「薯童謠 ソドンヨ」(全74話)第1-4話:過ちから生まれた人生~再びの約束(ネタバレ)

02月12日10時00分ドラマ
©SBS

BS日テレでは明日2024年10月18日から、韓国時代劇の巨匠イ・ビョンフン監督作品の「薯童謠-ソドンヨ-」を再放送する。主人公のチャンの前史から始まる第1話~第4話までのネタバレあらすじを紹介する。YouTubeにて第1話の無料配信をしている。



「薯童謠-ソドンヨ-(以下、薯童謠)」は、古くから伝わる説話をモチーフに、百済の王子・武王(チョ・ヒョンジェ扮)の波乱の人生と、敵国である新羅の姫・善花公主(イ・ボヨン扮)との運命の恋描いた歴史ロマン大作。【「薯童謠」を2倍楽しむ】では時代背景やキャスト・実在人物の紹介、各話のあらすじと見どころをまとめている。

本作は2005年当時、初の百済を舞台にした時代劇。その多くが朝鮮時代を舞台としているだけに聞きなれない用語がたくさん出てくるが、全74話の長編。押さえておくべきところは※豆知識で紹介するのでそれ以外は流してもOK。

第1話は主人公誕生の前史。少々難解だが、百済と新羅の敵対関係をするためには押さえておくべき。時代背景:初回で斬首される第26代王・聖王って?3つの見どころを一読しておくことをお勧めする。

■キャスト【相関図】
チャン/ソドン(薯童)/のちの30代王・武王役:チョ・ヒョンジェ
 子役:キム・ソク
ソンファ(善花)姫/チン・ガギョン役:イ・ボヨン
 子役:チェ・ソルリ
サテッキル/キム・ドハム役:リュ・ジン
モンナス博士役:イ・チャンフン
ヨンガモ役:イ・イルファ
百済27代王・威徳王役:チョン・ウク
プヨソン/のちの百済29代王・法王役:キム・ヨンホ
ウヨン姫役:ホ・ヨンラン
新羅26代王・真平王役:チェ・ドンジュン
新羅の貴族キム・サフム役:ナ・ソンギュン
 ほか



■第1話「過ちから生まれた人生」
西暦554年、百済第26代・聖王(聖明王、アン・ソックン)は、新羅の地で賤民に斬首されたうえ、道の真ん中に首を埋められ、新羅の民がその上を歩くという恥辱の死を迎えた(※)。それから26年後、新羅が兵力を増強する一方で、百済は第27代威徳王のもと国の弱体化が止まらなかった。そんな中、威徳王の甥プヨソン(キム・ヨンホ)は虎視眈々と狙っていた先代王の首を取り戻す。

※冒頭の聖王とその死については初回で斬首される第26代王・聖王って?で詳しく解説。併せて【百済王朝系図】も参考に。

太学舎(※)の研究員モンナス(イ・チャンフン)と宮殿の踊り子ヨンガモ(イ・イルファ)は深く愛し合い、モンナスが博士になった暁には結婚しようと約束していた。ある夜、モンナスは何かに導かれるように丘の上の土を掘る。中から出てきたのは古い香炉。その石箱の蓋には「恥辱の王は悲しみを生み、悲しみは過ちを生む。しかし過ちから生まれた者は自ら香を焚き、香を焚いた者は王になる。王は再び百済を起こし、大きな栄光を掴む」と刻まれていた。

※太学舎(テバクサ):陶器や紙、刀、絵具など百済の品をつくる。ここでは楽器や踊りの技術も教える技術集団。科学技術で国を発展させた百済には博士制度もあった。3つの見どころ①で詳しく解説。

そんな中、威徳王(チョン・ウク)は舞の練習をする踊り子ヨンガモに心を奪われ、祭儀の前日に情をかわしてしまう。翌日、先王の首を取り戻したプヨソンが意気揚々と帰還し、王は褒めたたえるが、左平ヘ・ドジュ(ハン・インス)が、王が禁忌を犯したことを問い詰める。それが事実なら王は祭儀を行うことができず、プヨソンの父で威徳王の弟プヨゲ(パク・テホ)がその務めを任されることになる。王の側近で衛士佐平(※)ワング(メン・サンフン)は臣下のヨピルギのヨンガモへの恋慕をでっちあげ、ヨンガモもこれに従うしかなかった。だがこのことでヨンガモは下働きの身分に落とされてしまう。傷心のヨンガモは研究のために遠方にいるモンナスに会いに行き、気持ちの整理をつける。3か月後、モンナスは鉄器の開発に成功し博士への昇進が決まるが…。

※佐平:百済官位16等制の一番上の一品官。衛士佐平は宿衛兵(王の禁軍、近衛兵)の担当の長。

■第2話「存在を示す唯一の証」
薯童謠©SBS威徳王の子を身ごもったヨンガモは、愛するモンナスとの結婚を諦める。偽りの伴侶ヨピルギとともに去ろうとするヨンガモに、モンナスは「私への気持ちは本心だったと言ってくれ」と告げる。ヨンガモはヨピルギと共に地方に行くと告げて出ていく。ところがワングはヨピルギにヨンガモと胎児の殺害を命じていた。モンナスが追いかけてきたおかげで一命をとりとめたヨンガモは宮殿に忍び込んで威徳王に会う。事実を知った威徳王はヨンガモに謝罪し、百済の王子のみが持てる五色夜明珠を与える。ヨンガモは姿を消し、モンナスは心の傷が癒えないままだったが、博士に任命され王への忠誠を誓う。

12年の歳月が流れ、ヨンガモは息子チャン(キム・ソク)とともに母一人子一人の生活を送っていた。父親も分からず隠れ住む生活に嫌気を差していたチャンはお金を稼いで天竺(インド)に渡ろうと、王の墓から宝石類を盗んでゴロツキに上納する。ところがゴロツキに騙され罵倒までされる。チャンの墓の盗掘や度が過ぎたいたずらで母親のヨンガモが罰を受ける。1人でチャンを立派な人間に育てるのに限界を感じたヨンガモは、太学舎に行って技術者になるようにと諭す。チャンは母も太学舎にいたと聞き、得意の技術が生かせる太学舎に行くことを決心する。ヨンガモはチャンにモンナス博士への手紙を持たせて、この方の言うことだけを聞きなさいと送り出す。この世で一番立派な人だというモンナスが自分の父親だと思い込むチャンは、モンナスが太学舎の首長と聞き喜ぶ。だがモンナスは母からの手紙を一読し、未熟者は受け入れられないとチャンを追い出す。



■第3話「命綱の手紙」
薯童謠チャンを追い返したモンナスは丘の上で見つけた香炉に火を灯そうとするが、最高の技術者であるモンナスにもできない。そんな中、倭国に渡ったまま戻らない威徳王の子である阿佐太子(アジャテジャ)の遺体も見つからないうちに、威徳王の弟プヨゲが次期王になることを懸念する声が上がる。一方、プヨソンは阿佐太子が生きている場合に備えて手を打つことを、フクチ・ピョン(イ・ヒド)指示する。

そんな中、チャンは宮殿に入るために荷馬車にもぐりこむ。だが、兵が馬車を調べようとした時、突然馬車が走りだす。兵に矢を射られて馬車が転倒し、死にゆく同乗者から阿佐太子の手紙を託されたチャンは衛士佐平ワングに連絡を取ろうとする。約束の場所に出向いたワングは、「モンナス博士からの土下座」を条件でチャンから手紙を渡すという。ともかくモンナスを連れてくることで条件が折り合い、手紙を私としたとき、矢が飛んできて、騙されたと思ったチャンはその場から逃げる。ワングからこのことを聞いたモンナスは、阿佐太子が生きていると知る。

そんな中、宮殿の井戸が土で濁り、鉄器が錆びついたりする不吉な五行の相克(※)が現れる。動揺する技術者たちをモンナスが叱咤し、急ぎ現状復帰するよう指示、原因究明に奔走する。これにチャンが関与してると気づいたモンナスはチャンに会いに行く。チャンにしてやられたモンナスは素直に謝り太子からの手紙を受け取って、チャンの望み通りにヨンガモへの手紙を書く。そしてチャンを太学舎に受け入れることに。

※五行の相克:五行とは水・火・金・木・土で、木は土に勝ち、土は水に勝ち、水は火に勝ち、火は金に勝ち、金は木に勝ち、と相手の力を減らす関係のこと。

プヨゲの任命式。七支刀は青く光りフィ式が中断となる。その時、太学舎のモンナスの部屋に入ったチャンは「自分には父親などいない」と呟き、香炉を手にする。すると香炉から煙が立ち上る。百済600年の歴史の中で儀式が中断したのは初めてのこと。プヨソンはこれが太学舎の陰謀と考える。一方部屋に戻ったモンナスは香炉に煙が立ち上っていることに驚愕する。

陰謀の罪を着せられたモンナスの危機を偶然知ったチャンは、太学舎に戻ってモンナスに知らせる。モンナスは技術者たちにこれを伝えて逃げるよう告げる。生きのびた者たちに太学舎の技術を守るために各自に指示を与え、チャンが教える洞窟で落ち合うことにする。

■第4話「再びの約束」
薯童謠©SBSプヨソン側はモンナスを手引きしたのがチャンだとして、チャンもお尋ね者になってしまう。チャンと共に逃げたモンナスは山道で足を踏み外して転落する。モンナスはチャンの隠れ家の洞窟で目覚め、ヨンガモと再会する。モンナスは当時何があったのかを問うが、ヨンガモは何も言えないと答える。

三々五々技術者たちが集まって来るが、追っ手の兵士は洞窟まで迫ってきており、追い詰められた太学舎一行は新羅へ逃亡せざるを得なくなる。モンナスはチャンを連れて新羅へ行こうとヨンガモを説得しようとする。しかし、ヨンガモはチャンに五色夜明珠を父からの贈り物だと渡して、1人で百済に残ることを選ぶ。太学舎一行とチャンを乗せた船が、ヨンガモを残して百済の地から発とうとしたその時、ヨンガモが一緒に行こうと戻ってくるが、その後ろには敵兵が迫り、ヨンガモの背を敵矢が射る。ヨンガモの名を呼ぶモンナスとチャンを押さえて船は離れていく。

新羅の山中深くに根城を構えた太学舎一行。モンナスは百済の格物士(※)としての誇りをもってこの地にもう一つの太学舎を作ることにする。母が矢に射られるのを見たチャンは、やる気を見せずにふてくされる日々を送っており、モジン(チョン・ソンギョン)はいつかことを起こすかと心配していた。予感は的中しチャンはさっそく問題行動を起こし、新羅の貴族キム・サフム(ナ・ソンギュン)に捕らわれてしまう。

※格物士:格物とは“格物致知”という中国の哲学用語からの言葉。天文学・科学・数学・工学などあらゆる分野における技術者と理解するといい。詳しくは「新羅王国」豆知識【格物】で詳しく説明している。

BS日テレ「薯童謠」番組サイト
 2024年10月18日スタート 月~金13:00-14:00
 2024年2月13日-4月4日 月~金17:00-18:58(2話連続)終了
YouTube第1話無料配信中

kandoratop【作品詳細】【「薯童謠」を2倍楽しむ】