チョン・イル「ヘチ 王座への道」第5話<再び、生きる者へ>ネタバレあらすじと見どころ、豆知識:闖王
計屍録は発見できず、ハン・ジョンソクはウィ・ビョンジュに、ヨルリョン君はミルプン君に殺害され、ヨルリョン君の訃報を聞いた王、粛宗はショックで倒れ、帰らぬ人となってしまった!チョン・イル主演の韓国本格時代劇「ヘチ 王座への道」第4話あらすじと見どころ、豆知識を紹介、番組公式サイトにはチョン・イルからのコメントと予告動画が公開されている。
※この記事は、2019年11月10日~2020年5月3日までNHKBSプレミアムでの放送時に紹介したものです。
●ネタバレなしの5話のあらすじは【コチラ】
※オリジナル版を参考にしているために、カットされたシーンやあらすじが前後する場合もあることをご理解ください。また、王族キャストは読み違いを避けるために(イ・グム、ミルプン君、ヨルリョン君)とバラつかせています。
【「ヘチ」を2倍楽しむ】では、ドラマの時代背景や見どころ、粛宗、英祖、景宗、密豊君、朴文秀ら実在の人物紹介などをまとめて紹介。ここでは第1話の前にいったい何があったのか、前史ともなる時代背景と派閥(老論、少論、南人)についても【エピソード0】として紹介している。
■第5話「再び、生きる者へ」(見どころ・豆知識)
ヨニン君ことイ・グムは、父王と弟を亡くし悲しみに暮れる。力がないために、共に正義を求めた司憲府のハン・ジョンソクも失い、このままでは仲間のパク・ムンスやヨジたちにも危険が及ぶことを思い知らされる。一方、正義の人であるジョンソクが脱獄の末に死亡したと信じないヨジとムンスは、司憲府のウィ・ビョンジュに必ずジョンソクを殺害した犯人を見つけると言い、腐った司憲府を正すと誓う。
内官が嘆きながら屋根の上で服(着衣)を振る姿があるが、これは王の死を知らせるため、王宮殿の屋根に上って、王の普段着を大きく振る儀式「上位復(サンウィボク)」。詳しくは「不滅の恋人」第1話「★豆知識」で。ヨルリョン君を殺害したのがミルプン君だと追及したところで、政治に何の影響もないからと、動こうとしないミン・ジノン。しかもハン観察の死はグムのせいだと言い、いっそ王になる夢でも見ろとグムに言う。すごろくではひと足先に王になる夢を実現したグム。現実にグムが王になる夢を抱くまであと少し!
1年後。イ・グムの母違いの兄イ・ユンが即位し、王、景宗(キョンジョン)となっていた。そんななか、囚人が集団で脱獄する事件が起きるが、これについて何の意見もできない景宗に、国が落ち着かないのは王のせいだと老論の重臣たちが責め、右議政を辞めさせるように迫る。景宗が気が弱くて決断力もないと重臣たちから侮られ、女官からも軽んじられることに焦る王妃は、世継ぎとなる養子探しを急ぐ。
王とはいえ、景宗には後継者もいない(その理由は景宗紹介で説明している)。唯一の大臣の職である右議政の座まで奪われてしまっては少論に打つ手はない。老論も、今は政権を握っているが後継者が誰になるのかで老論とて先は見えない。
イ・グムはこの1年間、酒も絶って王族として全うに生きてきたが、ヨルリョン君とハン・ジョンソクの命日に近いある日、珍しく酔いつぶれる。タルムンから典獄署から囚人が集団で脱獄したと聞く。そんな中、清国の使臣団がイ・グムに出迎えを要請する。
イ・グムとタルムンはこの1年間、いい距離感で付き合ってきた様子。
ハン・ジョンソク亡き後、後を追うように妻も亡くなり、ひとり息子のジュンジェはヨジが面倒を見ていた。パク・ムンスは今度こそ科挙に合格すべく猛勉強中。そんななか迎えたジョンソクの命日。ムンス、チャンダル、アボンがジョンソクの家に集まり命日の法要の準備をし、ジュンジェと帰宅したヨジを温かく出迎える。久々の再会にヨジは涙を浮かべ、無事法要を済ませる。
両班宅の宴の手伝いで失敗続きのヨジ。なのになぜ叱られもせずに、過分なお金をもらえたのか?また、ムンスを見守る受験者らしき男は何者?
持平に昇進したウィ・ビョンジュと酒を酌み交わすイ・グムは、囚人の集団脱走が少論を切るための老論の策略でビョンジュの仕業だろうと話し、連絡のつかない脱走犯を自分が捕まえてやると持ち掛ける。
もし脱走犯が捕盗庁につかまればビョンジュの仕業とバレてしまう。グムが、ビョンジュと懇意になろうとする目的は?ところでビョンジュは従5品の官職の侍平に昇進したが、ビョンジュ役のハン・サンジンは「イ・サン」のホン・グギョン役でも司憲府の持平に昇進している。
イ・グムがウィ・ビョンジュと懇意にしていることはパク・ムンスやヨジの耳にも入り、ムンスはグムを恨んでおり、ヨジは住む世界の違うグムのことは忘れようという。だがその頃、グムは一人でヨルリョン君が殺害された場所に弔い酒を流したあと、灯の消えたジョンソクの家を見つめていた。
ついに科挙の日。パク・ムンスは良い席を取ろうと張り切るものの失敗。ところが、見守っていた男が助けてくれ、席取りまでしてくれる。ムンスは礼をいうが、席取りは違法だからと断り、末席で科挙を受ける。
不正受験者を隠密に見張っているのは司憲府のユン・ヒョク。「オクニョ 運命の女(ひと)」で典獄署の署長をしていたチェ・ミョンチョルだ。
タルムンのお陰で脱獄犯を捕えることができたイ・グム。タルムンは、グムのことを誤解しているヨジやムンスにそろそろ会ってもいいのでは?というが、グムは誤解ではないと、二人に会おうとしない。そんなグムにタルムンは時局が騒がしくなる。そろそろ次の段階に進んだ方がいい、と意味深なことを言う。
グム自身がまだ決めていない“ヨニン君の使い道”をタルムンはひと足先に気づいている様子だ。
そんななか、ひとりの儒生が「処刑された王の母の名誉回復すべき」と王宮の前で持斧上疏(チブサンサ)する。焦るミン・ジノンは、次期王となる世継ぎを早急に決めなけれなならないと老論の重臣たちに宣言する。イ・グムは少論が世継ぎを決める事が王である景宗の生き残る唯一方法だと考え、景宗は力を補ってくれる同盟者を探す事が重要だと決意する。
王の母とは張禧嬪(チャン・ヒビン)のこと(韓国三大悪女-『張禧嬪』チャン・ヒビン編だ。もし、禧嬪の名誉が回復すれば景宗の力が強まり、老論が危機に瀕する。これこそが少論の反撃だ。持斧上疏とは、斧を持って命懸けで訴えるという意味。「華政」28話や「オクニョ」36話にも登場する。
清国の使臣団からの要請でグムは慕華館(モファグァン)へ。するとそこには一年前に清に逃げたミルプン君がいた。自分を要請したのがミルプン君だったのかと驚愕するグム。「覚えているか?俺の喧嘩は俺が勝ってこそ終わると…。俺は王になるために戻って来た」と耳元にささやくミルプン君の剣を鞘から抜き取り、彼の首元に突きつけるグム。その頃、ユニョンもミルプン君を王位に就けるために、王妃に取り入っていた。
慕華館とは使節団をもてなすための施設。「トンイ」(第14話)で、ハン・ヒョジュ扮するヒロインがここでお手柄をあげる。
その夜、司憲府のビョンジュに会いに行ったイ・グムは、ミルプン君が王位に就く計画を抱いて帰還していると教え、ミン・ジノンに窮地に陥る前に自分に会い来い、と伝えてくれと頼む。ビョンジュと別れたグムは、ジョンソクの死の証拠を探しに記録舎に忍び込んだヨジと遭遇。警備の者に見つかりそうになるヨジを救う。ヨジはなぜグムは自分を助けてくれたのか不審に思う。
忍び込むヨジとは何かと縁のあるグム。チョン・イルとAraのアクションに注目。
チャンダルとアボンは、科挙の試験会場でムンスのために席取りをした男が、何者かに金をもらってムンスを助けようとしていたことを調べあげる。
果たしてこの人物は?
翌日、ウィ・ビョンジュはミルプン君の一件をミン・ジノンに報告するが、ミン・ジノンは取り合わずに清の使節団に挨拶に向かう。だがその途中、王妃と談笑しているユニョンを見て、イ・グムの警告がこれだったのかと青ざめる。そして、ユニョンを王妃に紹介したのが、ユニョンとミルプン君の関係に気づいていないキム・チャンジュンだと聞き、地団駄を踏む。さらに使臣団が、長旅をねぎらう景宗に「良い同行者がいた」とミルプン君を呼び入れたことで、ミルプン君が清と王妃を利用して景宗の養子になろうと目論んでいることに気づく。衝撃を受けたミン・ジノンに会いに来たイ・グムは…。
■豆知識:闖王(トゥマン=틈왕)
今話「大門を開いて闖王を迎える」と景宗がつぶやくシーンがある。闖王とは、17世紀、中国明末の農民反乱指導者、李自成(イ・ジャソン)が自称した称号。李自成は反乱を起こして明を滅ぼし、1644年、順王朝(大順)を建国して闖王と名乗って皇帝を自称したが、すぐに清に滅ぼされた。また、景宗が「闖王が来るときは糧食を捧げなくていいらしい」ともつぶやくが、これは李自成に仕えた李厳が歌った「闖王を迎えれば、糧を納れず」に倣ったもの。李巌はこの歌を作って、窮民の支持を集めた。後半で、少論のイ・グァンジャが景宗との会話の中で解説するのでお聴き逃しなく。
■キャスト⇒相関図(NHK)
延礽君ことイ・グム役:チョン・イル
茶母ヨジ役:Ara(コ・アラ)
熱血漢パク・ムンス役:クォン・ユル
町のごろつきダルムン/タルムン役:パク・フン
密豊君ことイ・タン役:チョン・ムンソン
ほか
◇NHK「ヘチ 王座への道」番組サイト
2021.02.14スタート 毎・日23:00-24:00 NHK総合
2019.11.10-2020.05.03 毎・日21:00~22:00 BSプレミアム
◇作品公式サイト
【作品詳細】【「ヘチ」を2倍楽しむ】