「ポッサム~愛と運命を盗んだ男~」最終回考:ドラマのその後歴史はどうなる?後に続くドラマは?
時代劇プリンス、チョン・イルが髭面、子持ちの荒くれもの役でこれまでのイメージを一新して取り組んだ「ポッサム~愛と運目を盗んだ男~」は、ポッサムで始まりポッサムで終わった最終回の振り返りと、ドラマのその後がどうなったのか、またその後に続くドラマを紹介したい。<以下、ネタバレあり>
「ポッサム~愛と運命を盗んだ男~」は、男やもめ(チョン・イル)と後家になった王女(クォン・ユリ/少女時代)との人違いから巻き起こるロマンス時代劇。
●最終回ネタバレあらすじ⇒第27-2最終回:2つの反正と運命を変えてくれた愛しい人
「ポッサム」最終回を振り返る
●デヨプの献身愛
(c) 2021 MBN. All Rights Reservedデヨプ(シン・ヒョンス)は実父・臨海君の仇であるイ・イチョム(イ・ジェヨン)を殺害しようとするが、一時は父と呼んだイチョムを殺すことはできなかった。だがイチョムはデヨプが捨てた刀でデヨプの背中を突き刺して殺害した。母イ氏の元に戻ることができないまま、生涯愛したスギョン(ユリ/少女時代)と共にスギョンを守った友バウ(チョン・イル)に見守られて命果てた。
●ポッサムで始まりポッサムで終わったバウとスギョンの純愛
(c) 2021 MBN. All Rights Reservedイチョムを失脚させ妻となったスギョンを助けるために西人派に協力するしかなかったバウは、義父でもある王、光海君を裏切り謀反を手伝うしかなかった。そんなバウの罪の意識を払しょくさせて背中を押したのはほかならぬスギョンだった。平静を装うスギョンだが、再び敵対する関係になってしまうバウのそばにいられないと、俗世を離れて出家する道を選んだ。しかしバウは剃髪を待つスギョンをポッサムした。今度のポッサムにはチャドル(コ・ドンハ)も一緒だった。
人間違いのポッサムから始まったバウとスギョンの恋は、運命を変えるための愛のポッサムで終わった。
●宮廷クーデター
(c) 2021 MBN. All Rights Reservedイチョムを制圧するための兵集めと偽って綾陽君を推戴した西人による謀反は、バウの協力を得て見事成功し光海君は廃位され綾陽君(イ・ミンジェ)が即位した。光海君は廃位され、癸丑獄事で懲罰された者を赦免しバウの祖父であるキム・ジェナムも名誉を取り戻した。
※朝鮮を自分のものにしようとした権力欲にまみれたイ・イチョムは実在した李爾瞻がモデル。【歴史コラム】で詳しく紹介しているので参考にされたい。
ドラマのその後は?
1623年4月11日、綾陽君を推戴した西人派による宮中クーデター「仁祖(インジョ)反正」により第16代国王・仁祖が誕生した。
ところが1年もたたないうちに臣下による反乱「李适(イ・グァル)の乱」が起きてしまう。仁祖は乱を鎮めるために北方の国境を守る正規軍を投入した。そして、光海君がバランスを取っていた明と清(後金)の二極外交から親明政策にしてしまったことで、清から1627年と1636年に2度にわたる侵攻(丁卯胡乱、丙子胡乱)を受けてしまい、必死の抵抗むなしく朝鮮軍は降伏。1637年1月30日、仁祖は臣下と共に漢江のほとりの三田渡(サムジョンド)にある清軍の宿営地で屈辱の礼を取らされる。
「ポッサム」最終回で「余はこれまでの誤りを改め皆と大妃の志を尊び必ず官衙(官庁、ひいては政治)を正しきへ導く」と誓った仁祖だったが、結局は国際情勢を読み取ることができないまま、滅びつつある明への事大路線を強化した結果、国土の荒廃と民を疲弊させ、朝鮮は果てしなき受難を受けることになってしまう。仁祖は、屈辱と苦しみの中で、1649年、在位24年目、54歳でこの世を去った。
朝鮮が降伏した後も清軍は身代金目的で多くの女性を捕えていった。高い金を払って取り戻した女性たちは、朝鮮に戻っても“還郷女(ファニャンニョ)”と呼ばれて純潔を守れなかったという理由で受け入れてもらえなかった。
※仁祖については「屈辱の王・仁祖と朝鮮王朝中期を考える」で詳しく紹介している。
「ポッサム」の後に続くドラマは?
1623年4月12日 仁祖が即位し、その後バウがスギョンをポッサムして終わった「ポッサム」のその後1636年の春から始まるドラマが「恋人」だ。
©2023MBC丙子の乱の兵火の最中に繰り広げられる恋人たちの物語と、苦しみの中で希望を見出す人々の物語を描く本格ヒューマン時代劇。11月18日(土)に韓国MBCで最終回は放送され、11月24日からKNTVにて日本初放送される。
1876年の朝鮮を背景に、ナムグン・ミンとアン・ウンジンが切ないロマンスを紡ぐ。既に最高視聴率12%を超える数字を記録しており、年末のドラマ賞にもっとも近いとされている超話題作だ。
【「恋人」を2倍楽しむ】では、時代背景やメイキング、各話のネタバレあらすじと見どころ、豆知識、視聴率な度詳しく紹介している。
他にも仁祖の時代を背景にした「推奴-チュノ-」や「三銃士」などがある。また「華政(ファジョン)」では「ポッサム」の時代も含んだ朝鮮の中期(宣祖~孝宗)までを詳しく描いている。同じ時代を描いたその他の作品は【ドラマの年表:朝鮮王朝】で一覧している。
◇YouTube予告動画
【作品詳細】【「ポッサム‐運命を盗む」を2倍楽しむ】