『猟奇的な彼女』は、いくつもの仕掛けが施された「恋愛映画」の佳品

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ハリウッド映画を見ていると、ラスト近くになって「これでもか」とばかりに、何度もドンデン返しが繰り出されることがある。終わりかと思うと、一ひねり、二ひねり、あるいは三ひねりがなされるのだ。
実は、韓国映画にもこうした仕掛けの作品が多く、なかなか油断がならない。この『猟奇的な彼女』も、そうだ。「韓国で大ヒットしたラブ・コメディ」という謳い文句だけを信用していると、見事に一本背負いで、投げを食らわされてしまうのである。
リメイク権をスピルバーグ率いるドリームワークスが獲得したというのも、よく理解できる。

大学生のキョヌは夜の地下鉄ホームで美しい彼女と出会う。キョヌは気が弱く、優しい性格だ。
泥酔状態の彼女を放っておくことができず、介抱しようとするが、ひょんなことから警察に捕まり、留置場に入れられてしまう。
翌日、彼女に呼び出され、この凶暴にして無神経な女性とのおかしな付き合いがはじまるのだが……。

もともとは、パソコン通信時代の掲示板の書き込みが原作となっているそうだ。ただ、その断片的なエピソードをストーリーとして紡いだのはクァク・ジェヨン監督の手腕だろう。とにかく、物語の機微を味わうためには、冒頭から注意深く見ておく必要がある。
笑わせ、泣かせ、驚かさせ、と良質なエンターテインメントの一品。
  • 監督: クァク・ジェヨン
  • チョン・ジヒョン/チャ・テヒョン/キム・インムン/ソン・オクスク
  • 年月日 ~ 年月日

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