チョン・イル「ヘチ 王座への道」第19話<黒の患乱>ネタバレあらすじと見どころ、豆知識:活人署と恵民署
王、英祖となったイ・グムに強力な後ろ盾が必要と考えイ・グァンジャたちは、ミン・ジノンがイ・グムに協力することを条件に宮殿を去ったが、原因不明の疫病が…そんな中イ・グムは宮女姿をヨジと再会する!韓国本格時代劇「ヘチ 王座への道」第19話あらすじと見どころ、豆知識を紹介、番組公式サイトにはチョン・イルからのコメントと予告動画が公開されている。
※オリジナル版を参考にしているために、カットされたシーンやあらすじが前後する場合もあります。
※この記事は、2019年11月10日~2020年5月3日までNHKBSプレミアムでの放送時に紹介したものです。
●ネタバレなしの第19話のあらすじはこちら。【「ヘチ」を2倍楽しむ】では、ドラマの時代背景や見どころや実在の人物紹介などをまとめて紹介。
【「ヘチ」を2倍楽しむ】では、ドラマの時代背景や見どころや実在の人物紹介などをまとめて紹介。また、ドラマ紹介のために不適切な言葉を使用することもあることをご理解ください。
■第19話「黒の患乱」(見どころ・豆知識)
国王に即位した英祖ことイ・グム。即位してすぐに地方で原因不明の疫病が発生し、たった三日で都まで広がり始めていた。イ・グムはその広がりの早さに疑問を感じながらも、重臣たちを集めてこれ以上の拡散を防ぐために各地に役人と兵を派遣し、病人の移動を統制させ、貧民の治療を行う活人署の状況の把握と米価の安定を図るよう指示を出す。さらに内医院から出された疫病予防についての漢文で書かれた書を、民にも読めるように諺文(オンモン)で作るように命じる。その頃、活人署にはすでに患者が次々と運び込まれ、その数は増えるばかりで、人々は不安を募らせる。
初動が大切だと素早く的確な指示を出すイ・グム。諺文とはハングルの旧称。ハングルは15世紀の第4代王・世宗によって創成されたが、公示文や公文書に使われることになったのは、450年もあと、19世紀第26代・高宗の時代。英祖の時代ももちろん公式文書は全て漢文だった。これについては「100日の郎君様」でも貼り紙は漢文で詳しく解説している。
ミルプン君イ・タンが流刑地から逃亡したという知らせを受けたイ・グムは、ミン・ジノンとチョ・テグにウィ・ビョンジュに続いてミルプン君が流刑地から脱出したことを伝える。そして清州で発生しすでに沈静化した疫病と現在の症状がよく似ていることから、同じ病である可能性が高いことを指摘し、ミルプン君たちと謎の病との関与を疑う。国と民が大混乱にならないように、このことを二人にだけに打ち明けたと告げ、自分への反感を抑えて知恵を貸してほしいと頼む。
その頃、ミルプン君を脱走させたイ・インジャは、ウィ・ビョンジュと共にアジトの山砦(サンチェ、山中に築いたとりで)へ向かっていた。南人派のイ・インジャはここで密かに兵たちに軍事訓練させ、民心を操るための怪文書を準備し、反乱の機会を狙っていた。インジャの不遜な態度に怒るミルプン君はたまらず刀を手にするが、ビョンジュに説得される。
イ・インジャは南人派。ハングルに続いて活版印刷も登場。どちらも偉大な第4代王・世宗の偉業だ。世宗は活版印刷の他にも数々の科学革命を起こしたが、その右腕となったのが蒋英実。「チャン・ヨンシル~朝鮮伝説の科学者~」の主人公だ。詳しくは「チャン・ヨンシル」時代背景」で。また、怒るミルプン君を落ち着かせるためにビョンジュが口にした「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」とは、(仇を討とうとして)苦心・苦労を重ねること。古代中国の春秋時代に生まれた四字熟語。
一方、疫病について情報収集させていたタルムンは、都の各所の井戸水に異変があったという事実を掴み、活人署の患者リストとの照合をチョン・キスに命じ、グンテにはこれをイ・グムに知らせるよう指示する。
タルムンの気がかりは他にもある。ユニョンの行方だが、今回どこかでユニョンが登場するのでお見逃しなく。
そんな中、暗闇に紛れて都の辻々に怪文書がばらまかれる。そこには「国に疫病が広まったのは、先王の血の涙のせいだ。主上(王)が先王を殺害し王座を奪った、罪人だからだ」とイ・グムを非難する言葉が記してあった。このことはイ・グムにも報告され、未然に防げなかった内禁衛将たちを解雇すべきとミン・ジノンがいうが、これ以上の混乱を避けるためにも耐えるべきとイ・グムが制する。そこに大妃発病の知らせが届き、大妃の元へ向かったイ・グムは、宮女姿のヨジと遭遇する。なぜ忠告を聞かなかったかというイ・グムに、ヨジは「平凡な女として生きるより宮殿で殿下と志を共にし、傍でお守りたい」という。
王が活人署の薬に附子の毒を入れさせたという噂や都を捨てて逃げるという噂まで広まり、王への不信感を募らせた民たちは暴徒化する寸前。病人たちまで薬湯を飲むのを拒み活人署から出ていこうとする。報告を受けたイ・グムは、ここで疫病の拡散を食い止めなければ都は大混乱に陥ると青ざめる。
都を捨てた王といえば「ホジュン~宮廷医官への道~」56-57話や「ホジュン~伝説の心医~」56-57話などで描かれる第14代王・宣祖を思い出す史劇ファンも多いはず。宣祖については「医心伝心」時代背景で詳しく紹介している。
密偵から都の混乱の様子を聞いたイ・インジャは、ついに時が来たと挙兵の準備を始めることに。ここで功を立てようとするウィ・ビョンジュだが、何もするなとインジャに言われ不満に思う。一方、地方で、王が先王を毒殺したという噂を聞き憤慨するパク・ムンス。さらに、流刑されているはずのウィビョンジュを見かけ、下野したチョ・ヒョンミョンとイ・グァンジャを訪ね、ビョンジュの逃亡を伝える。疫病と怪文書のことは彼らの耳にも届いていた。ムンスはこのままビョンジュの動向を探るので、このことをイ・グムの伝えてほしいとグァンジャに頼む。
ムンスはビョンジュをどこで見かけるのか?
一方、タルムンから都の複数の井戸の周辺で疫病が発生していると報告を受けたイ・グムは、誰かが井戸に毒を入れた可能性が高いと睨み、井戸に出向く。そこで毒の痕跡を発見し、絶対に許さないと、卑劣な敵に憤怒する。
朝廷では、イ・インジャと密通している少論の重臣が、イ・グムが先王を毒殺したせいで民心が離れていると訴え、このままでいいのかと他の重臣たちを扇動する。その頃、イ・グムは自分のために去った者、残った者のためにも、決してくじける訳にはいかないと決心し、ある場所へ出向く。
果たしてイ・グムはどこに向かったのか?
■豆知識:活人署と恵民署
当時の医療施設といえば、「宮廷女官 チャングムの誓い」などの舞台となる恵民署(ヘミンソ)が有名。活人署と同じく庶民救済のための部署だが、薬剤の調合、販売も担当した恵民署は、漢陽の地域限定で民の病気治療を行った。一方、活人署(ファリンソ)は民の病人の治療以外にも、貧民に食べ物も与えたり貧民の救済措置も担当した。また、今話のように疫病などが流行すれば臨時の隔離施設にもなり、亡くなった方の遺体の埋葬まで担当し、その仕事はとてもつらく厳しい。「太陽を抱く月」14話で、ヒロイン(ウォル)が罪人として送られたのがこの活人署だ。英祖の父である19代王・粛宗の時代に活人署は規模を縮小し、英祖の代で活人署は恵民署に統合された。朝鮮時代の医療施設としては他にも宮中内の医療施設内医院(ネイウォン)、医師の教育や薬剤の管理など主に監督管理を担当する典医監(チョンイカム)があり、恵民署と併せて「三医司(サムイサ」と呼んだ。詳しくは【朝鮮王朝豆知識】「◆医療施設」を参照。
■キャスト⇒相関図(NHK)
延礽君ことイ・グム役:チョン・イル
茶母ヨジ役:Ara(コ・アラ)
熱血漢パク・ムンス役:クォン・ユル
町のごろつきダルムン/タルムン役:パク・フン
密豊君ことイ・タン役:チョン・ムンソン
ほか
■キャスト⇒相関図(NHK)
延礽君ことイ・グム役:チョン・イル
茶母ヨジ役:Ara(コ・アラ)
熱血漢パク・ムンス役:クォン・ユル
町のごろつきダルムン/タルムン役:パク・フン
密豊君ことイ・タン役:チョン・ムンソン
ほか
◇NHK「ヘチ 王座への道」番組サイト
2021.02.14スタート 毎・日23:00-24:00 NHK総合
2019.11.10-2020.05.03 毎・日21:00~22:00 BSプレミアム
◇作品公式サイト
【作品詳細】【「ヘチ」を2倍楽しむ】