兵士たちの尊厳をかけたドラマに引き込まれる、戦争映画の傑作『戦場にかける橋』

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最もよく知られた映画音楽として、『クワイ河マーチ』を挙げる人は多いだろう。あの軽快な旋律には、聞く者を思わず歩きださせるような調子があるし、途中からは、一転ドラマチックな盛り上がりをみせる。
この曲をテーマ音楽とした作品が『戦場にかける橋』である。原題は「クワイ河の橋」で、フランスの作家ピエール・ブウルが自らの体験を元に執筆した小説が原作となっている。

舞台は、第二次世界大戦下の、タイ・ビルマ国境付近にある日本軍捕虜収容所。
ここの所長は斎藤大佐(早川雪洲)で、捕虜たちに激しい労役を課していた。
収容されているのはアメリカとイギリスの兵たちだ。そして、新たに英軍のニコルスン大佐(アレック・ギネス)を隊長とする一群も加えられる。
そんな中、米海軍のシアーズ少佐(ウィリアム・ホールデン)はひそかに脱走の機会を狙っていた。
斎藤大佐に、バンコクとラングーンを結ぶ鉄道貫通のため、クワイ河に橋梁を架けるよう命令が届く。ニコルスン大佐らは、その使役のために送られてきた捕虜だったのだ。
完成予定まで、あまり時間はない。しかし、ニコルスン大佐はジュネーブ協定を楯に労役を拒むのだった。
また、米海軍のシアーズ大佐は脱走を決行し、何とか逃げきる。
収容所のニコルスン大佐は、兵たちの士気を高めるため橋梁建設に従事することを引き受ける。一方、脱走したシアーズ大佐には、クワイ河に架かる橋を爆破するよう命令が下されるのだった……。

予定通りに橋は完成するのか、そして爆破計画は成功するのか、というサスペンス的面白さとともに、戦争という極限状況の中、それぞれに国の威信を背負った兵たちが、自らの名誉や尊厳をかけて「橋」に立ち向かっていく様が描かれる。
徹底した骨太のドラマと、名匠デイヴィッド・リーン監督の見事な映像とによって、まさに「名作」となった映画だ。
第30回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、脚色賞、主演男優賞(アレック・ギネス)、撮影賞、作曲賞、編集賞などを受賞。早川雪洲も助演男優賞にノミネートされている。
  • 監督:デヴィッド・リーン
  • アレック・ギネス、ウィリアム・ホールデン、早川雪洲
  • 年月日 ~ 年月日

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