プライムビデオ最新作「誘拐の日」が面白いワケ。『犯罪都市』ユン・ゲサン×天才子役ユナ奇妙なほのぼの・爆笑ケミ
Amazon Prime Video最新作のヒューマン・ミステリー「誘拐の日」が配信スタートし、「面白い」と話題になっている。
●【「Prime Video」で独占配信の韓国ドラマ】
作家チョン・ヘヨンの同名の小説を原作に、『犯罪都市』のユン・ゲサン(44)と天才子役ユナ(12)の奇妙なロードムービーとここからくるコミックとヒューマンが絶妙な配分で、韓国でも13日に放送開始早々、賛辞の声が上がっている。
■ユン・ゲサン×ユナほのぼの爆笑作「誘拐の日」見どころ紹介!面白さのワケとは?
「誘拐の日」は、日本語訳もされている作家チョン・ヘヨンの同名の小説を原作にしている。無一文でちょっぴり間の抜けたお人好しだが子供のため誘拐まで決心する父、そして拉致後、記憶を失った少女ロヒとの物語を描く。
見どころは、頼りない誘拐犯と誘拐された天才少女との関係性。『犯罪都市』で最凶の犯罪集団のボスを演じたユン・ゲサンと500倍の競争を勝ち抜いた天才子役ユナとが、一見物騒な「誘拐」という言葉に似合わない、奇妙でほんわかするケミストリー(共演者との相性)にくすっと笑ってしまう。
記憶を失ったロヒに“孫の手”で殴られたり、食事の作り直しを命じられたり、「お前」呼ばわりされたりと、あのユン・ゲサンが初回からコテンパンにやられる。
一方、ユナが演じるロヒは何か国語も自在に話せる天才少女で、記憶がない間はオンボロ家に安物の服、賞味期限切れの食材と気に入らないことばかり。だがやがてミョンジュンの優しさに心を開き始める。
身代金の連絡がつかないことで、様子を見に行ったミョンジュンはロヒの両親が殺害されたことを知るのだが、彼が犯人として指名手配されてしまう。記憶の一部が戻ったロヒは、真犯人を捜し出すためにミョンジュンを引き連れロードムービーを始める。主導権はなおもロヒが握っており、天才的な頭脳をフル稼働し警察の捜査網をかいくぐっていく。
個性的な共演者も本作の見どころ。病気の娘を夫に押し付け有り金もって家を飛び出し、挙句の果てには治療費のために誘拐しろと夫を唆す悪妻ヘウンを「地獄が呼んでいる」「財閥家の末息子」のキム・シンロクがふてぶてしく演じる。
ほかにも、ミョンジュンを殺人犯として追う刑事サンユンをパク・ソンフンが担う。「サイコパス・ダイアリー」や「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」シリーズでの怪演が記憶に強く残っており、刑事だがついつい疑ってしまう。
原作でのミョンジュンとロヒのケミはとても面白く、序盤は誘拐といえどもほのぼのタッチで中盤から本格的にケイパー(犯罪)ストーリーが展開する。だが全12話のドラマでは序盤からハラハラドキドキの展開が始まり、コミック、ヒューマン、ミステリー、サスペンスが絶妙に絡み合い早々にハマってしまう。
それもそのはず。本作の演出を担当したのは「模範家族」「恋するアプリ Love Alarm」シーズン2、「キングダム」などに参加したパク・ユヨン監督、脚本は『ミス・ワイフ』『消された女』『チーズ・イン・ザ・トラップ』などを手掛けたキム・ジェヨンが執筆を務めた。
『誘拐の日』 (ハーパーBOOKS)書影より原作ファンからは、「ラストはパズルのピースが嵌まっていくかのように、するすると謎が解けていくのが気持ち良く、最近読んだミステリの中では最も満足度が高い」や「複雑に絡み合った糸が作者の手によって巧みに解かれて行くストーリー展開」など最後の最後まで楽しんだ様子。
3話からはいよいよ、ロヒの記憶の一部が戻り、マヌケな誘拐犯だと思っていたミョンジュンの隠された過去も明かになる。
Prime Videoでは23日現在、4話まで配信されており、毎週水・木曜日に追加配信される。
■「誘拐の日(原題:유괴의 날)」あらすじ
キム・ミョンジュンは、娘の手術費用のためやむなく11歳の少女の誘拐を決意する。ところが目的の豪邸から飛び出してきた少女ロヒをうっかり車ではね、その衝撃でロヒは記憶を失ってしまう。ミョンジュンはとっさに父親を名乗るものの、天才児と評判のロヒに口で敵わずこき使われる。
そんななかロヒの家から両親の死体が発見され、ミョンジュンは殺人の容疑者に――。
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