NHKドラマ「天城越え 後編」天城殺人事件の真相が明かされ、かつて天城を超えた2人が31年ぶりに再会
7月18日(土)に「天城越え 後編」が放送され、天城峠殺人事件の真相、封印された記憶、そして背負い続けた罪が明かされた。31年の時を経て、ハナ(若村麻由美)と望月(萩原聖人)の人生が静かに交差するラストシーンに視聴者から称賛の声が。NHKONEで見逃し配信中だ。
原作は松本清張の短編集『黒い画集』に収録された代表作「天城越え」。2025年にBSプレミアム4Kで放送された89分版を再編集し、総合テレビでは前編・後編の2回に分けて初放送される。
7月18日に放送された後編では、天城峠殺人事件の鍵を握る遊女・大塚ハナの半生を振り返りながら、田島刑事(岸谷五朗)が事件の真相に踏み込んでいく様子が描かれた。
■重厚な愛と罪のミステリー
はじめは「殺人事件の捜査資料」の印刷を依頼してきた田島だが、その後も執拗な追及を続ける。岸谷五朗演じる田島刑事の執念。萩原聖人演じる望月の、罪を抱えたまま、静かに生き続ける姿。そして、生田絵梨花の儚さと強さが同居するハナ像に、派手さはなくても、人の背負った罪と愛の物語として静に迫る名作として視聴者に印象付けた。
■若村麻由美、圧倒的な佇まいのハナ
そして一番の注目は、事件から31年ぶりに再会したハナと望月の場面。これは視聴者の心を最も強く揺さぶったシーンとなり、長い沈黙を背負い続けた罪、そしてそれぞれの人生が再び交差する展開に「声にならない謝罪が伝わった」「ただ立っているだけで物語になる」など反響があった。
特に、31年後のハナを演じた若村麻由美は、美しくも歳月を背負った女性の強さと儚さを表現。圧倒的な存在感で、視聴者を魅了した。「まさか最後に若村麻由美さんとは・・・ステキでした」「説得力ありすぎ!素晴らしいキャスティング」など称賛する声が多く寄せられている。
■ネタバレあらすじ
31年前に起こった天城峠土工殺人事件。容疑者として逮捕されたハナは、警察からの厳しい尋問を受けても、「自分は殺していない」と主張し続けた。田島刑事がハナの半生を聞くうちに、ハナが貧しい家に生まれ、幼いころから働きに出される生活をしていたことが明かされる。
家計を助けるため遊女として生きるしかなかったハナ。吉原を出ても、住み込みで働いた宿の亭主に手籠めにされては追い出され、旅人や土工たちと関わりながら宿場町を転々としてきたのだった。天城の宿場町で働くようになったハナは、そこで盗人の濡れ衣を着せられる。思うような扱いを受けられない日々に嫌気がさして、足抜けすることを決意。そこで出会った少年・望月次郎(末次寿樹)の純粋さに触れ、ハナの心にわずかな光が差し込み、2人で下田を目指すことになった。
天城峠のところで、向こうから歩いてくる土工を見つけたハナは、土工に声をかけ、次郎には「トンネルの向こうで待っているように」と伝え別れた。その後、ハナは身を売り、男から金を受け取る。しかし、トンネルを抜けても次郎の姿はなく、一人で宿に泊まったのだった。
金はもらったが殺していない。そう自供するハナの前に、“他にもハナが殺したと言っている人物がいる”と言って取調室に通されたのが、次郎だった。驚くハナを前に、次郎は「ハナが殺したのか?」と聞かれても沈黙するばかりだった。ハナが自白したのは、その出来事の直後だった。田島は、その言葉の端々に“誰かを庇っている”ような不自然さを感じたものの、事件の捜査は打ち切られてしまう。
時を経て、次郎はあの日の記憶を静香に辿っていた。ハナが男と体を重ねる姿を目撃した瞬間、若い次郎の胸に激しい怒りがこみ上げた。ハナがその場を去った後、次郎は衝動のまま男に殴りかかり、気づけば命を奪っていた。凶器を川へ投げ捨て、氷室で一夜を過ごした次郎。しかし、氷室に残された足跡は、ハナのものと断定され、次郎に疑いが向けられることはなかった。
時効を迎え、法に裁かれることはなくても、次郎は自らの罪を抱えたまま生きて来た。そして、もう一度ハナに会うために、彼はハナの故郷である茨城へ向かうと、あの頃聞いた歌声が聞こえてくるのだった。
31年ぶりに再会したハナと次郎。ハナは一瞬であの時の少年だと気づく。そして、次郎は印刷工場を経営していることを知ると「よかった。夢を見つけてちゃんと叶えた」と笑顔を見せた。「人にはそれぞれ生まれつきの運命ってもんがあるんです。生まれつきツイてない人は、ツイる人の足を引っ張っちゃいけないんです」と目に涙を浮かべると、仕事に戻って行った。次郎はハナの後ろ姿を見送りながら浮かぶかと頭を下げた。
共演は萩原聖人、岸谷五朗、奥野瑛太、岡田結実、若村麻由美、温水洋一、田口浩正ら実力派キャストが集結。脚本を羽原大介氏、演出を金澤友也氏が手掛け、音楽はfox capture planが担当する。
「天城越え」はNHK総合で7月11日(土)午後10時から前編、18日(土)22時から後編を放送。NHK ONE(新NHKプラス)で同時・見逃し配信も予定されている。
ドラマ「天城越え」
【放送】総合 7月11日(土)夜10:00~10:45前編、18日(土)夜10:00~10:45後編
[再放送] 7月15日(水)午前0:35~1:20前編、22日(水)午前0:35~1:20後編
※NHK ONE(新NHKプラス)で同時・見逃し配信予定
※初回放送 2025年5月10日 BSプレミアム4K 〈89分版〉
【原作】松本清張 『黒い画集』より
【脚本】羽原大介
【音楽】fox capture plan
【演出】金澤友也
【出演】生田絵梨花、萩原聖人、奥野瑛太、岡田結実、末次寿樹、杏子、 波岡一喜、高木勝也、佐々木春香、永山愛理、浅見小四郎、阪田マサノブ、菅原大吉、 今野浩喜、温水洋一、田口浩正、篠原ゆき子/若村麻由美、岸谷五朗 ほか
【制作統括】 黒沢淳(テレパック) 訓覇圭(NHKエンタープライズ) 本木一博(NHK)
【プロデューサー】 藤尾隆 (テレパック)
◇NHK「天城越え」HP
【関連記事、前・後編ネタバレ】