NHK「上陽賦〜運命の王妃〜」最終回考察:ドラマの見どころを全部詰め込んだ最高の結末
NHKBSプレミアムで2022年8月28日から全43話で放送してきた中国歴史スペクタクル「上陽賦~運命の王妃~」が2023年6月25日最終回を放送した。そんな最終回の見どころを振り返ってみたい。予告動画はYouTubeにて公開中だ。
「上陽賦~運命の王妃~」は架空の古代中国を舞台に、不本意な政略結婚で結ばれた二人が、やがて心を通わせ互いに支え合うようになり、民のために戦う超本格歴史スペクタクル。架空の国・成(王朝)を時代設定や、押さえておくべき人物と各話のネタバレあらすじ、見どころ、豆知識、音楽(OST)、ロケ地などは【「上陽賦」を2倍楽しむ】でまとめている。
●最終回(第43話)ネタバレあらすじ
本作の見どころは3つ。最終回はまさにそんな見どころがぎっしり詰まっていた。
①陰謀渦巻く覇権争い
②大規模なロケと迫力のアクション
③壮大なラブロマンス
陰謀渦巻く覇権争い
権謀術数を巡らして権力を握ろうとした皇太后、馬子澹、王藺、そして王藺の乱を自分のものにしようとした宋懐恩たちの野望が最終回で全て潰えた。
皇太后は天罰が下ったのか、夢にまで見た孫の馬静との再会も叶わないまま命果て、王藺は抱き込んだつもりの懐恩の剣で命を落とし、蕭キを裏切った懐恩は仲間の槍に倒れ「寧朔に連れて帰ってくれ。兄貴。二度と都には来たくない」と息絶えた。自らの罪と器の小ささを思い知った子澹は甥の静に帝位を譲り、生涯を皇帝陵で送ることに。
その後、蕭キの助力で国を立て直した大成は、父から野心がないと蔑まれていた馬夙が丞相となって幼帝を支えた。そんな夙のそばには穏やかに愛を紡いできた顧采微が妻として寄り添った。
大規模なロケと迫力のアクション
製作期間4年、総勢1033人のスタッフ、55000人を動員したエキストラ、1年近くにも及んだ撮影期間の末、完成した本作。豪華スタジオセットや衣装、小道具の素晴らしさはもちろん、広大な中国のロケーションをバックにした迫力のアクションの数々にはただただ圧倒させられた。第7話砂漠の閲兵式や吊り橋での賀蘭箴との対決、蕭キの本心を知った第8話モンゴル初デートの後の黒服一団からの襲撃、罠にハメられた31話棟羽山(れんうざん)死闘…。
最終回のほとんどは宮殿の屋外シーンとその中での撮影だったが、広大な大自然に負けない規模で中国時代劇の醍醐味を堪能させてくれた。43話宮殿に向かって懐恩率いる夥しい数の兵士による進軍、宮殿内になだれ込んだ多勢との史劇アクションや殺陣。大自然とはまた違う中国ドラマの規模の大きさに魅せられた。
※ロケ地については【ロケ地紹介】で詳しく紹介。
壮大なラブロマンス
王ケン(王儇)と子澹との純愛から始まった本作のロマンス。蕭キ(蕭綦)との婚姻は王ケンにとって望まない政略結婚だった。蕭キを恨みながら新婚生活が始まった。閉ざした王ケンの心を決して焦ることなく、じっと見守り続けた蕭キ。14話武骨で恋におくての彼の「愛する妻・阿嫵へ」の書き出しで「阿嫵、阿嫵、阿嫵…」を書き綴っただけのラブレターにハートをわしづかみされた視聴者も多かったはず。その後も21話二度目の婚礼と口移しで飲ませた薬のシーンなど、2人の甘々ロマンスは止まらない。
※蕭キと王ケンのロマンスを盛り上げてくれたドラマ音楽については、【OST(主題歌とエンディング曲など)】で紹介している。
YouTube「iTalkBB TV」よりキャプチャーだが、国のために無理を重ねた王ケンは、懐妊が難しい体になっていた。最終回終盤でやっと安寧を取り戻した大成。寧朔に帰った王ケンと蕭キは、懐恩と玉岫の息子や、蕭キの戦友の忘れ形見、行き場を失くした大勢の子供たちを我が子のように育てていた。そんな二人の姿が大写しになると、なんと王ケンのお腹が膨らんでいる。切望していた子供を授かったのだ。
YouTube「iTalkBB TV」よりキャプチャーエンディング。大勢の子供たちが「地図遊び」をする。まずは沁之(しんし)が王ケンの「都は建寧、どこにあるかわかる?」という質問に、「将軍様はいつもお城の中、お付きの兵士も大臣も城の中…♬」と唱えながら大地に作った地図の上を歩いていく。1話オープニングで阿嫵と呼ばれた幼い王ケンが、鳳池宮で亡き皇太后と遊んだシーンを思い出させる素敵な演出で幕を閉じた。
「上陽賦~運命の王妃~」をもう一度観たい方は、2023年6月現在Hulu、U-NEXTなどで全話配信中、DVDも好評発売中だ。
◇DVD公式サイト
◇NHK番組サイト
◇予告編
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