青い文学シリーズ全12話
12件中1~10件を表示しています。
貧しい人間からカンパを搾取するための、真似事の左翼運動に参加し、その日を暮らす大庭葉蔵。いつものように芝居をし、金をせしめる葉蔵。だが突如反社会的な運動を検挙すべく現れた、特高の小菅に追われ、逃亡するはめになる。逃げ込んだ先は、恒子という女のいるカフェだった。葉蔵は恒子に庇われ、出奔するが…。
(C)「青い文学」製作委員会
意識を失った葉蔵は、茫洋とした中、自分の過去を想い出す。気がつくと葉蔵はベッドに寝かされていた。恒子が死んだと聞かされた葉蔵は、監視付きの部屋に通されることとなる。そこで彼は「お化け」の幻を見た。お化けは人間の世界に生きてはいられないのか。自問し、その足は一度は縁を切ったはずの堀木の元に向かい…。
(C)「青い文学」製作委員会
志津子とその娘の茂子と葉蔵は同居していた。そして志津子は、葉蔵の描いた漫画を売り込みに行く。結果は頗る好評。現れた「お化け」にも耳を貸さず、穏やかな日々に、葉蔵は心持ちを豊かにする。そこに引っかかりを与えたのは、堀木の「世間」という言葉。編集長も「世間」を口にし、鎌倉心中の件に触れてくるが…。
(C)「青い文学」製作委員会
今、葉蔵は美子と居を構えている。彼は初めて自分以外のために生きようと思った。そこに久し振りに訪れる堀木は葉蔵の父の訃報を伝えに来たのだ。それを聞き、大笑する葉蔵。美子を求める彼を、見えざる手が引き離そうとする。そらに堀木は軍隊に行くという。全て失った葉蔵は、自分が「人間失格」であることに至り…。
(C)「青い文学」製作委員会
旅人を襲い、猪を捕まえ、妻たちと暮らす。そんな生活を送る自称「優しい山賊」の繁丸。ある日、彼は旅の一行に出くわし、金品を奪おうとしていた。連れていた女に魅かれ、連れの者を切ってしまう繁丸。そうまでして得た女、彰子は都暮らしのワガママ育ちだった。突然おぶってくれとせがまれ、面食らう繁丸だが…。
(C)「青い文学」製作委員会
都に移り住んで半年。繁丸はいまだ暮らしに慣れなかった。ある日、戯れに殺した人間の首を彰子に与えると、彼女はそれで遊び始めた。そのうち、毎夜繁丸が人を切り、彰子はその首で遊ぶというのが日課になっていく。そして繁丸は山に帰ると決意する。彰子は抵抗するも、決意が固いと知り、彼と共に行く道を選んで…。
(C)「青い文学」製作委員会
下宿に住む彼は、その家のお嬢さんに「先生」と呼ばれていた。ある日、彼は道を求め続ける男、Kを下宿に連れていく。最初は無愛想だったKだが、少しずつ馴染んでいく。それはだが、彼とお嬢さんとの間に、強い紐帯が生まれるということでもあった。先生は「覚悟もない奴に!」と激昂する。だが、Kは笑って呟き…。
(C)「青い文学」製作委員会
先生に誘われるまま、Kは下宿に住まわせてもらうことになった。最初は道に励もうと家人も気にしないKだったが、お嬢さんの行動に、少しずつ心惹かれていく。そして、ある時、Kはお嬢さんと手をつないでいるところを先生に見られてしまう。悩むKは先生に相談を持ちかけるも、突き放される。そこで彼は笑って呟き…。
(C)「青い文学」製作委員会
作家の高田は気乗りのしない仕事に辟易していた。タイトルは「走れメロス」。作中、ディニオスが「人の心はあてにならない…信じては、ならぬ…」と言う。だが、メロスは友のため、約束をする。その下りに差し掛かり、高田は想い出す。あの時の汽車を。投げられた懐中時計を。彼にも大切な友がいた。たった一人だけ…。
(C)「青い文学」製作委員会
メロスは「セリネンティウスよ…私は走ったのだ…君を欺くつもりは微塵もなかった…信じてくれ」と言った。だが…嘘だ! そう叫んだのはセリネンティウス、いや、高田だった。一緒に東京に行こうと約束したあの日。城島は来なかった。嘘を書き続けることはできない。筆を折りそうになる彼のもとに、城島の幻が現れて…。
(C)「青い文学」製作委員会
12件中1~10件を表示しています。