テレビ愛知「太宗イ・バンウォン~龍の国~」(36話)第31-最終回あらすじ:世子の資質と父王の判断
テレビ愛知で放送中の「太宗(テジョン)イ・バンウォン~龍の国~」はチュ・サンウク主演の本格時代劇。5月20日からの第31話~第36話(最終回)のあらすじと見どころを紹介、予告動画はYouTubeにて公開中だ。
※5月28日からは、双子の姉を殺した犯人を見つけるために王妃になろうとするヒロインと、予知夢を通してその女性を見る王との愛、そして必ず王妃にならなければならない者たちの戦いが描かれる宮廷サバイバルロマンス「カンテク~運命の愛~」を放送する。
「太宗(テジョン)イ・バンウォン」は高麗という旧秩序を崩し、朝鮮という新しい秩序を作り上げていった時期に、誰よりも朝鮮建国の先頭に立ったイ・バンウォンに視点を当てた本格時代劇。【「太宗イ・バンウォン」を2倍楽しむ】では時代背景や見どころ、各話のネタバレあり/なしのあらすじ、豆知識などまとめて紹介している。
■キャスト⇒李家の人々紹介(17名)
イ・バンウォン(太宗)役:チュ・サンウク
イ・ソンゲ(太祖)役:キム・ヨンチョル
元敬王后ミン氏役:パク・ジニ
神徳王后カン氏:イェ・ジウォン
イ・バンウ役:オム・ヒョソプ
ほか
原題:태종 이방원/製作:2021年
■第31話
ジェが亡くなるとミン氏兄弟の極刑を訴える上奏文が上がり、世子は臣下たちの前で賛成の意を告げる。外で話を聞いていた王妃は泣き叫びながら訴えるが、バンウォンは耳を貸さず2人に自決を命じる。三男の忠寧(チュンニョン) は悲しみに暮れる王妃を慰める一方で、自決を止められなかった世子を責める。バンウォンはさらに残った義弟2人にも官職を与え…。
ファン・ヒからこの決定を聞かされた王妃は衝撃を受ける。門の外で嘆く王妃の声が便殿にまで届き、うろたえる世子に王は「君主になりたければ母の絶叫を乗り越えよ」と諭す。王妃は開かない門に向かって「逆賊の目には誰もが逆賊に見えるのですか」「弟たちを助けてください」と涙で王に訴え続け、嘆きのあまりに意識を失う。次男のヒョリョン大君と三男のチュンニョン大君が駆けつけ、母を抱きかかえ、涙を流す。
便殿でチュンニョン大君が王を相手に政事を語るシーンがある。「父親より見識が広いと思うな」バンウォンのこの言葉こそが、かつてイ・ソンゲを怒らせたバンウォンの言動だったことに彼は気づいているのか?また世子とチュンニョン大君のいがみ合いは、バンウォン兄弟の骨肉の戦いと同じ。2代続けて同じことを繰り返している。
この回の詳しいあらすじと見どころ・場面写真などは28話/32話ネタバレで。
■第32話
大妃が崩御し、バンウォンは息子たちに酒を口にせず何事も謹んで過ごすよう告げる。しかし、大妃の喪中にもかかわらず酒を飲みに出かけた世子。世子の度重なる不祥事に限界を感じたバンウォンは、世継ぎの候補者がもう1人いることをほのめかす。それが忠寧だと気づいた世子は慌てて勉学に励むようになるが…。
王が馬上で世子に教える「1対1と8」の原理が興味深い。「10人臣下がいれば1人は忠心、1人は逆心、残りの8人は忠心にも逆心にもなる」というもので、次のユダヤ教の教えに似ている(「10人の人がいたら、1人はどんなことをしてもあなたのことを嫌い、2人はお互いにすべてを受け入れて親友になれる、ほかの7人はどちらでもない」)。バンウォンが王になってからは迫力の史劇アクションはないが、終盤はこうしたセリフや激しく揺れ動く心情描写が実に面白い。次回は世子と大君の対立がますますヒートアップしそうだ。側室になったキム氏の恨み節もそろそろ聞けそうだが…。最終話まで目が離せない。 この回の詳しいあらすじと見どころ・場面写真などは28話/32話版ネタバレで。
■第33話
世子が酒色に溺れていたことを知ったバンウォンは、世子を宮殿から追い出してしまう。そして忠寧に、王になる意志があるなら自力で世子の座を手に入れろと話す。忠寧の普段とは違う様子に気づいた忠寧の妻は諦めさせようと王妃に相談する。話を聞いた王妃はバンウォンに頼みに行くが取り合ってもらえず、忠寧の書物を全部取り上げてしまう。
再び父王のご機嫌取りのために叔父たちを見殺しにした世子。そんな愚行が、母に自分を「悪鬼」と呼ばせ「産んだことを後悔する」とまで言わせてしまった。今後世子交代劇に母である王妃がどんな役目を担うのか。ところで、世子が宮中を抜け出して妓生のところに行ったり、人の妾を横取りしたりというのは『朝鮮実録』にも記されているが、一節には、太宗の心が弟の忠寧(チュンニョン)にあると知って、わざと世子にふさわしくない態度を取り、太宗の怒りを買って出たという話もある。もっともこれはあくまでも野史に伝わる話だ。家門を超えた国家を目指す太宗にとっては、禍根を残さないためにもミン氏家門を徹底的に排除するのは仕方ないことかもしれないが、王妃の嘆きがあまりにも辛い。 この回の詳しいあらすじと見どころ・場面写真などは29-30話/32話版ネタバレで。
■第34話
世子は大臣たちと議論する場を設けるが、大臣たちの質問に答えることができず、醜態をさらしてしまう。バンウォンが朝廷で世子の選び直しを提案すると、臣下たちは満場一致で忠寧大君を推薦する。バンウォンは最後まで世子をかばい近くに住めるようにする。そして、世子は譲寧 という新しい称号をもらい宮殿を去るのだった。
夫であるチュンニョン大君が世子になりたがっていることを恐れる妻シム氏。義母である王妃の家門ミン氏が王によって徹底的に排除されているのを目の当たりにしたシム氏が怖れるのも無理はない。
ドラマでは、チュンニョン大君が、幼少期から世子になりたがっていたように描かれているが、歴史書などでは「王位に対する欲もなく、その代わりに本に対する欲は計り知れないほどだった」と紹介されている。また、世子と大君の関係は修復できないほど悪化してしまったが、こちらも歴史書には2人は非常に兄弟愛が深いと記されており、残り2話で歴史通りに兄弟の間に生じてしまった溝が埋まるのかどうか気になるところだ。
猜疑心が強く、冷酷な王バンウォンだが、臣下たちの前で世子イ・ジェの手紙を読ませたのは、誰もイ・ジェを担いで反乱を起こさせないようにするためではないだろうか。また、“譲寧(ヤンニョン)大君”という名前は「世子を譲位した」と言う意味。これも名前だけで廃位ではなく、譲位なんだと知らしめるため。バンウォンなりの精いっぱいの優しさではないだろうか。この回の詳しいあらすじと見どころ・場面写真などは30話、31話/32話版ネタバレで。
■第35話
忠寧大君が世子イ・ドとなって間もなくバンウォンは譲位し、忠寧大君が即位(※)する。上王として退いたバンウォンだったが、兵権だけは自分の手に握っていた。軍事に関する報告が少ないことに疑問を持ったバンウォンは義禁府 に状況を調べさせる。そんな中、領議政 として明に向かった王妃の父シム・オンは、バンウォンの命令で義禁府に押送される。
※忠寧大君こそが朝鮮王朝時代の歴代君主中もっとも優れた君主と言われている世宗大王だ。1397年5月6日生~1450年5月18日没。1418年~1450年の間在位。数々の科学的業績を残し、中でもハングル(訓民正音)の制定を行ったことで国内外に賢君として知られた。 この回の詳しいあらすじと見どころ・場面写真などは31-32話/32話版ネタバレで。
■第36話(最終回)
バンウォンの命令で大妃ミン氏を迎えに行ったチョン尚宮だったが、大妃がいなかったと報告する。驚いたバンウォンはじきじきに捜しに行く。大妃を見つけ、これまでの許しを請うバンウォンだが、もう訪ねて来ないでほしいと冷たく突き放されるのだった。大妃が病を患っていることを知ったバンウォンは再び大妃の元へ行き、高熱に苦しむ大妃を連れて帰る。
大妃ミン氏は愛する息子たちに看取られて命果てた。上王バンウォンが薬を取りに行っている間だ。最期を看取れなかったバンウォンは宮庭に座り込んで号泣する。これこそがミン氏が夫へ下した最高の罰かもしれない。そして母の死によってわだかまりが解けた長男と三男。終盤は世宗大王を演じた若手俳優キム・ミンギの熱演が光った。ユ・スンホやヨ・ジングらに続く新史劇俳優の誕生だ。本作の後、キム・ミンギは「シュルプ」でも大君を演じている。
そして気弱な夫から冷酷な為政者と変わっていく主人公イ・バンウォンを完璧に演じたチュ・サンウク。「2022 KBS演技大賞」大賞受賞が納得できる圧巻の演技に魅了された。
史実を忠実になぞりながら、これまで知ることのなかった人間イ・バンウォンを描いた
この回の詳しいあらすじと見どころ・場面写真などは32話/32話版ネタバレで。
◇テレビ愛知「太宗イ・バンウォン」番組サイト
2024年4月5日-5月27日 金9:30-10:30
◇YouTube|予告動画
【作品詳細】【「太宗イ・バンウォン」を2倍楽しむ】