ときめく時代劇「王女ピョンガン」「恋慕」の魅力徹底比較!共通点はヒロイン主導の韓国フュージョン史劇
キム・ソヒョン×ナ・イヌ主演「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」とパク・ウンビン×ロウン/SF9主演「恋慕」は、それぞれ現在NHKBSプレミアムにて日本初放送中、Netflixで独占配信中とあって日本でも人気の韓国時代劇!今回はそんな2作品の魅力を徹底比較しよう!予告動画はYouTubeにて視聴できる。
c2021 Victory Contents Co., Ltd. All rights reserved「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」(以下、「王女ピョンガン」)は三国時代の高句麗(コグリョ)を舞台に、記憶を失くして刺客として育ったヒロインが、記憶を取り戻して王女として国を守るため、純朴な青年と共に戦う愛と絆の物語。
※時代背景やドラマの見どころ・キャストの魅力、ネタバレあらすじは【「王女ピョンガン」を2倍楽しむ】でまとめて紹介。
Netflixシリーズ『恋慕』独占配信中!一方、「恋慕」は朝鮮王朝を時代背景に、双子に産まれ、女児というだけで殺されそうになった子が兄の死により、男装して世子(王の世継ぎ)となって、自分の正体、そして秘めた恋心を誰にも明かせないまま、王道へと進む物語。
※時代背景や見どころ・キャストの魅力、ネタバレあらすじは【「恋慕」を2倍楽しむ】でまとめて紹介。
まずはそんな2作品の共通点を見てみよう。
■女性主導の時代劇
「王女ピョンガン」は6世紀、「恋慕」は15世紀と背景になっている時代は大きく差があるが、どちらも波乱の人生を強い信念を持って歩く女性と、そんな女性を献身的に支える優しい男性との物語。かつての韓国時代劇といえば、男性主人公を支えるヒロインというイメージが強かったが、この2作品は間違いなく逞しいヒロインが主導権を握っている。
■原作ありきのフュージョン時代劇
「王女ピョンガン」は韓国人なら誰もが知る昔話『ピョンガン王女とバカのオン・ダル』、「恋慕」は同名の人気WEB漫画だが、どちらも原作のテーマを借りただけで大胆なアレンジを加えた新たなフュージョン時代劇だ。
※原作紹介
⇒タイトルの意味と題材になった『ピョンガン王女とバカのオン・ダル』
⇒原作WEB漫画『恋慕』はヒロインが男装で、男性主人公が女装?
■ピンチをプラスに変えた
「王女ピョンガン」は6話まで放送したところで突然の男性主人公の交代という異例の事態に見舞われたが、1話も休止することなくストーリーのリズムを保ち、全20話という超大作を完成させた(NHKでは全話新キャストで放送)。一方、「恋慕」は“男装ドラマ不敗説”が叫ばれ放送前から大きな注目を集めたが、韓国では放送当時、実力派ヒロインと男性主人公の演技力の差などが取りざたされ視聴率も伸び悩んだが、そんな逆風をはねのけNetflixを通して世界中に韓国時代劇の面白さを証明した。
■3つの同じ賞を分け合ったウェルメイド作品
昨年末の2021KBS演技大賞では「王女ピョンガン」「恋慕」がそれぞれ女性最優秀賞(キム・ソヒョン、パク・ウンビン)、新人男優賞(ナ・イヌ、ロウン)、ベストカップル賞(キム・ソヒョン&ナ・イヌ、パク・ウンビン&ロウン)と同じ賞をトリプル受賞し、いかに視聴者に愛された作品であったかを実証した。
では、ここからはこの2作の魅力を、3つの観点から徹底比較してみよう。
①骨太ストーリーVS眼福映像
両作とも同じく恋愛度数の高い時代劇だが、全く違うテイストで視聴者へのアプローチに成功した。
©2021 Victory Contents Co., Ltd. All rights reserved昔話をモチーフにした「王女ピョンガン」は、韓国最古の歴史書『三国史記』でも確認できる実在の王や事象などを大胆なフィクションを絡めて描いた骨太の時代劇に仕上がっている。大河のKBSが「剣と花」以来、8年ぶりに高句麗を舞台とした力作だけに、三国時代らしく戦いも多く、規模も大きい。終盤の大規模な戦争はアクション好きも納得できるはず。一方で、ラブ史劇らしくロマンスもてんこ盛り。主人公カップルのロマンスは序盤はユーモアたっぷりに描かれており、物語が進むと、国を守るために剣を握らなければならない王女と、殺生を何より嫌う青年が愛する王女のために鮮血の道を選ぶしかない切ないロマンスに展開していく。また仲間との友情や計算ずくで始まる二番手カップルの悲恋などが多くの視聴者の心を動かした。
Netflixシリーズ『恋慕』独占配信中!一方で「恋慕」は、「王女として生まれるも、男装して王位に就く」と「歴史から抹消された王」という基本テーマはWEB漫画と同じだが、原作で使った実在の人物名などは全て仮名に変え、ロマンスの相手も別人物で描かれ、朝鮮王朝の時代を借りながらも架空の物語となっている。それでも宮廷時代劇だけに、お決まりの熾烈な後継者争いや、裏の裏をかく心理戦などにハラハラさせられるが、何より男装がバレないかのドキドキ感や、恋する相手が男だと信じる男性主人公の悩める心情が毎話視聴者の関心を集めた。冒頭は目を覆いたくなるような大虐殺のシーンから始まるが、ほとんどは美しい景色や見惚れるほどの綺麗な宮庭を背景にしており、室内の調度品や衣装も美しい。主人公のロウン以外にも、ナム・ユンスやチェ・ビョンチャンら花美男なイケメン俳優たちが多数出演しており、思いっきり眼福にあずかれる作品だ。
②初アクション!キム・ソヒョンVS初男装!パク・ウンビン
揃って女性最優秀賞を受賞した女優2人の卓越した演技力が作品の人気を牽引した。
c2021 Victory Contents Co., Ltd. All rights reserved「王女ピョンガン」で主演を務めたキム・ソヒョンは9歳の時「伝説の故郷」にてデビューし、「太陽を抱く月」で子役ながら悪役を好演した、実力派女優だ。「仮面の王 イ・ソン」や「ノクドゥ伝~花に降る月明り~」、「恋するアプリ Love Alarm 」シリーズなど、時代劇から現代ドラマまで演技幅の広い若手実力派女優に成長した。初の本格アクションに挑戦した本作では、戦う王女ピョンガン、刺客のヨム・ガジン、命懸けで国と子を守るヨン王妃と、一作の中で3つのキャラクターを演じ分けた。ヨン王妃では初の母親役にも挑戦した彼女は、母性愛、国を守る責務、憎しみ、恋心等これ以上ないほどの様々な感情を演じ分け、その優れた演技に視聴者から「キム・ソヒョンでないピョンガンはありえない」「涙の演技に心打たれた」など、称賛の声が相次いだ。
Netflixシリーズ『恋慕』独占配信中!一方、「恋慕」にて主演を務めたパク・ウンビンも子役出身である。6歳の時にドラマ「白夜3.98」にてデビューし、その後も「太王四神記」や「千秋太后」「階伯(ケベク)」で子役を務めたのをはじめ、若手女優としても「善徳女王」「ホジュン~伝説の心医~」など時代劇の経験は豊富。近年「ストーブリーグ」「ブラームスは好きですか?(原題:ブラームスが好きですか)」などでヒット作にも主演している。“初男装”であり、乗馬や高度な剣槍アクション、中性的な魅力が必要とされるキャラクター設定に、放送前のインタビューで「鍛錬の時間が必要だった」と役作りへの苦労を吐露しつつも「二度とない、特別な作品になるだろう」と語り、その言葉通り完璧な男装や世子としての責務、揺れ動く恋心を体現。「男女の演じ分けが素晴らしかった」「感情移入して涙が出た」など、役と一心同体となった姿に視聴者から好評を受けた。
③ピンチを救ったナ・イヌVS新史劇スタイルを作ったロウン(SF9)
“ヒロイン主導の時代劇”と紹介はしたが、両作品のヒットは新人男優賞を受賞した、主演俳優2人の熱演によるところも大きい。
c2021 Victory Contents Co., Ltd. All rights reserved「王女ピョンガン」にてオンダル役を演じたナ・イヌはJYPの練習生を経てアイドル事務所CUBEの第1号俳優としてデビュー。「哲仁王后」への出演でその名が知られたが、2015年にナ・ジョンチャン名義で「輝くか、狂うか」の護衛武士役で出演していたのは意外と知られていない。他の映画撮影中にすでに放送中の本作の代役オファーを受け、本人も異例の事態に「賭けに出た」と出演のきっかけを語っている。準備期間がほぼなかったにも関わらず、一途にビョンガンを見つめる情熱に満ち溢れた青年オンダルを、持ち前の明るさやビジュアル、抜群の演技力で演じ、作品のピンチを救った。視聴者からもコディバ(高句麗のすごい馬鹿)、ジュンバ(準備できた馬鹿)など、愛情のこもったニックネームが付けられるほど高い評価を得た。1日1時間睡眠、台本は覚える間もなく80%アドリブで演じたというナ・イヌ。今では彼以外のオンダルは想像もつかないほど役を自分のものとし、高いシンクロ率で視聴者へ感動を与えたことで新人男優賞を受賞。相手役キム・ソヒョンとも「ソヒョンさんのおかげでハードスケジュールを耐え抜くことができた」と語り、最高の相性で演じた真実の愛が多くの人の心を動かし、カップル賞を受賞した。
Netflixシリーズ『恋慕』独占配信中!一方、「恋慕」にて宮廷司書チョン・ジウンを演じたロウンは今人気絶頂のアイドルグループSF9のメンバーであり、二足の草鞋を履く演技ドル(=俳優活動も行うアイドル)だ。これまで「偶然見つけたハル(原題)」「先輩、その口紅塗らないで」などで、モデルをも凌ぐ190cmのナイススタイルと爽やかなマスク、巧みな演技で視聴者を魅了してきた。本作で演技ドルの登竜門と言われる史劇に初めて挑戦した。本人も制作発表会で「時代劇というジャンルに早く挑戦してみたかった」と語っていた。だが、前述のとおり、韓国で放送当初、一部のファンからは実力派女優パク・ウンビンとの演技力の差や、30センチもの身長差ありすぎで没入感が妨げられる、といった酷評もあったが、チョッピリぎこちない史劇演技や小柄なヒロインからの逆ハグされる姿や、両手いっぱいに花を抱えてちょこまか歩く彼の姿は“破壊力ハンパないかわいさ”と評判になった。もちろんかわいいだけではない。長い手足を活かした美しいアクションもたっぷり見せてくれた。ブレない自分スタイルで新たな史劇俳優のイメージを作ったロウンは、お茶の間へこれまでと違うときめきを届け新人男優賞を受賞。相手役パク・ウンビンとは互いに「最高のパートナーに出会った」と厚い信頼を寄せる関係であることを語り、相性ぴったりな2人のラブストーリーが強い余韻を与えたことでベストカップル賞も受賞した。
同じロマンス史劇でありながらも全く異なる魅力の多い両作品。今度はあなた自身でそれぞれの魅力を見つけてみては?「王女ピョンガン」は、毎週日曜日夜9時からNHKBSプレミアムにて放送中で、「恋慕」は全話Netflixで大好評独占配信中だ。両作品のもっと詳しい紹介や、見どころ、ネタバレあらすじは、以下、それぞれの【2倍楽しむ】で確認できる。
◇「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」予告編
◇「恋慕」予告編
【作品詳細】【「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」を2倍楽しむ】
【作品詳細】【「恋慕」を2倍楽しむ】
【Netflixオリジナル韓国ドラマ一覧】