「太宗イ・バンウォン(原題)」第31話・第32話(最終回)世宗大王誕生≪王は私だ!≫あらすじと見どころ

2023年01月30日11時30分 
(2023年02月26日22時29分 更新)
ドラマ
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KNTVで日本初放送の韓国本格時代劇「太宗イ・バンウォン(原題)」(全32話)が1月29日(日)第31話と第32話(最終回)で幕をとじた。詳しいあらすじと見どころをご紹介、日本版予告動画も番組公式サイトで公開している。

※2022年12月31日開催された「2022 KBS演技大賞」で、本作はチュ・サンウクが大賞を受賞したのをはじめ、最優秀演技賞でパク・ジニ、助演賞で イェ・ジウォンが受賞した。

詳しいあらすじを知りたくない方は、見どころと※豆知識をご覧になって、あらすじは確認用にどうぞ。また、次の土曜日に再放送するので、見逃した方はチェックをお忘れなく!

「太宗イ・バンウォン(原題)」は朝鮮王朝の礎を築いた第3代王“太宗”となるイ・バンウォンの生涯を新たな視点で描く本格時代劇だ。【「太宗イ・バンウォン」を2倍楽しむ】では、時代背景や登場人物とキャストの紹介などまとめている。



■キャストイ家の家族・俳優紹介
イ・バンウォン(太宗)役:チュ・サンウク
イ・ソンゲ(太祖)役:キム・ヨンチョル
元敬王后ミン氏役:パク・ジニ
神徳王后カン氏:イェ・ジウォン
 ほか

■第31話あらすじ※豆知識
臣下たちを集めた太宗、王イ・バンウォンは、「これまで世子イ・ジェの過ちを何度も許してきたが、自分の過ちを反省しない。そんな世子を廃位して、君王の資質を備えた適任者を見直す」と告げる。ファン・ヒは世子交代は将来の災いを招くと反対するが、ユ・ジョンヒョンは国の基盤を作る大切な時である今こそ、適任者に王位を譲るのが妥当と「チュンニョン大君」を推薦し、他の臣下たちもこれに続く。

その後、世子からの手紙を受け取った王は表情を一変し世子の元へ。世子は夜間に禁止されている行動をとっており、王に注意されてもそ知らぬ顔。「長男として生まれ、世子を望んだわけではないのに、周りから常に非難される生活に行き詰まりを感じていました。明日、臣下たちの前で世子の地位を放棄します」という。王は「たとえ望まない地位だったとしても、勝手に辞められる地位でもない」と認めず、「廃位された世子は禍根を残す存在になるのが常。生かしてはおけぬ。だが我が子を殺せる親はいないから、他の方法で殺す」と冷たく言い放つ。

翌日の便殿、王は世子を廃位し、チュンニョン大君を新しい世子にすると宣言。そしてイ・ジェは自ら世子を退くと言ったと伝える。臣下たちは譲位なら礼を尽くそうというが、王はその前に世子からの手紙を読み上げさせる。王の寵愛に応えられずに深く反省しているという書き出しから始まる手紙は、「オリという側妻(そばめ)をそばに置いたことが世子を廃位させる理由になるなら、宮殿にあふれる女人たちは何なのか。もし大臣たちが女人を理由に王座を退くよう請願したら王は従うのか。世子の座に未練はない」とあり、最後には世子交代を訴える臣下を“奸臣”と呼び、それに従う王への不満まで綴っていた。

臣下たちが憤り、死刑を下すべきと訴えるが、息子の命を奪うことはできないと、王は京畿に流刑とし世子をヤンニョン大君に降格する。母ミン氏に最後の挨拶をするイ・ジェは、叔父たちの命を犠牲にしておきながらこのような結果を招いたことを涙で詫び、妻、子供たちと宮殿を後にする。途中で世子イ・ドとして東宮殿に向かうチュンニョン大君一家とすれ違い、イ・ジェは弟を「世子」と呼んで皮肉な挨拶する。

世子イ・ドとして挨拶に来た三男に王妃は、「王位は残酷な化け物。あなたが望んでここに来たことがとても悲しい。これから父王はこれまでとは別人に見えるはず」と忠告する。

その夜、王宮を出る決心を固めたミン氏は王を訪ね、「王様を見ると、過去の残酷な出来事を思い出してしまい、これからのことも予想できます。どうかわたしを探さないでください」と王宮を出る意思を伝える。すぐに世子に譲位するという王に「王様は決して権力を捨てられません」と話す。

次にミン氏は、世子嬪シム氏に会って「すぐに世子に譲位されるはず。だが、王様は全ての権力を手放しはしない。その力を使ってシム氏の家門を残酷に弾圧するはず。決して目立ってはいけない」と、アドバイスの言葉を残して王宮をでていく。シム氏はこの話を世子に伝え、世子は命懸けで夫人とシム氏の家門を守ると約束する。

1418年陰暦8月10日、王は世子に国璽を渡し、朝鮮第4代王・世宗※イ・ドが誕生する。上王となったバンウォンは全てを新王に渡したが、ミン氏の予言通り兵権だけは譲らず、「しばらくの間は父が預かる」と告げる。そして、上王は高位をかたくなに辞退する王妃の父である義父シム・オンを強引に領議政に任命し、使臣として明に派遣させる。王イ・ドは、義父が明に渡れば上王の目から離れられると考え、従うことに。
※世宗大王:1397年5月6日生~1450年5月18日没。1418年~1450年の間在位。数々の科学的業績を残し、中でもハングル(訓民正音)の制定を行ったことで国内外に賢君として知られた。朝鮮王朝時代の歴代君主中もっとも優れた君主とされている。詳細説明
※昭憲王后・沈氏(シム氏):1395年生~1446没。名門・沈氏の娘で14歳で当時忠寧大君(チュニャンテグン、後の第4代王・世宗大王)に嫁ぐ。正直で謙遜な人となりで早くから王家の嫁にと嘱望されていた。詳細説明


王妃シム氏は、父シム・オンにくれぐれも目立ってはいけないと忠告する。ところが屋敷に戻ると領議政就任を祝う宴が開かれていた。みんなを帰らせたシム・オンは、妻に祝いも請願も全て断るよう言い聞かせる。

ところが兵曹参判カン・サンイン(イ・ビョンフン)が上王へ上げるはずの軍事報告書(状啓(チャンゲ))をうっかり王に上げてしまう。さらにシム・オンを見張っていたパク・ウンから明への出発を大勢が見送っていたと報告を受けた上王は、状啓の一件が単なる間違いでなく、王に兵権まで握らそうとするシム・オンが関わっていると疑う。責任を取って官職を辞したサンインを逮捕させ、黒幕を吐けと拷問にかける。事情の分からないサンインは一体誰の名前を言えばいいのかとパク・ウンに尋ねる。

一方、些細な間違いで義父を疑う上王のやり方を非難する王イ・ド。だがその時、カン・サンインが黒幕はシム・オンだと白状したと報告が入る。上王はすぐにサンインを殺せと言い、王は真相解明が先でその前に処刑するのは真相の隠蔽と同じだと止める。そして「国王は私です。私が王でいる限り、手続きを無視して罪人を殺せません」と一歩も退かない覚悟の王だが…。

■見どころ
猜疑心が強く、冷酷な王バンウォンだが、臣下たちの前でイ・ジェの手紙を読ませたのは、誰もイ・ジェを担いで反乱を起こさせないようにするためではないだろうか。また、“譲寧(ヤンニョン)大君”という名前は「世子を譲位した」と言う意味。これも名前だけで廃位ではなく、譲位なんだと知らしめるため。バンウォンなりの精いっぱいの優しさではないだろうか。

王妃シム氏の忠告通りに目立たぬようするシム・オンだが、周りがそれを許さない。せっかく宴を中断させたのに盛大な見送りがシム・オンをピンチに陥れた。

若き世宗王イ・ドをソン・ジュンギが演じたドラマに「根の深い木」がある。ソン・ジュンギが演じた王イ・ドは上王から何もするなと言われ息をひそめて玉座にいたが、キム・ミンギが演じる本作の王イ・ドは自ら王位に就きたいと言っただけになかなか骨太の王だ。ラストでは語気を強める上王に一歩も退かない姿勢を貫く。「根の深い木」初回では義父シム・オンを助けるためにイ・ドは手紙を出すが、本作ではどう描かれるのか?



■第32話(最終回)あらすじ※豆知識
義父である領議政シム・オンの逮捕を命じる上王イ・バンウォンに反対する若き王イ・ド。大勢を助けるためには1人の犠牲は仕方がないという上王を「王の資格がない。私が王座にいる限り、罪なき臣下を殺すことは絶対にさせない」と言いのける。すると上王は譲位の命令を取り消して復位すると言い出し、「王位を諦めてシム・オンを助けるかどうか」の究極の選択を迫る。王は引き下がるしかない。

カン・サンインは処刑され、シム・オンを捕らえて義禁府に押送せよと命令が下る。王妃シム氏は父を助けてほしいと涙で王に請うが、王ができることは明に向かうシム・オンに人を送って早く国境を越えて、当面帰って来るなと伝言を頼むことくらい。ところがシム・オンは王妃を逃げた罪人の娘にできないと、潔白を証明するために朝鮮に戻ろうとし、途中で逮捕され義禁府に押送される。酷い拷問を受けるシム・オンは無実を訴えるもののまったく聞き入れられない。

これを知った大妃ミン氏は上王を訪ねて来て、「朝鮮の王妃には親や兄弟がいてはいけないのですか?あなたのしたことは王の心に生涯消えぬ傷をつける」と伝えて立ち去る。

酷い拷問を受けていると聞いた王は、「あきらめて自白するように」とシム・オンに伝え、王の真意を知ったシム・オンは罪を認めて毒薬を飲んで死亡する。

シム・オンの息子たちは流刑に、妻と妾、子供たちは官婢として役所(官衙)に配属される。上王は「全ては王のため、悪行は自分が担当するから、聖君におなりなさい」と告げる。王は「聖君になり、太平の世を築きます。だがそれは父上の意志に従うのではなく、父上の間違いを証明するためです。今後も父上の意を理解することなど絶対ありません」と決意を口にする。

罪人の娘になったことで王妃シム氏の廃位を訴える声があがるが、王はこれだけは拒否し、「君王が間違った道を行けば命懸けで止めるのが臣下の道理。何かあれば廃位と処刑を声高に叫ぶだけが、臣下の本文か!」と一喝して黙らせる。

家族が奴婢になったことを心配する王妃には「官婢と言っても王妃の家族。大丈夫だ」と慰めるが、王妃は、死力を尽くして父を救ってくれなかったと王を責める。一方、大妃ミン氏も実家から姿を消し、上王はミン氏を探すよう命じる。

便殿。王と臣下たちが政事を論じる場を見たいと上王がやってくる。まず王は、この場に史官を入れると発表する。国王が間違ったことを計画せず、臣下がそれに付和雷同せねば記録を恐れる必要はない。そして王は「飢饉に苦しむ民の救恤(きゅうじつ)」について論じる。臣下たちの意見に耳を傾け正しく論議する王を目を細めてみる上王。
※史官:記録係。※救恤(きゅうじつ):民の困窮を救済すること。

母が姿を消したと聞いた王は「夫婦なのに行先に心当たりはないのですか?」と上王を責める。上王は王宮を出てミン氏を捜しに行く。ついに寺でミン氏を探し出し、これまでのことを謝罪し「夫人を心から愛している」と手を握る。その手を拒絶し「私も旦那様を愛しました。でも今は許さぬことが私にできる唯一のこと。二度と捜さないでください。半分は憎んで、半分は愛で満たされた複雑なこの身を捨てて、せめて魂だけでも自由になりたい」と夫バンウォンを許さない。だがミン氏は重病を患っていた。その夜、上王は苦しむミン氏を王宮に連れ戻し、御医に診せる。だが大妃ミン氏は、枕元に揃った3人の息子たちの名前を呼び、その手を握り静かに息を引き取る。1420年世宗2年。

兄弟で母を看取ったイ・ジェことヤンニョン大君は王になった弟を激励する。上王はいつまでも母の死を悲しむ王に、「いつまで泣いているのか。息子である前に一国の王だ。国王としての職務を果たせ」と奮い立たせる。そして死ぬ前に教えたいことがたくさんあると、亀甲船や下水道について教える。上王は王が民から憎まれないように下水道整備を上王の命で決行させる。そして「学者の行く道と王の行く道が違う」と教え、「すべては王イ・ドの行く末のため」と言う。王はその言葉を否定し「上王は自分の永生のために、私を上王の影にして墓の中からも国を治めたいのでしょう。このままでは玉座にしがみつく亡霊になってします。どうぞ、玉座から降りてください。国王は私です。私にお任せください」と語りかける。

長く続く干ばつに上王は祈雨祭を開く。天に謝罪し民の恨みが王に向かぬことを願った。血塗られた人生を歩いたバンウォンだったが、その治世は民に平安な時代をもたらした。1422年世宗4年、上王が永遠の眠りにつくと、長い間降らなかった雨が降り出した。上王は、生涯愛し、苦しめたウォンギョン王后ミン氏と共に永眠した。

■見どころ
便殿に史官を入れるかどうか問題。これこそが30話でバンウォンや臣下たちが世子だったイ・ジェを見限った議題だ。
また、今回、“圧膝(압슬=アプスル)”や“杖刑”など拷問の名前が出てくるが、刑罰・拷問については豆知識で詳しく説明している。

ミン氏は愛する息子たちに看取られて命果てた。上王バンウォンが薬を取りに行っている間だ。最期を看取れなかったバンウォンは宮庭に座り込んで号泣する。これこそがミン氏が夫へ下した最高の罰かもしれない。そして母の死によってわだかまりが解けた長男と三男。

最後に上王の鼻の下に綿を置くのは死を確認する儀式。衣を屋根で振って王や上王の死を知らせる「上位復(サンウィボク)」など死の儀式が丁寧に描かれているのが興味深い。これについては「イ・サン」44話で解説している。

最終の2話は世宗大王を演じた若手俳優キム・ミンギの熱演が光った。ユ・スンホやヨ・ジングらに続く新史劇俳優の誕生だ。本作の後、キム・ミンギは「シュルプ」でも大君を演じている。
そして気弱な夫から冷酷な為政者と変わっていく主人公イ・バンウォンを完璧に演じたチュ・サンウク。「2022 KBS演技大賞」大賞受賞が納得できる圧巻の演技に魅了された。

史実を忠実になぞりながら、これまで知ることのなかった人間イ・バンウォンを描いた「太宗イ・バンウォン」は、28話の神回11.7%には届かなかったものの、最終回11.5%全国(ニールセンコリア)で幕をとじた。

※2月12日からのこの時間はキム・スヒョン×チャ・スンウォン共演のクリミナル・サスペンス「ある日~真実のベール」を放送する。各話のあらすじや見どころは【「ある日~真実のベール」を2倍楽しむ】でまとめている。

日本初放送 10月9日(日)スタート
毎週日 20:00~22:10 ※2話連続放送
再放送 毎週土 11:30~13:40 ※2話連続放送

※主演チュ・サンウクの独占インタビュー番組「太宗イ・バンウォン」インタビューSPを放送。
 12月26日(月)後1:30~2:00

KNTV「太宗イ・バンウォン(原題)」番組サイト

kandoratop【作品詳細】【「太宗イ・バンウォン」を2倍楽しむ】



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