韓国初の“尊厳死”ドラマに緊張走る イ・ボヨン“正しいとも間違いとも言えない”「メリー・キルズ・ピープル」【制作発表会動画・まとめ】

07月31日15時10分ドラマ
画像出典:YouTube|@tongtongculture『메리 킬즈 피플』제작발표회より

7月31日午前、ソウル・麻浦区のMBC社屋にて、新金土ドラマ『メリー・キルズ・ピープル』の制作発表会が開催された。会場にはパク・ジュヌ監督をはじめ、主演のイ・ボヨン、イ・ミンギ、カン・ギヨン、クォン・ヘヒョ、ユン・ガイら主要キャストが登壇し、意欲作にかける思いを語った。YouTubeにて制作発表会動画が多数公開されている。



「メリー・キルズ・ピープル」は、治療不可能な患者たちの安楽死を手助けする医師と彼らを追跡する刑事との対立を描くサスペンス。原作は2017年からカナダのGlobalテレビで放送された同名ドラマ。韓国では初めてこのテーマに真正面から挑む作品として注目されている。

画像画像出典:YouTube|@tongtongculture『메리 킬즈 피플』제작발표회より
イ・ボヨン「簡単に“正しい”とも“間違い”とも言えない」
尊厳死をサポートする救急医ウ・ソジョン役を演じるイ・ボヨンは、作品のテーマについて「尊厳死が正しいかどうかは断言できない。自分自身も明確な答えを持っているわけではないが、このようなテーマをみんなで考える機会があってもいいと思った」と率直に語った。

さらに彼女は、出演を決意するに至った背景として「ちょうどその頃、海外の高齢夫婦が共に尊厳死を選んだという記事を読んだ。それについて夫(俳優チソン)と長く語り合った記憶がある」と明かし、「自分の家族や将来について深く考えていた時期だったので、この作品には自然と惹かれた」と述べた。

イ・ミンギ「心が揺れ動く瞬間を描きたかった」
イ・ボヨン演じる医師を追うため、末期がん患者を装って接近する刑事パン・ジフン役を演じるイ・ミンギも「尊厳死をテーマにしたドキュメンタリーを見て関心を持っていた時期だった。そんなときに出演の話をもらい、運命を感じた」と語った。

「刑事でありながら、彼女の行動に共感してしまう。その葛藤が物語に深みを加えている。人として、法の執行者としての揺れを丁寧に表現したい」と意気込みを語った。

カン・ギヨン「重いテーマの中に光を」
元医師でありながら、主人公たちの支援者となるチェ・デヒョン役を演じるカン・ギヨンは、「題材の新しさに魅かれた。死を扱うからには暗くなりがちだが、私のキャラクターは明るい性格なので、作品にバランスをもたらせる存在になればと思った」とコメントした。

「はじめはシリアスに演じようと思ったが、現場ではむしろ雰囲気を和らげる役割が求められていると感じた。主演のイ・ボヨンさんや共演者たちとの相性を大切に、空気を引き上げることを意識して臨んだ」と、作品における自らの立ち位置を語った。



クォン・ヘヒョ&ユン・ガイ、共に「時代を映す物語」と評価
福祉病院の院長ヤン神父役を務めるクォン・ヘヒョは、「このテーマをドラマとして描くという挑戦に心が動いた。現代社会において意義ある試みだと思った」と語った。

また、イ・ボヨンと同じ病院で働く看護師役を演じるユン・ガイも「“尊厳死”という言葉自体がとても新鮮に感じた。先輩俳優たちと一緒に作品に取り組めることにも魅力を感じた」と話した。

パク・ジュヌ監督「死とは、家族にとっての別れの物語」
『クラッシュ』や『模範タクシー』などを手がけてきたパク・ジュヌ監督は、本作を「スリラーの形式を取りながらも、死を迎える家族たちの物語として描きたい」と説明。「この作品は“安楽死を肯定する”ことが目的ではない。登場人物たちも賛否が分かれ、ぶつかり合う。だからこそ、視聴者自身が問いを持てる作品になればいい」と語った。

また、全話を“19歳以上視聴可”とした理由についても「センシティブな題材だからこそ、深く丁寧に描く必要があった。ドラマが一つの対話の場になれば」と話し、表現に対する覚悟をのぞかせた。

画像画像出典:YouTube|@tongtongculture『메리 킬즈 피플』제작발표회より

「メリー・キルズ・ピープル」は、誰もが避けては通れない“死”というテーマに向き合いながら、今を生きる私たちに静かな問いを投げかける。放送開始は8月1日22時。議論を呼ぶことは避けられないだろうが、それこそが本作の真骨頂なのかもしれない。

YouTube|@tongtongculture『메리 킬즈 피플』制作発表会
YouTube『메리 킬즈 피플』制作発表会動画一覧

kandoratop【作品詳細】【関連・各話のあらすじ】