韓国ドラマ「剣の詩」ユ・ジェミョンがキム・ナムギルに話した「病弱で無能な王」ってどんな王?
1920年、中国の土地、日本のお金、朝鮮の人が集まる無法地帯・間島(カンド)で繰り広げられるアクション「剣の詩」初回ラストでユ・ジェミョンがキム・ナムギルに話した「病弱で無能な王」についてご紹介しよう。
「剣の詩」でユ・ジェミョン扮するチェ・チュンスが、「病弱で無能な王」に言及するのは第1話のラスト。キム・ナムギル扮するイ・ユンはもとは両班(貴族階級)の奴婢(使用人)だったが身分制度がなくなり、両班家の息子で友でもあったイ・クァンイル(イ・ヒョヌク)と共に日本軍となった。
軍では6年前に求礼で民間人虐殺を行った。その中には元義兵長だったチェ・チュンスの家族もいて、ユンはその責任を感じ、チュンスに殺してもらおうと訪ねたのだ。だがそこで馬賊が朝鮮人村を襲う目撃したユンは、単身で一味を殲滅させて村を救った。
そんな彼の名前が「イ・ユン」だと聞き、「亡国の地の王になる者みたいな名前だな」といって、チュンスが話し出す。
「イ・ユンは景宗の名前だ。在位期間大した功績もなく、政局に振り回された病弱で無能な王。だが政敵だった異母弟を最後まで守ったのは立派だった。大臣たちの恐ろしい刃から家族を守り抜いたんだ」と説明したうえで「その名に合う生き方をしてみるか?同胞を家族だと思って守ってやる気はないか?将来彼らのうちの誰かが平和な朝鮮を築いてくれるかもしれん。どうせ死ぬなら家族に命を捧げろ。それが反省し、償う方法だ」と。
この言葉に背中を押されたユンは、家族=同胞を守るために盗賊団を結成し率いることになるのだ。
ところでチュンスは「イ・ユン=景宗」と言ったが27人の朝鮮時代歴代王で「イ・ユン」という名の王は2人いる。1人は稀代の暴君として知られる悪名高き王10代・燕山君で、もう一人が20代・景宗だ。
※【朝鮮の君主の名前、即位など】で歴代王の本名が確認できる。
景宗は本作の舞台より230年ほど前に19代王・粛宗と三大悪女の一人と言われる禧嬪張(張禧嬪)の間に生まれた。朝鮮は政権を巡り熾烈な政争の真っただ中で、ユンは側室の子だったが、父王に溺愛され3歳で世子(後継者)に冊封された。とても聡明だったが13歳のころ、母・張氏の悲惨な死を目撃した。その頃から父王に冷遇され病弱になった。子供のできない体で、政敵から早々に異母弟を跡継ぎにして代理聴政(摂政)を勧められ、それを受け入れる。今度は自身の派閥から猛烈な反対を受けて取り消し。結局4年2か月という短い代位期間で死亡し、玉座は異母弟に引き継がれた。
「ヘチ 王座への道」©SBS一説によれば死因は、食べ合わせが悪いとされていた蟹醤と柿とも伝わっており、異母弟が食べさせたとも伝わっており、異母弟は王になってからもこの噂に悩まされた。この異母弟が第21代・英祖だ。ドラマ「ヘチ 王座への道」ではここで紹介した第19代~21代の王の時代を描いている。
「赤い袖先」©2021MBCでは、宴会の席にケジャン(生のカニの醤油漬け)と柿が並んでいるのを見た英祖(イ・ドクファ)が、サン(ジュノ/2PM)に激怒するというエピソードが描かれている(10話/17話版)。
主演のキム・ナムギルが韓国スタイルの西部劇と称した「剣の詩」はNetflixにて独占配信中だ。
◇YouTube新「公式予告編」(オリジナル版)
【作品詳細】【「剣の詩」を2倍楽しむ】