「王女ピョンガン」真興王(演:キム・スンス)は「花郎」でパク・ヒョンシクが演じた三国統一の足掛かりを作った新羅の王

2022年03月20日13時15分ドラマ
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ドラマ終盤に入りクローズアップされる真興(チヌン)王は、三国時代に実在した新羅の第24代王がモデル!今回は歴史に残る真興王と「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」などドラマで描かれる真興王について詳しくご紹介、作品公式サイトで予告動画が視聴できる。



※時代背景やドラマの5つの見どころ各話のあらすじ(ネタバレあり、なし)と見どころ、豆知識など【「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」を2倍楽しむ】で詳しく解説している。

系図クリックで拡大■新羅第24代・真興王(生534年 –没576年、在位540年-576年)
まずは【新羅王朝系図】を見ておこう。父は先代の法興(ポブン)王の弟・金立宋、母は法興王の娘・只召(チソ)夫人。姓は金、名は彡麦宗(サメクチョン)または深麦夫(シムメクプ)。法興王が死去し即位。即位が7歳だったので、法興王の娘である母(只召(チソ)太后)の摂政を受けた。実際に親政(王自らが政治を行う)を行ったのは即位12(551)年の18歳になったころ。
元々3国がしのぎを削る三国時代(4世紀~7C世紀)で高句麗や百済に比べて小さな領土から出発した新羅は、2国に比べて力も弱かった。先代の法興王により軍事制度の整備や法(律)の公布、官制の整備、仏教を公認、貴族会議を制度化し、真興王はその後を受け継いだ。当時新羅は百済と羅済同盟を結んで高句麗と対抗しており、548年百済が高句麗に攻め込まれた時には援軍を送っている。真興王はこれに乗じて高句麗が占領していた百済の旧領・漢江上流域や百済の支配下にあった下流域までも併合し、新羅の領地を広げた。そうしたこともあって真興王は歳は若いが冷静で緻密な情報分析と判断によって漢江流域を掌握し、後に新羅が三国統一を果たす足掛かりを作った征服王として名を残している。
●三国時代について⇒【時代背景①】

■「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」で描かれた真興王は?
ドラマの真興王は、内紛が続く高句麗に間者を送って情報収集し、内紛に敗れた高句麗の将軍(コ・ゴン)を利用、高句麗の王女(ピョンガン)を拉致して阿旦山城(アダンサンソン)を取り戻そうとする。ここは戦略要衝地として高句麗・百済・新羅が熾烈な領土争いを通して奪い奪われる激戦を繰り広げた漢江流域の地で、元は対高句麗防衛のために百済が作ったとも伝わっている(18話豆知識より)。
本作で真興王を演じているのは、「朱蒙-チュモン-」で扶余の王の息子・テソ王子や「雲が描いた月明り」朝鮮第23代王・純祖(スンソ)を演じたキム・スンス。若き征服王として名を残している真興王を、高句麗の若き王を手玉に取る狡猾な王として描いている。ちなみにナ・イヌが演じたタルのモデルとされている温達将軍(オン・ダル)はこの新羅との戦いで戦死したとされているが、それは590年のこと。上で紹介した通り真興王在位期間から15年ほど後で、クォンファウンが演じた高句麗・第26代王の嬰陽(ヨンヤン)王と戦ったのは新羅・第26代の真平(チンピョン)王の時代。歴史上のつじつまとは合わないのを承知して終盤を視聴しよう。

■他のドラマで真興王を演じたのは?
【花郎<ファラン>】(全24話)ドラマ紹介「花郎」Licensed by KBS Media Ltd.
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「花郎(ファラン)」:パク・ヒョンシク
韓ドラ通なら、本名の“彡麦宗(サメクチョン)”と聞いてすぐにピンとくるのは「花郎」だろう。顔を隠した悲運の王子としてパク・ヒョンシクが演じている。初めての時代劇ながら主演のパク・ソジュンとの息の合った演技やアクション、剣舞などで視聴者を魅了した。最終回は歴史に記された通り“歳は若いが冷静で緻密な情報分析と判断”でドラマを集結させている(最終回ネタバレ)。
パク・ヒョンシクと共演したパク・ソジュンやテテこと、BSTのV、そしてパク・ソジュンの旧来の友人の俳優チェ・ウシクとラッパーのPeakboyが加わった5人組で「ウガウガ会」と名付けてドラマ終演後も友情を結んでいるのは有名な話。
●もっと詳しく紹介⇒真興王(演:パク・ヒョンシク)と花郎精神を紹介
●花郎についてもっと詳しく⇒【「花郎」を2倍楽しむ】

【善徳女王】(全62話)ドラマ紹介「善徳女王」(c) MBC 2009 All Rights Reserved.「善徳女王」:イ・スンジェ
「善徳女王」では名優イ・スンジェが出演回数が少ない中、カリスマ演技で征服王としての真興王を印象付けた。本作は一大悪女ブームを巻き起こした作品としても有名で、世紀の悪女としてコ・ヒョンジョンが演じたミシルが真興王の最初の愛人として描かれている。ちなみに高句麗の嬰陽王と同じ時代に王位にいた新羅の真平王を演じたのはチョ・ミンギ。
●ミシルについてもっと詳しく⇒ミシルと女優コ・ヒョンジョン紹介
●善徳女王についてもっと詳しく⇒【「善徳女王」を2倍楽しむ】

同じ時代を描いた作品は【ドラマの年表:三国時代】で確認できる。

「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」で真興王がクローズアップされる20話以降で、気になる第20話は2022年3月20日夜9時からNHKBSプレミアムにて放送される。

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