チョン・イル「ヘチ 王座への道」第6話<揺れる同盟>ネタバレあらすじと見どころ、豆知識:宗親府
ミルプン君(チョン・ムンソン)が王妃と清との後ろ建てで王・景宗の養子になろうと目論むなか、ついにイ・グム(チョン・イル)が動き出す!韓国本格時代劇「ヘチ 王座への道」第6話あらすじと見どころ、豆知識を紹介、番組公式サイトにはチョン・イルからのコメントと予告動画が公開されている。
※この記事は、2019年11月10日~2020年5月3日までNHKBSプレミアムでの放送時に紹介したものです。
●ネタバレなしの6話のあらすじは【コチラ】
※オリジナル版を参考にしているために、カットされたシーンやあらすじが前後する場合もあることをご理解ください。また、王族キャストは読み違いを避けるために(イ・グム、ミルプン君、ヨルリョン君)とバラつかせています。
【「ヘチ」を2倍楽しむ】では、ドラマの時代背景や見どころ、粛宗、英祖、景宗、密豊君、朴文秀ら実在の人物紹介などをまとめて紹介。ここでは第1話の前にいったい何があったのか、前史ともなる時代背景と派閥(老論、少論、南人)についても【エピソード0】として紹介している。
■第6話「揺れる同盟」(見どころ・豆知識)
王、景宗に子どもがいないため、再び世継ぎの座を巡る争いが始まる。王座に執着する王族のミルプン君ことイ・タンは、恋人ユニョンを使って王妃に取り入り、清を後ろ盾にして景宗の養子になるつもり。ヨニン君ことイ・グムは、老論派の重臣ミン・ジノンに、ミルプン君に対抗するには自分のような王子が必要だろうと告げる。
自分たちが捨てたミルプン君が王位に就けば老論は終わる。1年前、グムに言った言葉「賤しい血が流れていても王孫。…王になる夢でも見たらどうだ?」をそのまま返されたミン・ジノンは、イ・グムを選ぶのか?1話の剣の舞に続いて、ミルプン君が今回は扇の舞も見事に披露する。
パク・ムンスは席取りをしてくれた男が、何者かから法外な金をもらってムンスの勉強の進捗状況や科挙の合否など気にかけていたと知るが、その依頼主は分らない。ついに役人の登用試験、科挙の合格発表!自信満々で見にいくが、ムンスの名前はどこにもない。無念の死を遂げたハン・ジョンソクのためにも、必死に勉強したムンスは納得いかず大さわぎする。その様子を見ていたユン・ヒョク監察は、科挙試験での不正行為をチュ・ヨンハン監察長に報告し、今度の不正は政府高官が関与した組織的なものだと主張するが、チェ監察長は聞き入れない。
科挙とその不正については【朝鮮王朝豆知識】「◆科挙 」で詳しく解説している。
一方、老論が後継者に推していたアンゲ君の不正が司憲府によって暴かれてしまい、老論は擁立する後継者候補を失ってしまう。焦るミン・ジノンが老論の重臣たちを集める。イ・イギョムが後継者としてイ・グムの名前を出すが、他の重臣たちから賤出の子だと大反対される。集会の後、イ・グムを危険視するミン・ジノンは、この一年の間にグムが何をしていたのかタルムンに徹底的に情報収集するよう命じる。
アンゲ君の不正の暴露はイ・グムが仕組んだこと。ウィ・ビョンジュがまんまと引っかかってしまった。グムに恨みを言うも、ビョンジュが典獄署から逃がした脱獄囚がグムの手にあるために、彼の言いなりになるしかない。老論の首長でありながら自身の妾ユニョンがミルプン君の愛人で、ミルプン君のために画策していたことに全く気付かなかったキム・チャンジュンの面目は丸つぶれ。後継者としてイ・グムの名を出したイ・イギョムは、4話で先代王・粛宗から「グムを推戴して老論の長となれ」と勧められた司憲府の長官。
少論は粗暴なミルプン君を養子にすることを反対するが、景宗は、老論に対抗できるならミルプン君を養子にするしかないと…。その頃、イ・グムは一か月ぶりに戻って来たチャドンと会っていた。チャドンは科挙の不正を証明する答案用紙を見つけていた。
景宗は本当にミルプン君を養子にするつもりなのか?景宗の表情に注視しよう。
ユン・ヒョク監察は、本屋で科挙の不正問題についての新たな情報を手に入れる。正体を隠したまま情報提供するのは、内部告発で、まだ自分を信じていないからだろうと考える。その時、科挙試験の答案用紙を保管している場所(受券所)で騒動が起こる。ユン監察が駆けつけると、科挙で不正な席取りを断った男(パク・ムンス)が合格者の答案を見せろと騒ぎを起こしていた。チャドンがこの様子を見て、ユン監察官とパク・ムンスが顔見知りのようだとイ・グムに報告する。そしてそろそろムンスやヨジに協力を求めてはどうかと勧めるが、グムは危険だからとこの提案に耳をかさない。そしてさすがのムンスも組織的な不正には勝てずに科挙に不合格になったのかと、残念がるが、ムンスならはきっと自らの道を切り開くはずと、希望を持つ。
ユン監察に科挙不正の情報を流していたのはイ・グムだった。本屋の本に挟んでやり取りするというのは、現代ドラマでもよくある演出だ。
一方、ヨジはグムの側室チョホンと会って、この1年間、ヨジやムンスを影で支えてくれた人物がイ・グムだと確信する。
チョホンが、以前は酒を売っていたと言っても態度を変えないヨジに驚き、だからこそグムがヨジに好意を寄せているのだと察する。自分への憐憫の情とは違うグムのヨジへの気持ちを、当人たちより早く“恋慕”だと見抜くチョホンが素敵だ。そんな彼女が切ない目をする一瞬をお見逃しなく。また、グムがチョホンにヨジのことをどのように頼んだのか?想い人を案じるグムのセリフもお聴き逃しなく。
ミルプン君は清の使臣と狩りに出かける。上機嫌でもてなすが雑な接待で使臣を落馬させてしまう。宗親府の努めとして随行していたイ・グムが、素早く馬の手綱を引いて使臣を助け、流ちょうな清の言葉で安否を気遣う。感激する使臣に、先代の二男のヨニン君だと自己紹介する。ミルプン君には、司憲府では総力を挙げてお前の不正を調べていると挑発する。
ミルプン君のツッコミどころがどこか可笑しい。この状況下で彼が気になったのは、なぜ、グムが清の言葉を話せるのか?グムの答えは?ちなみに1年も清で暮らしていたミルプンだが未だに清の言葉が聞き取れない模様。
その後、チャドンから司憲府の動きを聞いたイ・グムは、脱獄囚を今夜典獄署に引き渡すとウィ・ビョンジュに伝えるよう頼む。その夜、グムは一人で脱獄囚を連れて山中へ。ビョンジュに引き渡したその時、ミルプン君の家来に襲われるが、現れたヨジの加勢で追い払うことができる。しかし、ビョンジュは脱獄囚を奪われてしまい、ミン・ジノンの元へ報告に行く。イ・グムの真の姿を知るために尾行してきたというヨジは、この襲撃もイ・グムの想定内のことで、自分たちはグムを誤解していたのかも知れないと考え、命懸けで何をしようとしているのか?自分たちと同じく、1年前の報復を考えているのか?と、グムの本音を衝く。
タルムンから脱獄囚を引き取った時、グムがこの先の自分とタルムンとの関係を暗示する言葉を言うのでお聴き逃しなく。また、山中では敵と戦いながらも、グムがさりげなく“愛の言葉”ともとれる言葉をヨジに言うのでお聴き逃しなく。
翌朝、クンテから脱獄囚をミルプン君に奪われたと聞いたタルムンは、これこそがイ・グムの計画だと見抜く。一方、亡きハン監察と同じ目をしたユン監察官が、真実だけを追い求める人物だと確信したパク・ムンスは、科挙の不正を世間に広め、王が承認すれば司憲府は動くしかないと考え、命懸けで王への直訴を決意する。これを知ったヨジは、ムンスが後を託そうとしているのがユン監察だと確かめ、全てがイ・グムが始めたことで、これまで自分たちを助けてくれていたのもグムだと教える。
着々と計画を実行するイ・グムは、チャドンが集めた科挙不正の証拠を司憲府に運ばせ、ミルプン君が老論を揺るがすのを待っていた。ミルプン君に老論の弱点(脱獄囚)を握られたミン・ジノンは、ミルプン君の不正の調査をストップさせるしかない。
道の真ん中に座り込んで景宗に直訴するパク・ムンスは兵たちに暴行を受ける。そこにイ・グムが現れムンスを助ける。
「下がれ!いいか?誰一人この者に指一本触れてはならぬ!」ムンスを感激させるグムの言葉だ。この作品は、男の友情に何度も泣かされるが、ここでも「ヨジの言葉は正しかった…」と涙するムンスの言葉に涙腺が緩む。また、これまでさんざんな描かれ方をしてきた景宗のカッコいい台詞もあるのでお楽しみに。
イ・グムの予想通り、ミルプン君がミン・ジノンに会いに来て、自分を擁立するように迫るが、その時…。
ラスト、イ・グムと景宗が何か約束を交わしていた模様。いったいいつ、どんな約束をしていのか?第7話が待ち遠しい。
■豆知識:宗親府(ジョンチンブ)
朝鮮王朝では第9代王・成宗以降、王族(宗室)の政治関与が制限されていた。“宗親府”は王族が所属する官庁。ここでは国王の系譜から御真(肖像画)の保管、国王や王妃の衣服の管理、今回のように王族の監督もする。また、王室行事や祭礼の主管、王室が持つ土地の管理、王族の官職も整理した。
王族の品階は母方の身分で左右される。最高位の王の嫡出子(王妃が生んだ子)には品階がない。良民出身の側室から生まれた場合、他の宗親より品階を一等下げ、賤民出身の側室から生まれた場合はさらに一等低い。母が賤民出身だったヨニン君ことイ・グムは他の宗親より二等も低い品階だったことが分かる。
■キャスト⇒相関図(NHK)
延礽君ことイ・グム役:チョン・イル
茶母ヨジ役:Ara(コ・アラ)
熱血漢パク・ムンス役:クォン・ユル
町のごろつきダルムン/タルムン役:パク・フン
密豊君ことイ・タン役:チョン・ムンソン
ほか
◇NHK「ヘチ 王座への道」番組サイト
2021.02.14スタート 毎・日23:00-24:00 NHK総合
2019.11.10-2020.05.03 毎・日21:00~22:00 BSプレミアム
◇作品公式サイト
【作品詳細】【「ヘチ」を2倍楽しむ】