さえられないミルプン君はウィ・ビョンジュから奪った罪人を殺害する。
ミルプン君の狂気がまた蠢き出した。

ヨジ達は、その夜も儒生たちを扇動するために泮村で酒を飲むが…。
ヨジの着替えの場面で、イ・グムが目のやり場に困るドキドキシーンがある。その時のヨジの男前な対応、その後のカッ(両班の笠)を使った胸キュンシーンをお見逃しなく。

イ・グムの計画が妻ソ氏に知られたことに驚くグムは、景宗に誤解されてはこれまでの信頼関係が崩れると馬を走らせるが、その前にイ・イギョムたちが景宗に謁見し、「王材を持つのはヨニン君(イ・グム)」だという粛宗の意志を伝えてしまう。これには景宗も驚愕する。
王への謁見の前にイ・イギョムたちが説得したのは大妃(仁元王后)。さあ、イギョムたちは大妃を説得できるのか?

その頃、イ・グムとAraはそれぞれ…
今回、イ・グム役チョン・イルとヨジ役Araとの史劇らしい控えめなロマンスが楽しめるが、ラストはAra最高の史劇アクションと、チョン・イルの相変わらずの華麗な殺陣が見られる。





■豆知識:ソンビ
ソンビ(선비)とは、学識が優れて礼節があって義理と原則を守って権力と富裕栄華を貪らない高潔な人柄を持った人に対する呼称。イ・ジュンギ×チャンミン(東方神起)主演の「夜を歩く士<ソンビ>」でタイトルにもなっている。

■キャスト相関図(NHK)
延礽君ことイ・グム役:チョン・イル
茶母ヨジ役:Ara(コ・アラ)
熱血漢パク・ムンス役:クォン・ユル
町のごろつきダルムン/タルムン役:パク・フン
密豊君ことイ・タン役:チョン・ムンソン
ほか

NHK「ヘチ 王座への道」番組サイト
 2021.02.14スタート 毎・日23:00-24:00 NHK総合
 2019.11.10-2020.05.03 毎・日21:00~22:00 BSプレミアム
作品公式サイト

kandoratop【作品詳細】【「ヘチ」を2倍楽しむ】