【最終回】NHK「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」第22話あらすじと見どころ:戦いと2つの恋の結末は?|全22話
阿旦(アダン)山城を奪還したピョンガンとタルだが…NHKBSプレミアムにて日本初放送のキム・ソヒョン×ナ・イヌ主演「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」、次週2022年4月3日(日)放送予定の第22話のネタバレあり/なしあらすじと見どころ、豆知識を紹介、番組サイトで予告動画とメインキャストのインタビュー映像など公開している。
※4月10日からは、2人の王に愛され7日間だけ王妃の座につき廃妃された女性の悲恋を描く歴史ロマンス「七日の王妃」を放送する。
※ドラマ本編[ステレオ2か国語(主:日本語吹き替え/副:韓国語)| 字幕放送有り]
※20話版を視聴してあらすじ紹介しているので、あらすじや見どころが前後している場合もあること、ご理解ください。視聴後調整します。
「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」は、三国時代の高句麗(コグリョ)を舞台に、国を守るために戦う王女と純朴な青年の真実の愛の物語。
全30話版のネタバレあらすじや、時代背景や、押さえておくべきキャストについては【「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」を2倍楽しむ】で詳しく解説している。ドラマの見どころは5つの見どころで詳しく紹介している。
■キャスト⇒相関図
ピョンガン/ヨム・ガジン[カジン]:キム・ソヒョン(声:合田絵利)
オン・ダル[タル]:ナ・イヌ(声:三木眞一郎)
コ・ゴン[コン]:イ・ジフン(声:河西健吾)
へ・モヨン:チェ・ユファ(声:甲斐田裕子)
オン・ヒョプ:カン・ハヌル<特別出演>(声:阪口周平)
ほか
■第22話(最終回)あらすじ
阿旦(アダン)山城を奪還したピョンガンとタル。だが、新羅(シルラ)の国王が率いる敵の軍が迫り、明朝までに投降せねば皆殺しにするという書状が届く。タルは城の守りを自分に任せて都に戻るようピョンガンを強く説得し、送り出す。しかしピョンガンは都へ戻らず、新羅の国王を暗殺するために1人で敵の陣営に忍び込む。新羅軍の後を追ってきたコンがピョンガンに気づき…。翌朝、タルは新羅の伝令が届けた書状と品物を見て驚く。
■以下、第22話ネタバレ
阿旦(アダン)山城を奪還したピョンガンとタルだが、新羅の真興王が率いる敵の軍が迫り、明朝までに投降せねば皆殺しにするという書状が届く。タルは城の守りを自分に任せて都に戻るようピョンガンを説得して送り出すが、ピョンガンは都へ戻らず、真興王暗殺を決意し、単身新羅陣営に乗り込む。ところが、新羅軍の後を追ってきたコンがピョンガンに気づき、真興王の寝込みを襲おうとしたとき、コンがピョンガンを止める。
誰の命令かと問う真興王にピョンガンは「自分の意志で単身敵陣に乗り込んだ。高麗軍は最後の一人まで戦う」と答える。王女の処遇を問われたコンは「殺すべきです…生かしておけば危険です。高句麗を討つために自ら参戦しました」と、真興王に本気度を見せる。ピョンガンは「玉は割れても輝きを失わず、竹は燃えても決して折れはしない」の言葉で自分を殺したところで結果は変わらないと毅然とした態度。もちろんコンは、ピョンガンを殺すべきとは思っていない。ピョンガンもそんなコンの真意に気づいていた。
【地図を拡大する】それがピョンガンを救う道だと考えていたのだが、キム・チャスンがピョンガンをソラボル(※)に連行するという。そして高句麗が降参しても王女を返すつもりがなく、高麗軍も全員皆殺しする真興王の計画を知り愕然とするコン。
※徐羅伐(ソラボル):新羅の首都で現在の慶尚北道の歴史文化都市。
日の出になっても動きのない新羅軍を不審に思うタルの元に、新羅軍からの伝令が「新羅王の暗殺を謀った王女を捕らえた。一刻も早く降参して王女の命を救え」という書状とピョンガンの腕輪を届ける。タルはピョンガンと交わした約束を思い出す。
一方、ピョンガンを救うためキム・チャスンの後を追うコンは、コンを連れ戻しに来たモヨンと遭遇。モヨンは真興王の命令で養父ヘ・ジウォルが殺害され、モヨンとコンも命を狙われていると伝えるが、捕虜としてソラボルに移送される王女を助けるというコンの気持ちは変わらず、モヨンは「王女しか見えないコン将軍といたら、私まで狂ってしまいました」と、一緒にピョンガンを助けに行くと言って引き下がらない。
2人はキム・チャスン一行の行く手を阻んでピョンガン救出に成功するが、新羅軍との戦いの中でモヨンが傷を負ってしまう。
その頃、阿旦(アダン)山城では「大義や名分など大事ではない。命がけで守るべき人、その一人のために剣を握れ」という亡き父の言葉を胸にタルに迷いはなかった。プンゲもそんなタルの気持ちに理解を示す。最後まで一緒にいてくれてありがとうというタルに、お仕え出来て光栄でした将軍、とプンゲ。そこに嬰陽(ヨンヤン)王が3万の大軍を率いて向かっているという知らせが入り、タルは嬰陽王が必ずや新羅軍を倒すと信じて城門を守ることに。
この知らせは新羅の陣営にも届いた。真興王はピョンガンをを奪われたキム・チャスンを斬り捨て、出征命令を出す。
その頃ピョンガンたちは、モヨンの傷が深くこれ以上動けず、窮地を脱するには知らせるしかないと矢で色粉を打ち上げる。新羅軍にも居所が知られてしまうが、タルを信じて待つしかない。「国も家門も失い、いっそ王女に殺してもらえるなら本望」と諦め顔のコンに、「全てを失ったわけではない。死を覚悟で傍にいてくれる人がいる」とピョンガン。だが「私が愛する人はいつも一人、王女様です」とコンの心は変わらない。
合図に気づき馬で駆けるタルだが、先にピョンガンたちを見つけたのは新羅の追撃軍だった。モヨンを守って戦う中、コンが斬られてしまう。駆けつけたタルが残りの兵を倒すが、深手を負ったコンは虫の息。2人のおかげで助かったと感謝するピョンガン。コンは、タルにピョンガンとモヨンを連れて早く逃げろと言うが、モヨンは動こうとせず、「王女様、真剣勝負は次の機会に…。早くお行きください」と別れの挨拶をして2人を行かせる。
コンは、遠のく意識の中でモヨンに罰酒はないが賭け(※)をしようと誘い「私を憎んでいるか?」と聞く。「憎んで恨んで呪います」と涙のモヨン。嘘が下手だというコンに、「ただの一度でも私のことを愛したことがありますか?」とモヨン。「お前は私にそっくりだった。手に入らないものを欲しがり、叶わない夢をひたすら追う。自分を見てるようで…モヨン。どうか挫けずに生きるのだ。お前のことを…愛していた」…泣きながら「嘘つき」というモヨンの言葉を聞きながらコンが息を引き取る。
※罰酒の賭け:13話でやった嘘を答えると酒を飲むというゲーム。
山城近くで高句麗勝利の知らせを聞いたタルとピョンガンは馬を降りる。嬰陽王が大軍を率いて駆け付けてくれたと教え、お前が時間稼ぎをしてくれたおかげだ、とピョンガンを誉めてやる。コンたちを案じて表情を曇らせるピョンガンに、「2人のためにも幸せになれ」と励ますタル。子供が7人欲しいと言い出したタルにやっと笑顔を見せたピョンガン。その時、新羅軍の伏兵が2人めがけて一斉に矢を撃ち込む。ピョンガンを守ったタルの体には無数の矢が突き刺さった。プンゲ率いる高句麗兵が伏兵を制圧したしたが、タルは血を吐き「カジン(ピョンガン)が見えない。俺の女人、俺の妻、大切な人…愛してる」と息絶える。タルを抱きしめ「私も愛している、目を開けて…」と号泣するピョンガン。
タルの遺体を乗せた棺は動かない。まるでピョンガンの傍を離れたくないというように。泣きはらしたピョンガンがタルに「これでお別れです。高句麗の地に産まれて高句麗の空に帰りましょう。これも天の定め。未練を捨ててください。私がお見送りします。私の言うことは聞いてくれたではありませんか?私のことは心配しないで、たとえ生と死で別れていても心は将軍と一緒です」と愛する夫の頬を撫でると、プンゲたちに押された棺は動き出す。
ピョンガンはタルとの約束を果たすために王宮を離れる決心を固める。王宮を背に並んで立つ姉と弟。「姉さんを疑い憎んだことを許してほしい。未熟な弟でした」と謝る嬰陽王に、「国と民のための大王となってください。信じています」と、弟王に笑顔で応えてピョンガンは王宮を後にする。
途中モヨンと遭遇したピョンガンは、百済にいるというモヨンに「三国の架け橋ね」と冗談で返し、「コ将軍(コン)は日当たりのいいところに葬りました。これからは貧乏くじを引きません」と笑顔で話すモヨンに、「きっとうまくいく、私にはわかる」と励まし友と別れる。
幽霊谷に戻ってきたピョンガンはタルとの思い出がある懐かしい家に帰る。すると家からタルとそっくりな青年が出てくる。青年はピョンガンを見ても他人行儀で薪集めに行く。茫然と見送るピョンガンにウォルグァン和尚が、タルが家を離れるときに一つのお願いをしたと打ち明ける。それは仮死状態になる術を教えて欲しいというもので、命の危険を感じその術を使ったが、術が未熟だったために副作用が生じ記憶を失くしたのだと。
帰ってきたタルに「あんたを知っている」というピョンガンは、「なぜ知っているんだ?」といぶかしがるタルを思い出の場所に連れ出す。そんな2人の姿を遠目に見守る和尚は「ご両親は宿命に勝てませんでしたが、お2人にはそれができた。2人きりで平穏にお過ごしください」と役目を終えて幽霊谷を後にする。
お揃いの腕輪をしげしげと見つめるタル。自分の名前も故郷も分からず、和尚は時間が経てば思い出すといったが…と不安げなタルに、ピョンガンは太陽の光の中、うっすら空に浮かぶ月を指して「月(タル)」と名前を教える。するとタルの口から「オン・・・・タル」という言葉が。ピョンガンに抱き締められたタルはその匂いを憶えていた。「これからあなたに話したいことがたくさんある。夜を徹しても話し足りないわ」とまっすぐにタルを見つめるピョンガンに、「一番聞きたいことは、俺たちがどんな関係かだ」とタル。ピョンガンが両手でタルの顔を挟んで口づけすると、タルの目から大粒の涙が流れ、2人は熱い口づけを交わす。タルの表情から不安が消え、笑顔が戻った。
■見どころ
最終回はメインキャスト4人のアクションもたっぷりみられる。前半は2番手カップルのコンとモヨンに注目。叶わない恋に命を懸けた似た者同士。ミステリアスな役どころだったモヨン役のチェ・ユファの献身愛が悲しすぎる。そんな彼女は最後にやっと「愛していた」と言ってもらえるが、演じたイ・ジフンは大いに悩んだそうだ。だが、監督の「女性は愛している男性に嘘でも愛していたという言葉を聞きたい」という一言で吹っ切れたそうだ。当初、コンの役は「生きている結末とそうでない結末」があったそうだ。結局「コ・ゴンが死ぬ」ことになったが、この悲しい選択は成功したようだ。それにしてもイ・ジフンは「魔女宝鑑」「青い海の伝説」などなぜか悲しい役や死ぬ役が多い。本人も自覚しているようで、その理由を「ゆれながら咲く花(学校2013)」のイ・ミンホン監督に「かわいそうで悲しい目」からと分析している。
一方、最終回で死を覚悟した主役カップル。タルは20話でウォルグァン和尚に「仮死状態になる術」お願いをした時点で死を覚悟し、ピョンガンもまた20話で嬰陽王に宣言した通り、タルを生かすために無謀な新羅王の暗殺を考えた。そんな2人のお陰で、嫉妬、裏切り、復讐、戦争という過酷な展開の中でもホンワカした優しい愛を感じさせてくれた。思い切り泣かせた後で、嬉し涙で終わらせたエンディングも素敵だった。そして最後まで女性主導というのも“今どき”だ。
主演の2人は「2021年KBS演技大賞」でキム・ソヒョンが最優秀女優賞と人気賞、ナ・イヌは新人演技賞、そして2人でベストカップル賞を受賞。特にメインキャスト中で最年少のキム・ソヒョンは、男性主役の突然の降板というアクシデントの中でもドラマをリードし、演技、アクションで魅せた功績は大きい。「2021年第48回韓国放送大賞」での女性演技者賞受賞も納得だ。一方、本作で「ジュンバ(準備されたばか)」、「ホホバ(甘くないばか)」、「ゴディバ(高句麗のめっちゃばか)」など視聴者から多くの愛称で愛されたナ・イヌだが、本作の前の作品「哲仁王后」ではとんでもない執着愛でヒロインを困らせる。彼が真逆の一途愛をどう演じたかはコチラで詳しく紹介している。
ところで、プンゲたちが押しても動かない棺。涙腺崩壊のこの場面を見てハ・ジウォン×チャン・グンソク共演の「ファン・ジニ」を思い出した方も多いのでは?ネタバレになるので詳しくは書けないが気になる方は9話で確認できる。
それにしても「花郎(ファラン)」でパク・ヒョンシクが爽やかに演じた真興王(ジディ)を本作ではキム・スンスが憎らしく演じている。
※史劇といえば、ドラマのその後も気になるが、これについては高句麗滅亡へ…コンム王子は王になれたのか?|栄留王、宝蔵王紹介で紹介するのでお楽しみに。
◇NHK「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」番組サイト
2021年10月31日 日曜21:00~22:00 日本初放送
【作品詳細】【「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」を2倍楽しむ】