君主・容堂に大政奉還の意義を説く龍馬―、大河ドラマ「龍馬伝」第46回「土佐の大勝負」がNHKオンデマンドの見逃し番組サービスに配信されている。視聴料金は315円。

久々に故郷・土佐に入った龍馬（福山雅治）は、後藤象二郎（青木崇高）を通じて山内容堂（近藤正臣）との面会を希望するが、容堂は取り合おうとしない。そんな中、龍馬は坂本家に帰り乙女（寺島しのぶ）や権平（杉本哲太）ら家族に暖かく迎えられる。坂本家では継母の伊與（松原智恵子）がすでに亡くなり、姪・春猪（前田敦子）には娘が生まれていた。その晩は弥次郎（蟹江敬三）ら岩崎家の人々もやって来て、龍馬を囲んでの宴会が賑やかにもたれる。

一方、長崎の弥太郎（香川照之）は、土佐商会に居ながら密かに独自の商売を起こすために動いていた。そして弥太郎の活動に賛同する上士も数人、名乗りをあげる。また、土佐では龍馬が持ち込んだ銃の扱いをめぐり上士下士を問わず意見が分かれて揺れていた。

龍馬との面会を承知しない容堂に対し後藤は、今の情勢を作ったのは龍馬であることを打ち明ける。容堂はその事実をなぜ自分に伝えなかったのかと聞くと、後藤はこれまでの龍馬との因縁を搾り出すように語り出す。その姿に打たれた容堂は、龍馬との面会を受け入れる。

晴れて念願かなった龍馬は、容堂に対し将軍・徳川慶喜に当てて大政奉還の建白書を描いて欲しいと懇願する。龍馬は容堂に「下士が上士に虐げられる、この土佐の仕組が憎い」と語り、幕府も藩も武士という身分もなくなる新しい世の中を作るべく、大政奉還を成し遂げる必要があると説得する。容堂の「武士がなくなった世の中に何が残る」との問いに龍馬は…。


今回最大の見どころは、大殿・容堂を前に龍馬との因縁を打ち明ける後藤象二郎の、悔しさを満面に浮かび上がらせた表情だろう。止めようがない現実の流れと、常に自分の先を歩いていた龍馬への嫉妬心の間でもがき続けてきた後藤の思いを、青木崇高が渾身の演技で表現している。

そして、結果として生涯最後となる帰郷を果たす龍馬。死と隣り合わせが続いてきた龍馬を温かく迎える家族。桂浜で乙女と子供のようにはしゃぐ龍馬の姿が余計切なさを誘う。（足立謙二）

NHK大河ドラマ「龍馬伝」＞「龍馬伝」各放送回の見どころ

大河ドラマ「龍馬伝」第46回「土佐の大勝負」