キム・アジュン×オム・テウン×チ・ヒョヌ「ウォンテッド〜彼らの願い〜」韓国での評判をレポート!

2019年02月14日16時30分ドラマ
(C)STUDIO DRAGON CORPORATION

最愛の息子を誘拐されたトップ女優が、生放送のリアリティ番組「ウォンテッド」で犯人の要求を遂行していく、話題のノンストップスリラー「ウォンテッド〜彼らの願い〜」!韓国で放送された当時の評判や、本作品の意図などをネタバレなしでご紹介したい。

※日本放送情報⇨BS11にて2/13より放送開始

■あらすじ
韓国で高い人気を誇る女優チョン・ヘイン(キム・アジュン)は、引退を表明したその日、愛息のソン・ヒョヌ(パク・ミンス)を何者かに誘拐される。犯人の要求は、自分を捜し出すためのリアリティ・ショーを10日連続で生放送すること。番組内で犯人からミッションが課され、ヘインはそれらをクリアしなければならないという。彼女は元恋人でケーブルテレビ会社に勤めるシン・ドンウク(オム・テウン)に番組制作を頼み込む。

主人公の女優チョン・ヘインを演じるのは「パンチ~余命6ヶ月の奇跡~」「サイン」でも主演を務めたキム・アジュン。
キム・アジュンインタビュー全文
共演者には「イニョン王妃の男」「トロットの恋人」のチ・ヒョヌ、「善徳女王」「剣と花」「復活」「魔王」のオム・テウン。 また、演出は「離婚弁護士は恋愛中」「私の期限は49日」のパク・ヨンスン、脚本はハン・ジワンが担当する。ハン・ジワン作家は本作を「“誘拐”ではなく“希望”の物語です」と紹介している。
チ・ヒョヌ&ハン・ジワン作家インタビュー全文

「ウォンテッド〜彼らの願い〜」が従来の犯罪捜査ドラマと差別化できる点といえば、やはり 「生放送番組」を通して事件が進んでいくというストーリー展開であろう。単純に主人公や警察と犯人の攻防戦ではなく、放送を見る視聴者達の意見や行動までもが事件に影響していくのだ。また当初は主人公が息子を助けるという目的で始まった放送だが、その切迫した状況の中で、次第に放送に参加した登場人物達の本心が見えてくる。

韓国では2016年6−8月に放送され、最高視聴率は8.4%、最終回は6.3%にて幕を閉じた。本作品の放送当時、他局では「運勢ロマンス」が放送されており、またその後に「むやみに切なく」「W-君と僕の世界-」など、かなり強力なライバル番組が立て続けに放送を開始したこともあり、残念ながら視聴率としては輝かしい成績とはならなかった。
本作品は毎回緊張感のある展開が魅力の作品であり、伏線がクモの巣のように張り巡らされた構成は評価されているのだが、ドラマとして見るにはかなり集中力を要求する。実際視聴者の中には、時間をあけて見ると前回の細かい設定を忘れてしまいまた見直す必要があった、そのため途中で諦めたという声もあった。ただ内容に対する不満ということではなくそれだけ緻密な構成だということを物語っており、一部の韓国メディアからは、“単純に視聴率だけで本作品は評価はできない”と語られている。

実際に本作品は主題意識がはっきりしているということでも高く評価されている。本作品は、“犯人が捕まって一件落着”といった単純な勧善懲悪ストーリーではなく、ドラマ内の“生放送番組”というテーマによって、現代社会が抱える闇や様々な問題を映し出しており、視聴者の我々にも考えるきっかけを与えている。ハン・ジワン作家のインタビュー(⇒記事はこちら)にもあるように、本作品は犯人探しのドラマではないため(当初企画段階から“犯人が誰であり、どのように捕まえるか”といった点にはフォーカスしていなかったという)、それよりも細かいストーリーとその中に含まれたメッセージに注目してほしいという。ドラマ内では、生放送番組が大人だけでなく子供たちにまで与える影響や、模倣犯登場などの社会現象に関しても言及されているが、そのような人々はなぜこのようなことを行ったか、またリアリティ・ショーを放送する“メディアの持つ力”といった点にも注目してもらいたい。

“生放送番組”によって繰り広げられる登場人物たちの攻防戦。犯人の目的は果たして何なのか、そして本作品が視聴者の我々に伝えたかったこととは何か。緊張感あふれる展開は相当な見応えがあり、満足度の高い作品であろう。

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「ウォンテッド〜彼らの願い〜」公式サイト

kandoratop【作品詳細】【「ウォンテッド」を2倍楽しむ】