「離婚弁護士シン・ソンハン」第11−12話(最終回):甥の親権を求めるソンハンと仲間たちの新たな旅立ち

2023年04月11日01時39分ドラマ
Netflix「離婚弁護士シン・ソンハン(原題:神聖なる離婚)」
独占配信中
ポスター出典:JTBC公式サイトより

チョ・スンウ主演JTBCドラマ「離婚弁護士シン・ソンハン(原題:神聖なる離婚)」(全12話)、遂に迎えた最終2話では甥ギヨンの悲痛な訴えを聞いて彼の親権を勝ち取ろうと奮闘するソンハンと、それぞれ新たな道を歩みだす仲間たちの姿が描かれた。気になるネタバレあらすじと見どころ、視聴率もチェックしてみよう。Netflixでも独占配信中だ。

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「離婚弁護士シン・ソンハン」はある出来事を機にピアニストから法律家に転身した離婚専門の弁護士シン・ソンハン(チョ・スンウ)が、様々な事情を抱えた依頼人とともに複雑な離婚訴訟に立ち向かう、ウェブ漫画を原作としたリーガルドラマだ。



■キャスト
シン・ソンハン役 チョ・スンウ
チャン・ヒョングン役:キム・ソンギュン
チョ・ジョンシク役:チョン・ムンソン
イ・ソジン役:ハン・ヘジン
 ほか

■第11話あらすじ
突然事務所を訪ねてきた甥ギヨン(キム・ジュニ)から、今の生活から救い出してほしいと懇願されたソンハン(チョ・スンウ)は、初めてギヨンの心の傷が深い事に気付かされる。
実母の死や、継母らとの息の詰まる生活、そして唯一の理解者だった運転手の突然の解雇でギヨンの心は限界に達していた。彼が暴食をしては嘔吐をするなど健康に異常をきたしている事を知ったソンハンはどうにかギヨンを幸せにしたいと願うのだが、伯父が実父から養育権を剥奪する判例は見つからなかった。

一方、ソジン(ハン・ヘジン)とジュン(ハン・ウンソン)はラジオ放送に悪質コメントを投稿した14才の女子を訪ねる。彼女はスジェビ(すいとん)食堂を営む祖母と暮らしており、母親は不倫相手と二人で姑から盗んだレシピでスジェビ食堂を繁盛させるが、我が子の養育費を一切払おうとしない無責任な態度を見せ、ジュンはこの母親に養育費を請求する事を誓う。

ユソク弁護士(チョン・ベス)がジョンソク(チョン・ムソン)の不動産屋を訪ねた事を知ったヨンジュ(ノ・スサンナ)は、彼がソンハン側に寝返らないよう脅しをかけるが、逆に過去の事をネタに退職金代わりに夫のジョングク(キム・テヒャン)が経営するカフェの一店舗を要求。かつてジュファの代理人だったユソク弁護士は、ジュファにとって不利になる医療記録の情報を不正にジョングクに伝えていたのだった。

マ女史(チャ・ファヨン)の離婚調停の準備が進められる中、あまりにも静か過ぎる相手方の反応を不審に思ったソンハンは突然、弁護を辞退すると宣言。何よりも彼はなぜマ女史が多額の財産分与を求めているのか理解できなかった。屋敷を訪れ運転手を解雇した事を責め、ギヨンの親権をソンハンに渡すように説得するマ女史に反論するヨンジュだが、ジュファが死ぬ直前の通話の内容を聞かれていたと知ると表情が凍りつく。

ソジンは局長(キム・ウォネ/特別出演)から夕方のラジオ番組での復帰を打診され、息子ヒョヌ(チャン・ソニュル)もこれを喜ぶが、ソンハンがつらそうにしている中で事務所を離れると思うと思い悩んでいた。ジョンソクは不動産屋を休業し、独断でギヨンと新しい運転手を尾行し始めるが、通報され警察署でソンハンとヨンジュを対面させるきっかけを作ってしまう。ヨンジュの態度にジュファが彼女に罵倒されて死を招いた事や、なぜマ女史が大金を必要としているのかに気づいたソンハン。

夫の女性関係に悩まされていたマ女史を屈託のない笑顔で癒やしたジュファ。彼女はマ女史にとって本当の娘のような存在になっていた。このまま放っておいてはヨンジュに奪われるに違いないギヨンの財産を守ろうと離婚を決意したのだった。

裁判での弱点を作ってしまったと憔悴していたジョンソクを心配してそっと抱きしめ友情を確かめ合った3人はギヨンの元を訪れると、ギヨンの弁護依頼を受諾。彼の親権を賭けた裁判が幕を開けた…。

■第12話(最終回)あらすじ
マ女史がギヨンの財産を確保する為に自分を犠牲にして離婚しようとしていると知ったソンハンは、彼女とテナム電子会長のチャンジン(イ・ホジェ)双方を説得し、離婚せずに財産分与をするという妥協点を見出した。しかし、ギヨンの親権をソンハンに渡したら、分与した財産をソンハンが奪うのではないかと疑うチャンジンに愛想を尽かしたマ女史は結局離婚を決意する。

親権を巡る裁判が始まるが、証人として訪れたユソク弁護士はジョンソクらの説得に応じず、ジュファの死について虚偽を述べ、かつてベートーベンも甥の親権を勝ち取ったが、甥はその後精神を病んで拳銃自殺をした事を引き合いに出され状況は芳しくなかった。

その頃、ジュンはソウルのスジェビ屋を訪れると、ソンハンの助言を活かして、母親と不倫相手から養育費を請求する事に成功し、ソンハンから初めて褒められて大喜び。

ユソク弁護士を説得し、過去の不正を自供するよう懇願したジンソク。説得には失敗したものの、愛車を売ってまで説得した彼の行動と、ラフマニノフのレコードを用意してソンハンを励ましたヒョングン(キム・ソンギュン)の友情に涙するソンハン。ラーメン屋の店主ソヨン(カン・マルグム)とのセカンド・ラブを順調に育んでいたヒョングンだが、ソヨンは突然2ヶ月間店を閉めてヨーロッパを旅行すると言い出し、ヒョングンを誘う。

その頃、ソンハンを訪ねたパンPD(ユ・ジュへ)は自分がソジンに不倫相手を紹介してしまった罪悪感を明かし、なかなか一歩を踏み出せないソジンのラジオ復帰を許してほしいと涙ながらに懇願。そんな中ソジンの心境に変化が訪れる。個人放送中に悪質なコメントが投稿され、表情を曇らせたソジンだったが、息子ヒョヌの言葉を思い出した彼女は「下品なコメントを書いている暇があったら自分のケツでも拭いてろ」と笑顔で恐怖を克服。そんな放送を聞いて微笑むソンハンはラジオブースから応援してほしいとソジンの背中を押した。

裁判では不利な立場ながらもギヨンの意見を聞いてほしいと訴えかけるソンハン。母であるマ女史からヨンジュがジュファに電話で放った罵声を聞いたジョングクはこれまで拒んでいた尋問に応じると、ジュファから親権を奪い取る為にユソク弁護士を使って不正に情報を入手した事を明かし、ギヨンの親権の一部をソンハンに渡す判決が下った。

こうしてギヨンと暮らし始め、慣れない育児に奮闘しながらも幸せを感じるソンハン、ラジオに復帰したソジン、ソヨンとヨーロッパ旅行を決意するヒョングン、ギヨンの悩みから解放されて前よりも晴れやかな表情でソンハンと離婚弁護を相談するマ女史など、仲間たちは新たな一歩を歩み始めていた…。

■見どころ
第11話の冒頭では再びソンハンの妹ジュファが事故に遭うシーンが描かれたが、直前の通話でヨンジュから浴びせられた容赦ない罵倒やギヨンを追い出すという脅迫が彼女を動転させて間接的に死に追いやった事が明かされた。

マ女史がどうして高額な財産分与を要求しているのかも明かされた。死んだ妹の元姑で気が強く会長夫人というと、これまでの韓国ドラマでは悪役として描かれる事が非常に多く、本作でも彼女がジュファの死に関わっているのではないかとミスリードした視聴者は多かったはず。しかし、蓋を開けてみると彼女はジュファの事を本当の娘のように感じていて、二人でドライブに行ってギヨンを妊娠した事を打ち明ける印象的なシーンも含め、全く真逆の善良な人物だった。そんな彼女がクライマックスでソンハンに離婚の相談をするシーンでは茶目っ気さえ感じられ好印象を与えた。

物語の主軸と並行して描かれたソジンの再起も微笑ましく、これまでは恐れていた悪質で下品なコメントに対して、「ケツでも拭いてろ」と更に上を行く強烈なコメントで上品に対抗するシーンは何度か巻き戻して観てしまうほど痛快な名場面だ。

本作ではソンハンとソジン、ヒョングンとソヨン、パンPDとジョンソクなど、恋愛を匂わせるシーンが何度も登場したが、結論から言って明確に恋愛が描かれたのはヒョングンとソヨンだけだった。不倫や離婚で息子を傷つけたソジンがすぐにソンハンと恋に落ちるというのは設定上難しいとは思うが、互いを気遣う様子や、悪質なコメントに過剰に腹を立てるソンハンなど、匂わせシーンが多かっただけに二人のその後が気になるところ。これは続編への伏線なのか、視聴者の想像に委ねるという事なのか。いずれにせよ深い余韻を与えてくれた。

本作で誕生した唯一のカップルで素敵なミドルの恋を繰り広げたヒョングンとソヨン。店を休んでヨーロッパを旅すると言い出したソヨンに対して、ヒョングンが一緒に行くと決意を告げるシーン。照れて顔を隠し、嬉しさで我慢できずにハグするシーンはとにかくカン・マルグムがチャーミング!これまでの作品では見た事がない「イケおじ」役が大ハマりしたキム・ソンギュンもとにかく魅力的で、このシーンも巻き戻して何度も観たくなる名場面だ。

最終話でもどこか論点がずれている男3人の友情も印象的で最終週では3人でハグする仲良しシーンが2度も登場する。勝手にギヨンを乗せた車を尾行して警察沙汰を起こし、裁判を不利な状況にしてしまったとビクビクするジョンソクにソンハンが怒鳴りつけたかと思えば「お前が前科者になるところだったじゃないか!」と心配してハグするシーンは「そこ?」とツッコミを入れたくなるが、同時に目頭も熱くなる名場面で、本作のクライマックスも3人の変わらない友情で締めくくられほっこりした気持ちで幕を閉じた。

第11話は5.4%、第12話はこれまでで最高の9.5%(いずれも全国視聴率・ニールセンコリア調べ)を記録。本記事で書ききれなかった登場人物達のその後は是非直接確かめていただきたい。

「離婚弁護士シン・ソンハン」は、韓国 JTBCにて3月4日(土)より土・日曜午後10時30分から放送され、全話Netflixにて配信中だ。

■スタッフ
脚本:ユ・ヨンア
演出:イ・ジェフン、イム・ジュンヒョク
韓国放送:2023年3月4日~4月9日(予定) JTBC
原題:신성한 이혼(神聖な離婚)
配信:2023年3月5日スタート Netflix

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