「推奴~チュノ~」の時代背景は?チャン・ヒョクのような推奴師は本当にいたのか?

2021年05月10日20時53分ドラマ

BS-TBSにて再放送開始したチャン・ヒョク主演「推奴~チュノ~」は17世紀、朝鮮王朝中期(仁祖王治世)を舞台に、身分制度に苦しむ下層階級の人々の姿を描いたドラマ!ここではサクッと当時の時代背景と、推奴師について紹介!Youtubeにて予告動画が公開されている。

「チュノ~推奴~」は、自由と正しい生活を渇望する奴婢とその奴婢を追う奴婢ハンターの話を描くアクション時代劇。



■ドラマの時代背景
「推奴」の舞台になったのは、朝鮮王朝の中期(17世紀)、16代王・仁祖の時代。清(中国)が、1636年に朝鮮に侵入した動乱(丙子の乱または丙子胡乱)から、8年後のこと。
先代の第15代王・光海君は外交手腕に秀でており、日本とも和議を結び、清とも友好関係を保っていた。だが西人派は、明と親しくして清(後金)を認めないという思想「崇明排清」を掲げ、クーデターを起こし、擁立した綾陽君が王位に就いて、第16代王・仁祖となった。
●もっと詳しい時代背景⇒「推奴」の舞台背景を知る!①
朝鮮王朝系図
歴史年表

■奴婢と推奴師について
当時の身分制度は基本的には前王朝の高麗時代と同じで、王族に継ぐ最上位に両班、次に中人、常民、賎民と続く。手柄や懲罰によりこの入れ替えは頻繁にあった。賤民は奴婢として物と同じく売り買いの対象とされた。普段の生活は常民と同じ。奴は、男性の奴隷。婢は女性の奴隷を意味する。奴婢には国が保有する公奴婢、または官婢と個人が保有する私奴婢とがあった。朝鮮王朝の朝廷にはドラマに登場するように、逃げた奴隷を捕まえて元の持ち主に返す「奴婢推刷法」があり、「推刷都監」という部署があった。各道に「推刷御史」という役人がいてこの役目を担っていた。ただし、ドラマのテギル(チャン・ヒョク)のような、まるで西部劇の賞金稼ぎのような形だったかは定かではない。韓国にはとても詳細な朝鮮王朝の歴史記録書が現存している。「承政院日記」や「朝鮮王朝実録」は世界最大級の年代記録物として「ユネスコ指定世界記録遺産」に登録されている(【朝鮮王朝豆知識】「◆歴史記録書」)。しかし、残されているものはほとんどが王の行動に関わることだった。庶民の言動などは軽んじられ記録にとどめるようなことはされていない。
それでも、奴婢推刷法があり担当する部署も役人もいたのだから、推奴師が実在し活躍したのは間違いない。ちなみに、第22代の正祖王は、「奴婢を品物と同じように売り買いの対象にするのは許しがたい」として、奴婢推刷法を廃止し、国が管理する奴婢をなくした。
●もっと詳しい身分制度について⇒「推奴」の舞台背景を知る!②

■キャスト
イ・テギル役:チャン・ヒョク
キム・へウォン役:イ・ダヘ
チェ将軍役:ハン・ジョンス
ワン・ソン役:キム・ジソク
ファン・チョルン役:イ・ジョンヒョク
オッポク役:コン・ヒョンジン
チョン・ジホ役:ソン・ドンイル

BS-TBS「推奴~チュノ~」番組公式サイト
 2021.05.10スタート 月-金 07:00-07:54 再放送
 2020.10.08-11.17 月-金13:00-13:55
Youtube予告動画

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