「華政」最後の王、孝宗を演じたのは「太宗イ・バンウォン」で王になれなかった廃世子を演じた俳優

2023年02月02日15時00分ドラマ
©2015 MBC  「華政」より

BS日テレで本日2日最終回を放送した「華政(ファジョン)」は、朝鮮王朝第14代王・宣祖から光海君、仁祖、そして第17代王・孝宗までを描く本格史劇!ここではドラマを振り返ってドラマ最後の王、孝宗と演じた俳優イ・テリをご紹介しよう。予告動画は作品公式サイトで公開している。
※この記事は最終回のその後と朝鮮第17代・孝宗(鳳林大君)より抜粋、加筆したものです。



時代背景、各話の詳しいあらすじと見どころなど場面写真と一緒に【「華政」を2倍楽しむ】でまとめている。

「華政(ファジョン)」で描かれた鳳林大君は、兄・昭顕世子と共に清(中国)の人質となっていたが、帰国直後に世子が謎の死を遂げ、兄の遺志を継いで世子となり、貞明公主の後押しもあって、仁祖の後を継いで第17代・孝宗(ヒョジョン)となった。

では、歴史に残る孝宗はどうなのか見てみよう。

■鳳林大君(後の孝宗)紹介(1619年~1659年)
孝宗は仁祖と仁烈王后の間に生まれた次男で名前は淏(ホ)、鳳林大君。兄は昭顕世子。11歳で当時の右議政である張維(チャン・ユ)の娘と結婚。1636年丙子胡乱で清に破れ三田渡講和が成立し、兄の昭顕世子と共に清での8年間の人質生活を送った。清からの危険が及ぶ要求には世子の代わりに自分が名乗るなど、人質生活の間、世子である兄を積極的に守った。そのため、清に歩み寄り実利外交を主唱した世子と違って、鳳林は清を深く恨み反清思想を強めた。

■第17代王・孝宗誕生(在位期間:1649年5月~1659年5月)
「華政」では兄・昭顕世子が弟・鳳林大君に会って、世子となるのを直々に強く望んだとして描かれているが、歴史書には、世子の訃報を聞いて1か月後に帰国。王室の慣例通りなら昭顕世子の長男(石鐵)が世孫となるべきところを、仁祖が、鳳林大君の反清精神が自身の考えに一致するとして次男の鳳林を世子と決めた。

1649年5月、仁祖の死後、朝鮮第17代王となった孝宗(ヒョジョン)は、経済面での安定や、文化面での発展にも努めた。文化面では暦法の発展や『国朝宝鑑』を再編纂して政治の道を示し、『農家集成』などの勧農書を使って農業生産を伸ばそうとした。他にも、戦後の乱れた倫理秩序を正すために犯罪を防ぐ啓蒙書『警民編』などを刊行した。一方で、北伐論を打ち立て国力強化を目指し、軍備拡充のために王朝はたびたび財政的な問題にぶち当たった。時期が立つほどに清の力は強まる中、結局北伐計画は実行できないまま、孝宗は1659年5月、40歳で世を去った。だが、この北伐精神は根強く残った。孝宗の執念じみた軍備拡充のために、臣下たちとの摩擦もあったが、孝宗はドラマ「華政」のラストに描かれたような「輝かしい政治」のために奮闘した王と言えよう。

■俳優イ・テリは子役出身(1993年 6月 28日生)
「華政」で孝宗を演じたのはイ・テリ。名前を聞いてもピンとこないドラマファンも、「太陽を抱く月」でチョン・イルが演じた陽明君の少年時代を演じたイ・ミンホと聞けば思い出すのでは?イ・テリは1998年SBS「順風産婦人科」で本名の“イ・ミンホ”でデビューした。その後MBC「大王の道」(1998年)、KBS「明成皇后」(2001年)、KBS「チャン・ヒビン」(2002年)、KBS「トキメキ☆成均館スキャンダル」、現代ドラマ「思いっきりハイキック!」でイ・スンジェの少年時代で出演したが、多くの時代劇で演技派子役として活躍した。その後、同姓同名のイ・ミンホ(「ザ・キング:永遠の君主」)と間違われたことも一因となり、2018年“イ・テリ”に改名。だが、それがきっかけとなり、その後は「僕が見つけたシンデレラ~Beauty Inside~」でイ・ミンギの秘書役、「検索ワードを入力してください:WWW」でウェブ漫画家、「偶然見つけたハル」では学食のお兄さんなど、現代ドラマでも大活躍だ。

「太宗イ・バンウォン」©KBS 「太宗イ・バンウォン」よりそんな彼が久々に時代劇復帰したのがKBS「太宗イ・バンウォン」(2021-22)だ。「太宗イ・バンウォン」では朝鮮王朝第3代王・太宗の長男として順当に世子となるも、王としての資質に欠けるという理由で廃世子されるという役を演じた。イ・テリは本作の後、「最愛の敵 ~王たる宿命~」でチャン・ヒョクの息子役で時代劇に連続出演している。
「太宗イ・バンウォン」と「最愛の敵」に関しては【「太宗」を2倍楽しむ】【「最愛の敵」を2倍楽しむ】でネタバレあらすじと見どころ、豆知識などまとめて紹介している。

kandoratop【作品詳細】【「華政」を2倍楽しむ】

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