NHK「七日の王妃」第3話あらすじと見どころ:愛の誓いと友情のために王の逆鱗に触れるヨク
パク・ミニョン×ヨン・ウジン×イ・ドンゴンの切ないラブ史劇「七日の王妃」(全20話)NHKBSプレミアムにて4月24日(日曜午後9時から)放送予定の第3話のネタバレ(あり/なし)あらすじと見どころ、豆知識を紹介、番組公式サイトに予告動画とヨン・ウジンのコメント動画が公開している。
[ステレオ2か国語(主:日本語吹き替え/副:韓国語)| 字幕放送有り]
「七日の王妃」は、2人の王に愛されながら、わずか七日でその座を追われた王妃の愛と涙の物語。【「七日の王妃」を2倍楽しむ】には、時代背景や実在の人物紹介、ドラマの見どころ、インタビューなどをまとめて紹介しているので視聴の参考にどうぞ。
■キャスト
チェギョン役:パク・ミニョン/声:ブリドカット セーラ 恵美
子役:パク・シウン
イ・ヨク/普城大君(チンソンテグン)役:ヨン・ウジン/声:西健亮
子役:ペク・スンファン
イ・ユン/燕山君(ヨンサングン)役:イ・ドンゴン/声:高橋英則
子役:アン・ドンギュ
ソノ役:チャンソン[2PM]/声:岩中睦樹
子役:チェ・ミニョン
他
■第3話「愛の誓い」
王ユンは、弟ヨクに王座を譲れと言っていた先王が密旨として残した遺言状を捜していた。チェギョンとヨクは友情を誓ったソノの家を訪ねるが、ソノの父親は2人を追い返す。密旨のことを知っていて、身の危険を感じたのだ。チェギョンとヨクは、密旨を探す重臣イム・サホンの手下に追われる。婚姻を断るつもりだったヨクだったが、明るく勇敢なチェギョンにしだいにひかれていく。そんななか、ソノの父親が捕らえられてしまう。
※以下、ネタバレ
燕山君(ヨンサングン)こと王イ・ユンは複雑な手順を飛ばして自ら祈雨祭に出向いて龍神に雨乞いする。参列したシン・スグンは、王が直々に雨乞いするのは民を思っての深い意志からととらえるが、パク・ウンジョンは、天災地変まで思い通りにせねば気が済まない王の潔癖で強迫観念の表れだと手厳しい。龍神に祈る王は、天帝や龍王だの神などと付き合いも頼ったこともないが、雨を乞う心と祈りは真実だ、と天を仰いで亡き父王成宗(ソンジョ)に告げる。
※祈雨祭(キウチェ):干ばつで雨を降るのを龍神に祈る国家的祭祀で、12段階の厳格かつ複雑な手順に則って各名山、大河、宗廟社稷、龍神に祈る。かつて“王様=太陽”と考えられており干ばつが続くのは王や朝廷の不徳のためと考えられていた。 ※宗廟社稷 (チョンミョサジク):宗廟は、歴代王と王妃、のちに称号を贈られた王と王妃、功臣の位牌を祀った祀堂。社稷は土地の神と五穀の神(社)を祭った神(稷)の総称。つまり朝廷または国家全部を指す。
同じころ東籍田では、普城大君(チンソンテグン)ことイ・ヨクとチェギョンは友達になったソノの家で雨乞いごっこで遊んでいた。ソノが宮中の儀式を知っていたことに驚くヨク。そこにソノの父マッケが祖母を連れて帰宅。マッケは血相を変えてヨクたちに帰るよう促す。実はマッケこそが先代王・成宗の密旨の存在を知る元史官だった。
帰り道、ヨクとチェギョンはイム・サホンの部下に追われる。なぜ逃げるのかと問うチェギョンに、正体は分からないが大君とは理由がなくても狙われたりするものだと生まれたときから言われた、とヨク。ヨクが見て見ぬふりするのはそうした定めのためだと知ったチェギョンは、そっとヨクの手を握って労わる。ヨクも追手の足音におびえるチェギョンの耳を両手を塞いでやる。その時、雨が降り出し追手が立ち去り、2人は助かる。
※大君(テグン):王位継承権のある王子。
雨が降り出したことで王ユンは、我こそが名実共に朝鮮の王であると天の先代王に宣言。一方、ヨクの婚礼※の件で、シン・スグンから色よい返事がもらえない大妃は、チェギョンの叔母に当たる王妃の元へ出向き、力を貸してほしいと頼む。
※嘉礼(カレ):婚礼などめでたい儀式のこと。王族の結婚は国婚と呼び、格式の高い順に次の4種類がある。これについては“納采(ナプチェ)”なども一緒に「カンテク」王の婚礼儀式まとめで詳しく解説している。
王ユンはシン・スグンを呼び、ヨクの婚礼相手にシン・スグンの娘を選んだのは、ヨクが弟である前に嫡流王子で政敵となる可能性のあるために、側近であるシン・スグンの傍に置いて警戒するためだと説明する。そのころ、部下から東籍田の元史官の家にヨク(普城大君)がいたと報告を受けたイム・サホンは、シン・スグンに代わって王に謁見しこれを報告。さらに密旨のことを大妃も知っているようだと王の不安を煽り、王は元史官を捕らえて審問するよう命じる。
道流イム・サホンの都承旨シン・スグンへの敵対心は先代王のころから始まっていた。イム・サホンは王の側で仕えたがそれはヨクの遊び相手。ところがシン・スグンは王の側近として別格の扱い。サホンは王ユンを利用して先代王が溺愛したヨクを殺して王と自分とで朝鮮を牛耳ろうと考えたのだった。
※道流(トリュ):とは道教に関する業務を行う官吏。平たく言えば占いをする役職。「オクニョ」25話で詳しく解説。 ※道教(ドキョ):とは儒教や仏教、民間信仰などの要素などを取り交ぜた宗教。
雨宿りするヨクとチェギョン。ヨクはチェギョンとの結婚を拒否した理由を、兄である王の最側近の娘と結婚することは兄を疑い兄を恐れているようで自尊心が傷つくから嫌だったと打ち明ける。だがチェギョンは自分たちが結婚すればもっと絆が強まる、とどこまでも前向き。そして追っ手から逃げられたのは天の助け、大人が勝手に作った世界を怖がらないで、大君が悪いわけではないから、とヨクを励ます。そんな明るく勇敢なチェギョンをどんどん好きになるヨクは「一生友達みたいに仲良く過ごそう。でも政略結婚じゃないぞ、お前が好きだから結婚するんだ」と男らしく求婚する。チェギョンも指輪を渡して愛を誓う。
その頃、父マッケがヨクたちを追い返したことで不機嫌なソノ。マッケは釣り合わない友を作ると代償を払うことになると教える。そこにイム・サンホの部下がやってきてマッケを義禁府に連行する。ソノはヨクの元に駆けつけ、父を助けて欲しいと懇願する。ヨクは、軽率に動くと危険なのでソノとソノの祖母の面倒を見るようチェギョンに頼み、ヨクはマッケを助けるために動き出す。
ソノの父マッケを拷問にかけ密旨のこと、ヨクが家を訪れた理由を問い質す王。マッケはヨクを庇うつもりが「大君は何も知りません」と口を滑らしてしまい、自ら密旨に関与していることを認めてしまう。王は、川で知り合った少年(チェギョン)の家族を想う言葉に一時はヨクへの怒りを堪えようとしたが、マッケに近づいたヨクを許すことはできない。
※史草(サチョ):史書の基になる書類。
一方、屋敷に戻ったチェギョンは手紙を渡そうと父の部屋に入ると、叔母・王妃もいた。チェギョンを退室させて確認した手紙には「“チェギョンが王室の者と縁を結ぶと朝廷と王室に血の嵐を招くという予言”を忘れないでください」と認めてあった。シン・スグンは妹である王妃に、何としてもチェギョンとヨクとの婚礼を止めてくださいとお願いする。
翌朝、義禁府に出向いたヨクはイム・サホンから、王室が管理する東籍田の進上米を盗み着服した罪でマッケを捕らえ、ヨクがかっばったために王を欺いた罪まで加わり反逆罪と同等の重罪を科せられたと説明。彼らが耕したたった1斗の米のことで処罰までするのかと食い下がるヨクに、打ち首だと教える。
納得できないヨクは王の元へ駆けつけ、臣下たちのいる前でマッケに死に値するほどの罪はないと直訴。王を欺くより重い罪があるかと、王に言われたヨクは、人の命の大切さを説く。すると、余が無罪の者を捕らえて罪状を捏造したというのか、それとも王命に逆らい朝廷に干渉するのかと、激怒する王。それを否定しながらも、罪に比べて過度な判決に異議を唱えているだけで、正当な判決を受ける機会をくださいと、懇願するヨク。ヨクの訴えをあしらう王は、余の決定がお前の判断より下なのか、と告げて、「今、お前に必要なのは裁判ではなく、余の許しと理解、寛容だ。余に服従する態度を身に着けてもう一度来い」とヨクに耳打ちして背を向ける。なおも縋ろうとするヨクの爪が王の顔に傷をつけてしまう。
王や重臣たちが立ち去った後、ヨクは足元に落ちていた信牌を拾う。だがそれは王の側室チャン・ノクスがヨクを罠にハメるために仕組んだ罠だった。母・大妃に呼びつけられ叱責されたヨクは同席したパク・ウォンジョンに、その場にいた臣下たちの反応を訊ねる。今やだれも王に反論できない中、それをやってのけた大君は新鮮だったというウォンジョンだが、だからといって王に楯突くものはいないと言葉を続ける。
※宣傳(宣伝):ヨクが手にした信牌は、王の警護と命令を伝える王直属の側近・宣伝官に与えられた、王命を証明する万能札だ。
その頃ソノの様子を見に行ったチェギョンは祖母の死に悲しむソノをみて、全て自分のせいだと後悔し、何とかソノの父マッケを助けようと駆けだす。そんなチェギョンと出くわし事情を聞いたヨクは、マッケに打ち首刑が下ったと教える。冷静さを欠いた2人は喧嘩になり、ヨクはチェギョンに何もするなと告げて強硬手段に出る覚悟を決める。信牌を使って義禁府に入り、王の恩赦があったと嘘をついてマッケを釈放させたのだ。ヨクの行動を察したチェギョンはソノと荷車を用意して待機していた。3人でマッケを荷車に載せて山道を逃げる。途中でマッケを2人に任せたヨクは、一人で荷車を崖に落として時間稼ぎをする。
チェギョンはマッケを結核患者と偽りソノともども逃がしてやる。ソノはヨクとチェギョンに感謝して都を離れる。その頃、ヨクはサホンの手下に捕まる。悪夢に眠れぬ王はサホンからヨクを捕らえたと聞き、怒りに震えてヨクに刀を突き付ける。何のためにこんなことをしたのかと問い詰める王にヨクは「王座のためです」と答え…。
■見どころ
Licensed by KBS Media Ltd. ⓒ 2017 KBS. All rights reservedソノの家からの帰り道。ヨクがチェギョン求婚する場面ではパステルカラーの2人の韓服姿と菜の花畑のコントラストが実に美しい。怯えるチェギョンの耳を両手で塞いでやったり、ケガをしたチェギョンを負ぶってやったり、子役俳優ペク・スンファンのイケメン仕草を覚えておこう。
このシーンが幸せであればあるほど、この先の2人の切ないロマンスを想うと胸が痛む。
ところで服の布地からデザインまで尚衣院に指定する王。今話ではお洒落の域を超えているシーンも見られる(尚衣院(サンイウォン)とは、王室の衣服の提供や王室の財貨などを管理する官庁)。また、ヨクへのいら立ちを武芸の練習で紛らわす王。初めての時代劇でもなかなかの殺陣だ。またヨクが王の頬に爪のきっかき傷をつけてしまうシーンがあるが、これはフィクション。燕山君の生母・斉献王后尹氏が廃位された直接の原因となった事件と同じアクシデントと盛ってくるとはうまい演出だ。詳しくは■燕山君は名君・成宗の息子で解説している。
ところで、序盤ソノの家。ヨクたちの会話の中で「山椒魚が小川にすむ龍(竜)」というセリフがあるが、韓国には「개천에서 용 난다(小川から生まれた龍)」という、「トンビが鷹を生む」と同義語がある。これは「貧しく地位の低い家柄から立派な人物が出ることを意味する」ことわざがある。このことわざをタイトルにしたドラマがある。クォン・サンウの「熱血弁護士 パク・テヨン~飛べ、小川の竜~」だ。
◇NHK「七日の王妃」番組公式サイト
2022年4月10日スタート 日21:00~22:00
【作品詳細】【「七日の王妃」を2倍楽しむ】