NHK「七日の王妃」放送前に予習:時代背景と燕山君、晋城大君ヨク、端敬王后シン氏をサクッと紹介
NHKBSプレミアム海外ドラマ枠では「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」が4月3日の最終回を残すばかりとなっているが、ここでは10日からスタートする「七日の王妃」のメインキャスト3人と通して時代背景を見てみよう!予告動画などはYoutubeにて視聴できる。
「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」は三国時代の高句麗の末期の7世紀ごろを舞台にしているが、「七日の王妃」はそれから800年ほど下った15世紀末、暴君の恐怖政治を終わらせるために中宗反正と呼ばれるクーデターが起きた朝鮮王朝中期が舞台。物語は、史実をモチーフに2人の王と1人の女性との切ない王宮ロマンスを描く。
■時代劇で人気の時代
朝鮮王朝の歴代王と簡単な説明を加えた【朝鮮王朝系図】がある。韓国時代劇に詳しい方なら、「王と私」や「インス大妃」、「女人天下」、「チャングムの誓い」、「師任堂(サイムダン)」、「逆賊-民の英雄ホン・ギルドン-」などの時代設定を思い浮かべて欲しい。この時代を舞台にしたドラマは実に多い。他の作品は【ドラマの年表:朝鮮王朝】で確かめられる。
では、主人公の3人(燕山君、晋城大君ヨク(中宗)、シン・チェギョン(端敬王后))を通して、当時の時代背景を駆け足で紹介しよう。
■幼少期のトラウマから暴君になった燕山君
燕山君の父は名君とされた第9代王・成宗で、母は王妃が亡き後王妃正妃の位に就いたユン氏。ところが嫉妬に狂ったユン氏が廃位され処刑(賜薬)された。燕山君は成宗の3番目の王妃、貞顕王后に育てられるが王后は弟ばかりをかわいがり、祖母の仁粋大妃も燕山君に冷淡にあしらった。幼少期に愛情欠乏で育った燕山君は王位に就いて実母のことを知り、臣下を殺害したり、伯母に手を出したり、ついには愛人に贅沢三昧させて国に財政危機までもたらすなど、手の付けられない暴君と化してしまう。そんな王に不満を抱いた権臣たちが、王の異母兄弟の晋城大君(チンソンデグン)こと懌(ヨク)を担ぎ上げてクーデター(中宗反正)を起こして、燕山君を廃位させ江華島に流され31歳で亡くなる。
※もっと詳しく知りたい方は
⇒第10代王・燕山君はなぜ稀代の暴君になったのか?
■担がれた王・中宗
権臣たちによって晋城大君が第11代王・中宗となる。中宗は即位後、乱れた国の立て直しをしようとしたが、何しろ期せずして王になっただけに力があるのは反乱に成功した功臣たち。中宗は臣下の御機嫌うかがいするしかない。そんな中、自分を王位に就けた中心人物がなくなったのを機に、頼りになる趙光祖(チョ・グァンジョ)を側近にする。彼の掲げる理想は素晴らしく、真面目な中宗は彼を頼みにするが、やがてついていくのに疲れ果て功臣たちも抑えきれずに、世子に王位を譲った後、56歳で亡くなる。ちなみにドラマの中でヨクはナクチョン(楽天)の字(別名)を使うが、これは実際に中宗が使っていた字だ。
※もっと詳しく知りたい方は
⇒第11代・中宗は担ぎ上げられた弱腰の王?糟糠の妻は?己卯士禍とは?
■朝鮮史上最も短い7日だけの王妃・端敬王后
そんな中で悲劇を見たのは中宗の最愛の妻のシン(慎)氏。2人は中宗が王子時代に結ばれ夫婦仲はとてもよかった。中宗は気弱な性格でクーデターが起きたとき、燕山君が自分を殺しに来たのと勘違いし自害しようとしたが、気丈な慎氏が落ち着かせて中宗は自害を思いとどまった。しかし彼女が燕山君の正妃の命だったこと、しかもシン氏の父がクーデターを起こした臣下たちを殺したということで、臣下たちは王妃になったばかりの慎氏の廃位を叫び、わずか7日間の在位でシン氏は廃位さてれてしまった。2番目の王妃が王子出産後に死亡し、一部の臣下から慎氏の復位も叫ばれたが実現できずにシン氏は中宗より13年も長生きして生涯独り身で70歳で世を去った。
※もっと詳しく知りたい方は
⇒中宗の妻、端敬王后はなぜ廃位されたのか?悲しき「チマ岩」
※NHKの放送にあわせて詳しいあらすじと見どころ、豆知識など紹介するが、待ちきれない方は、【「七日の王妃」を2倍楽しむ】で時代背景や各話のあらすじと見どころ、豆知識、メイキング映像などまとめて紹介している。
■キャスト
チェギョン役:パク・ミニョン<声:ブリドカット セーラ 恵美>
イ・ヨク/普城大君(チンソンテグン)役:ヨン・ウジン<声:西健亮>
イ・ユン/燕山君(ヨンサングン)役:イ・ドンゴン<声:高橋英則>
ソノ役:チャンソン[2PM] <声:岩中睦樹>
ほか
他
■スタッフ
脚本:チェ・ジニョン
監督:イ・ジョンソプ
原題:7일의 왕비(チリレ ワンビ)
◇NHK「七日の王妃」番組公式サイト
2022年4月10日スタート 日21:00~22:00
◇Youtube予告動画
【作品詳細】【「七日の王妃」を2倍楽しむ】